NOTES
今回は、ちょっとレベル高めなリズム練習を紹介します。メトロノームをバック・ビート(2拍目4拍目)に鳴らしたり拍のウラに鳴らして練習するのに慣れてる人にオススメの練習です。
この練習をするには、まず、2拍3連がちゃんとできないといけません。2拍3連ができない人は、【第10回】「ウラをオモテにする裏ワザ タンタカタン①」と【第11回】「ウラをオモテにする裏ワザ タンタカタン②」の説明を見て、両手で2拍3連ができるようにしてからこの練習をやりましょう。
さて、どういう練習かというと、練習したいフレーズに対して、メトロノームを1拍半で鳴らして練習するやり方です。1拍半というのは付点4分音符ですね。8分音符3つ分の長さです。
まず、練習したいテンポの2/3のテンポでメトロノームを鳴らします。たとえばBPM120で練習したい場合は、その2/3、BPM80で鳴らします。そしてこれが、下の譜面のように、ひとつめのクリックは1拍目オモテに鳴って、次は2拍目ウラ、次は4のオモテ、次の小節の1のウラ、3のオモテ、4のウラ、3小節目の2のオモテ、3のウラ、そしてまた最初に戻って1のオモテ、という風に鳴っている。このようにメトロノーム感じながらフレーズを弾く練習です。
このカウントができない、という人は、次のようにやりましょう。
まず、練習したいテンポ(例:BPM120) でメトロノームを鳴らして3/4拍子だと感じます(譜面A)。メトロノームを1拍として、1、2、3とカウントします。そして両手で2拍3連(タンタカタン)をやります。右手が3、左手が2です。
テンポをつかんだら、一度メトロノームを止めます。練習したいテンポの2/3のテンポ(例:BPM80)でメトロノームを鳴らし、それを2拍3連の1拍半のほう(左手のパターン) だと感じながら、両手で2拍3連をします(譜面B)。右手に合わせてカウントします。最初は3拍子でカウントし、慣れたら4拍子のカウントに変えます。これが、練習したいフレーズのテンポ(BPM120)です。
ベースのフレーズは何でもいいんですが、最初のうちは、4分音符と8分音符以外は含まれてないフレーズのほうがシンプルでいいです。ここでは、ロックンロールっぽいリフでやってみます(ex.1)。
ポイント
このメトロノームのパターンは3小節で1サイクルです。このリフは2小節で1サイクルなので、どんどんズレていきます。どうズレるかというと、リフの1サイクル目は、メトロノームの1小節目と2小節目。リフの2サイクル目は、メトロノームの3小節目と1小節目。リフの3サイクル目は、メトロノームの2小節目と3小節目。このふたつのサイクルを合わせると6小節で1巡します。
こんな風に、この練習ではメトロノームが拍ともズレていくし、フレーズのサイクルともズレていきます。注意力をキープしないとすぐ迷子になってしまうので、負荷が高めの、良い練習になります。1拍半のクリックと自分のフレーズが、自然にかみ合うようになるまで根気よく練習しましょう!
石村順でした!
石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。
◎Information
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