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    【祝!レッチリ新作リリース】GuruConnect(skillkills)× 井澤惇(LITE)が語るフリー愛と『Unlimited Love』

    • Interview:Shutaro Tsujimoto
    • Photo:Kohe

    このアルバムの感想は、
    “今、何年やねん?”かもしれないな。
    俺はすごい好きやけどね。
    ━━GuruConnect

    ――2019年までの10年間、ジョン・フルシアンテが脱退していたわけですが、その期間のレッチリについてはどう見ていましたか?

    GuruConnect:俺、前作の『The Getaway』がけっこう好きなんですよ。ナイジェル・ゴッドリッチ(編注:レディオヘッドの作品を長年手がけるプロデューサー/エンジニア)がミックスやってて、デンジャー・マウスがプロデューサーで。“新しいことやりたい気持ちがあるんやな”って思ったし、個人的に内容もすごく良くて。だから今回もそういう感じなんかなって思ってたら、“めちゃくちゃレッチリやん”って感じで(笑)。でも、それはそれでいいなと思った。

    井澤:ナイジェルと一緒にやったのって、アトムス・フォー・ピース(編注:フリーがレディオヘッドのトム・ヨーク(g,vo)、ナイジェル・ゴッドリッチらと2009年に結成したバンド)からの流れだよね。

    GuruConnect:あのアルバムだけめっちゃ立体的やもんね(笑)。エレクトロとかとの融合とか、ちゃんと今っぽい音像を作ろうとしたというか。けっこうハッとしたっすね。

    井澤:あと俺はこの10年間は、“フリー勉強したよね”っていうのをすごく思っていました。ちゃんと理論を学んだうえで、展開の作り方とか、どういうフレージングをしたらどういう和声が出てくるかっていうのをわかったうえでベース・ラインを作り始めたなっていうのは、前々作くらいから感じてたかな。初期のゴリ押しの筋トレの感じもカッコいいし、そこに憧れるところもあるんだけど、歳を重ねたのもあってか、そうじゃなくなってきている。フレーズとかメロディの流れもすごく考慮するようになっているし、コピーするのも難しくなってるんじゃないかな。

    GuruConnect:落ち着いたというか、大人な感じになったよね。だから俺ね、レッチリはチャドが一番すごいと思ってるんやけどさ。チャドだけは落ち着かないというか、最初からずっと一緒なのよね(笑)。

    井澤:変わんないよね。ワンパクだよね。

    GuruConnect:本当にずっと同じ。ライヴで観ても安定感があって。俺は“レッチリはチャド説”を唱えてる(笑)。

    スグルスキル a.k.a.GuruConnect

    ――おふたりは今回のジョン・フルシアンテ復帰のニュース自体はどう受け止めていたんですか?

    GuruConnect:俺はなんとも思わんかったですね。“戻ってくるんやー”くらいで。

    井澤:俺はチョット複雑だったけどな。ジョシュ(クリングホッファー/g)のことがやっぱり……。でも、やっぱジョンが戻ってくるとやっぱりジョンの音になるね。

    GuruConnect:ジョンだと、周りが頑張る感じはするよね。音数少なすぎてコード感とかもベースが出してる場面も多かったり、フリーがめちゃくちゃ頑張らんといけなくなるよね。

    井澤:今回、そういう曲多いよね。

    GuruConnect:ギターがなくても成立する感じで作られてる感じがする。だってバンドやってて、これくらいの感じでギター弾かれたら困るよね?(笑)

    井澤:それも含めて今回やっぱジョン・フルシアンテ感あるなぁ。明らかにベース始まりの曲も多いし、ベースがどうしても動かないと曲が成り立たないレベルに音が少ない曲が多いもんね。やっぱ、ジョンはほかのパートを引き立たせるのがうまい。

    GuruConnect:ギタリストで、引き算できるっていうのはすごいよね。

    ――ここからは具体的に、曲を聴きながら話を進めましょうか。今回お気に入りの曲はありますか?

    GuruConnect:「Poster Child」は好きですね。これ、絶対フリーが作った曲じゃない? ビデオも漫画みたいで良かったよ。完全にPファンクやね。

    井澤:確かにそうだね。やっぱ今回ファンク臭がすごい増えた感じはする。

    GuruConnect:これ何年の曲やねんっていう(笑)。このアルバムの感想は、“今、何年やねん?”かもしれないな。俺はすごい好きやけどね。

    井澤:『Californication』に入ってそうだもんね。俺はアルバムの感想としては“いい歳の食い方したな”って感じかな。あと、レッチリを新しく聴く人に響くかは今回無視している気がする。今までのファンを喜ばせるアルバムではあるけど、レッチリを知らない世代からするとクラシックを聴いてるようなもんだと思う。

    GuruConnect:本当だね。特に最初の4曲とか“ザ・レッチリ”って感じ。「Whatchu Thinkin’」も聴いてみたい。これも良かったです。

    https://open.spotify.com/track/37o0LxdGxiF3chjxjwJwBD?si=b53315d223354fe4

    井澤:これ、俺もアルバムで一番気に入ってる曲かも。

    GuruConnect:前作からこういうベース弾くようになった気がする。

    井澤:理論を勉強してる感があるよね。どシンプルなんだけど、“そこ行かないだろ”ってところに行っていて、だけど和声はハマってるっていうね。

    ――音作りも特徴的ですよね。この音はどうやって出していると思いますか?

    井澤:ハイ・フレットで、ピックかなぁ?

    GuruConnect:フレットレスとかね。

    井澤:あとは弦がナイロンとか。フリーって意外とけっこうピックを使うから、右手でミュートしながらピックでハイ・フレットを弾いたらこういう音になるかもしれない。あとは親指弾きでパーム・ミュートしてる可能性もありそう。

    GuruConnect:この曲、54-71みたいじゃない?(笑)

    井澤:ぽいね(笑)。BOBOさん叩いてそう。

    GuruConnect:54は早かったってことやな。

    井澤:「Let ‘Em Cry」も聴いていいですか? (歌詞カードを見ながら)これ歌詞がおもしろくて。

    GuruConnect:スライ(&ザ・ファミリー・ストーン)みたいな感じよね。これもほぼベースでコード感を出しているような曲だ。

    井澤:歌詞に“俺たちにはニルヴァーナがいる” “俺たちにはマドンナがいる”ってあるのが気になる(笑)。うん、やっぱりファンクだね。

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