NOTES
リズム感を向上させるためには、弾いていないところを意識することも大事です。この話は、第8回でやった音の長さ(音価)の話の続きです。
別の言い方をすると、弾くタイミング(音を出すタイミング)をコントロールすることはもちろん大事なんですけど、 音を止めるタイミングをコントロールすることも同じくらい大事なんです。つまり休符が大事ってことですね。なんとなく無意識に音を止めている人も多いですが、それではダメで、音を出すときと同じくらい注意を向けて音を止めるんです。 名前に“休む”って言葉が入っていますが、休符は休みじゃないんですよ。意識的に表現しなきゃいけないんです。つまり、 休符は“休む”んじゃなくて“演奏する”んです。
で、ベースで休符を演奏する方法は、ざっくり分けると3種類あります。
①左手で音を止める
②右手で音を止める
③両手で音を止める
このうち、“①左手で音を止める”はどんな奏法でも使える方法なので、これをやります。
さて、左手で音を止める方法には指を“浮かす”“触れる”の2種類がありますが、今回は“浮かす”をやります。
ということで今回のテーマは
“左手の指を浮かせて休符を演奏する”です。
“なんだ、それはできているからいいや”と思った人も多いと思いますが、意外とちゃんとできてないケースが多いんです。 まず、1の指(人差指)で4弦5フレットのAを押さえて、これをやりましょう。クリックを鳴らして、2拍目4拍目と して聴きます。
ポイント① 右手で止めない
左手の練習なので、無意識のうちに右手で弦に触れないように気をつけます。
ポイント② 指を弦から離さない
押弦した指を浮かせると、鳴っていた音は止まりますが、指を弦から離してしまうと、今度は開放弦が鳴ってしまいます。指を浮かすだけで弦には触れたままにしておきます。
ポイント③ 2本以上の指で触れる
浮かせた指を弦に触れたままにしておいても、音が鳴る場合があります。ナチュラル・ハーモニクスが鳴るフレットだと、指を浮かせたときにハーモニクスが鳴ります。今やっている5フレットもそうです。これを防ぐためには、2本以上の 指で弦に触れます。今回の場合は、1の指を浮かせると同時に、ほかの指で弦に触れます。
ポイント④ クリックとシンクロさせる
音が止まる瞬間とクリックが鳴る瞬間がシンクロするように注意します。ただの基礎練っていうんじゃなくて、クリックをドラマーが演奏してるスネアだと思って、そのドラマーと息を合わせるつもりでやりましょう。
自分が意図したタイミングで正確に音を止めることに集中して練習してください。
次回は左手で触れて休符を演奏する方法について話します。
ということで、動画が役に立ったなら、いいね・シェア・コメント・SNSフォローして下さい。石村順でした~!
石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。
◎Information
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