SPECIAL
吉田一郎不可触世界
Profile
よしだいちろうふかしょくせかい●1982年12月14日生まれ、長野県出身。中学生でベースを手にし、ソウル/ファンクに傾倒したのちにプログレにも大きな影響を受ける。自身がベース・ヴォーカルを務める3ピース・バンド12939dbを経て、2007年にZAZEN BOYSに加入(2017年12月に脱退)。TK from 凜として時雨、Aimer、坂本真綾など多数のアーティストのサポートも手がけている。2015年2月より“吉田一郎不可触世界”名義で、ソロ活動を開始し、2015年に『あぱんだ』、2020年5月に『えぴせし』という2枚のアルバムをリリースしている。
◎Official HP
Q1:新しく導入したい機材を、予算10万円として教えてください。
Plekで可能な限り何本もベースをメインテナンスしたい。
PLEKメニューの一例:¥13,000(1本/Sleek Eliteにて調整、および擦り合わせの場合/税抜)
各種調整費用は、(導入工房により)価格設定が異なるのでお問い合わせください。
Plekとは、弦を張った楽器のネック/指板の状態(ネックの反り、フレットの高さや形状、ナットの高さ、弦の振幅量など)を1/1000mm単位で測定してデータ化し、フレットの擦り合わせも行なうことのできる機械、およびそれを利用したメインテナンスのこと。
Q2:上記で挙げていただいた機材は、それぞれ、どのような目的で導入するのですか?
楽器のメインテナンスに関して私にオカルト要素は不要だ。20代の頃、他所様にメンテをお願いすると、あ、全然良くねーなーって状態で返ってくることが多くて、言葉でアレコレ伝えるのも時間かかるし嫌になった。それからというものフレットの擦り合わせまでのメンテは自分でやるようになった(フレット打ち替えは流石に全然無理だった)。
ベースのネック・コンディションが日々というか、照明の熱やらでもはや1曲ごとに変わってしまうことに一喜一憂しているのは私だけではないだろう。鳴らないのはもちろん困るが“なんか知らねえけど今日は良く鳴るな”というのも案外かなり困る。後日鳴らなくて調子悪いときにロッドやブリッジの調整だけでは再現できないからだ。調子が悪いときの倍音が少なくモッタリとした立ち上がりの遅い鳴りを思い出すだけでイライラしてくるくらいだ。
ところが、私が最近メインテナンスをお願いしているSleek EliteのHirose氏は物理的根拠に基づいた調整(ご本人談)をしてくださるので非常に助かる。自機のネックとフレットの状況を画像化して初めて見せてもらったときはキンタマがひとつに合体するくらい驚いた。実際に鳴りの安定感、そして何よりメンテしたばかりの良い状態の”持ち”が段違いだもの超長持ち。ほんとはあんまり教えたくないから内緒だよ。特にマーガレット廣井くんやハマ・オカモトくんのように若くてカッコいい人には教えちゃダメだ。俺はステイホームしすぎて口数が多い。