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    【ベースの日!特別企画】9人のプロ・ドラマーが選ぶ 今、私が組みたいベーシスト

    • Photo:Great The Kabukicho(MonoNeon),Yuka Yamaji(Tom Kennedy)

    神保彰

    PROFILE
    じんぼ・あきら●1980年にカシオペアでデビュー。中森明菜、ISSEI NORO INSPIRITS、ももいろクローバーZなど、ジャンルを超えて幅広く活躍し、プロ・ドラマーからも常に注目を集めている。メロディなども含めたアンサンブルをひとりで奏でる“ワンマン・オーケストラ”という唯一無二のスタイルを持ち、そのための独自機材“ドラム・トリガー・システム”を巧みに操る。2011年に国立音楽大学ジャズ専修客員教授に就任。さまざまなプロジェクトで世界を股にかけて活躍している。
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    Q1:あなたにとって、“良いベーシスト”の条件とは?

     音を出した瞬間に自然にLOCKすること。

    Q2:“良いベーシスト”が共通して備えている演奏技術はなんだと思いますか?

     力強い4分音符のパルスを作り出す技術。技術というよりは感覚。

    Q3:逆に“こういうベーシストは苦手だなぁ”と思うのは、どんな場合ですか?

     音が細くて重心が高い場合。神経質にあれこれ考えているのがわかる場合。

    Q4:これまで共演したことのない人で、今、あなたが一緒に演奏したいベーシストは誰ですか?

     ジャコパストリアス。叶わぬ夢、妄想ですが。学生の頃に初めて聴いて、ベースに素人の自分にも革新的なことをやっているのがわかりました。

    ジャコ・パストリアス
     1951年生まれ、アメリカ・ペンシルベニア州出身。1987年没。幼少の頃より聖歌隊に所属し、地元バンドにドラマーとして参加するもフット・ボールの試合で怪我をしたことをきっかけにベースに転向。高校を卒業後はいくつものバンドをかけもちし、その後はマイアミ大学で教鞭をとる。1976年にデビュー・ソロ作『ジャコ・パストリアスの肖像』を発表。その後、1975年頃からジョー・ザヴィヌル率いるウェザー・リポートに加入する。そのほかでは、ジョニ・ミッチェルなどのアルバム・プロデュースやライヴ・サポートなど多方面で活躍。自身のベースのフレットを抜き、隙間をパテで埋めた自前のフレットレス・ベースを用いたファンキーかつメロディアスなプレイは唯一無二で、左手で押弦しながら右手人差指でピッキングしたのちに親指で弦に触れて鳴らすピッキング・ハーモニクスや、ハーモニクスをコード・トーンとして活用した和音プレイなど、独自性の高いさまざまなアプローチは後続のベーシストに大きな影響を与えた。

    Q5:そのベーシストが演奏している楽曲でお気に入りの曲を教えてください。

    「ティーン・タウン」/ウェザー・リポート

    『ヘヴィー・ウェザー』収録/1977年

     とにかく衝撃的でした。メロディ楽器としてのベースの可能性を大きく押し広げた楽曲だと思います。メロディを弾いていてもグルーヴを感じるのがすごいと思いました。ドラムもカッコいいと思ったらジャコが叩いていました。

    Q6:そのベーシストとふたりで演奏した場合、どういったグルーヴが生まれると思いますか?

     ウェザー・リポートに加入する前はファンク・バンドで演奏していたので、何を弾いても基本的にファンキーなところが好きです。それも独特のファンキーさです。

    Q7:あなたが理想的だと思うリズム体の演奏が聴ける作品を教えてください。

    『ガウチョ』/スティーリー・ダン

    1980年

    『ナイトフライ』/ドナルド・フェイゲン

    1982年

     スティーリー・ダンのアルバム『ガウチョ』の全曲と、ドナルド・フェイゲンのアルバム『ナイトフライ』の全曲。
     プロデューサーのゲイリー・カッツが、偏執狂的なまでに演奏の細部にこだわった人なので、曲によってベーシストもドラマーも変わるのですが、いずれのコンビネーションも楽曲にこれ以上マッチする演奏はあり得ないという完成度です。

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