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    INTERVIEW – 上野恒星 [Yogee New Waves]

    • Interview:Shutaro Tsujimoto
    • Photo:Tetsuya Yamakawa(Live)、Kodai Kobayashi(Profile)

    アジアのなかでいいムーヴを起こせたらいいなと思っています。

    ━━アルバム1曲目の「SISSOU」には、まさに悶々とした時代の空気を吹き飛ばしてくれるような“疾走感あるバンド・サウンド”が表現されていると感じましたが、これは“せえの”で録ったことが大きそうですね。

     この曲はアレンジに本当に時間をかけていなくて、スタジオで2回くらい合わせてその勢いで録音しちゃおうって感じでした。ベース・ラインも最初はもっと音数が多かったのですが、“もっとシンプルにしよう”という話をみんなでして、どんどん削ぎ落としていきました。

    ━━今作には、近年のライヴにサポート・ミュージシャンとして参加している高野勲 (k)さん、松井泉 (per)さんも参加していますよね。自分たちより上の世代のミュージシャンと一緒にやるなかで、何か受け取るものはありますか?

     彼らからは細かいものまで多くのことを受け取っているので、ひと言で“これ”っていうのは難しいですね。特にテクニック的なことは常に学んでいます。ツアーに出ているときは打ち上げの席もあったり、都度いろいろな話を聞かせてくれますね。

    ━━コロナでツアーも思うようにできない時期が長かったかと思いますが、家にいる時間が増えるなかで、何か新しいインプットがありましたか?

     音楽以外のものからのインプットが増えたんですよ。レコードもこれまでずっと買い続けてきたんですけど、ここ1年はあまり買っていないほうで。最近は絵を描いたり、画集を買ったりだとか、そういうことがインプットとして大きくなっていて。今までの人生で絵にはほとんど興味なかったんですけど、急に興味が出始めて、毎日新鮮にいろいろなものを取り入れられてるなって感じです。

    ━━Yogee New Wavesは海外でのライヴ活動も多かったので、コロナ禍以前はそこでの体験も大きな刺激になっていたはずですよね。コロナが奪ったものはもちろん多いですが、一方今作では「Toromi days」での落日飛車(Sunset Rollercoaster)のKuoさんとのコラボレーションが実現していて。海外との物理的な交流が難しい状況下での、アジアのインディー・バンドの交流の姿に勇気づけられた音楽ファンは多かったと思います。

     海外ツアーはすごく好きだったので、ダメージを受けている部分はあるでしょうね。ツアー先で友達ができるのも楽しかったし、演奏することも好きだったので。でも、コラボレーションがそういう風に感じてもらえていたら嬉しいです。ありがたいことに、いろいろな国を行き来させてもらい、いろんなバンドとも仲良くさせてもらっているので。アジアのなかでいいムーヴを起こせたらいいなと思っています。

    【Equipments】

    『WINDORGAN』で使用された機材の一部を紹介。

    Bass

    2019年に入手した、1964年製フェンダー・プレシジョン・ベース。ボディ材はアルダー、ネック材はメイプル、指板はローズウッド(ラウンド貼り)で、ハードウェアや回路はすべてオリジナルのものが残っている。主にライヴ使用されている。

    2017年のライヴ・ツアーから導入した1960〜62年製フェンダー・プレシジョン・ベース。ボディはシェル・ピンクにリフィニッシュされており、ブリッジ付近にもパーツを交換したあとが残っている。

    1970年代製フェンダー・ジャズ・ベース。竹村郁哉(g)の父が所有する1本。「SISSOU」などで使用された。同曲では、ブリッジ・ミュートをしながらのピック弾きでの演奏がされている。

    角舘健悟(vo,g)所有のHagstrom製ベース。Hagstromは、スウェーデン発祥のブランドだ。ショート・スケールで、上野はフラット・ワウンド弦を張り、ピック弾きをしている。今作では「You Make Me Smile Again」「White Lily Light」で使用。

    Amplifier

    2019年に導入したフェンダー製SUPER BASSMAN。アンプでベースをブースト、トレブルをカットした音色などを作り、ライン音と混ぜてサウンドメイクをしている。今作のレコーディングでは3つのアンプ・ヘッドを使用しており、本機に加え、アコースティック製のModel220、ローディ所有のウォルター・ウッズ製アンプを楽曲によって使い分けている。なお今作では、録音時にエフェクターは使用していないとのことだ。

    10月19日発売のベース・マガジン2021年11月号にも上野恒星のインタビューを掲載!『WINDORGAN』のベース・プレイについて、BM webとは別内容でお送りします。

    その他、JIRO(GLAY)と楢﨑誠(Official髭男dism)による表紙巻頭のスペシャル対談のほか、新作『KNO WHERE』をリリースしたOKAMOTO’Sよりハマ・オカモトの特集、ベース用ペダル型プリアンプの大特集などを掲載しています。ぜひチェックしてみてください!

    ◎Profile
    うえの・こうせい●1988年、福岡県出身。小学校の頃にアコギを手にし、中学生でベースを手にしたことで将来的にミュージシャンを志す。幼い頃から音楽に惹かれ、スピッツ、ビートルズ、ローリング・ストーンズなどを当時から好み、それらが現在のプレイに影響している。Yogee New Wavesは2013年に活動開始。2017年に上野と竹村郁哉(g)が加入し、同年5月に2ndアルバム『WAVES』をリリース。台湾や韓国など、海外でのライヴ活動も行なうようになる。2019年の3rdアルバム『BLUEHARLEM』を経て、2年半ぶりのニュー・アルバム『WINDORGAN』を今年発表。10月から12月にかけては全14都市を巡るツアー“WINDORGAN TOUR”が開催される。

    ◎Information
    Yogee New Waves
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    上野恒星
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