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    INTERVIEW – F チョッパー KOGA [Gacharic Spin]

    • Interview:Shutaro Tsujimoto
    • Photo:LisA=kozai、Yuto Fukada(Live)

    メンバーひとりひとりの人間味が感じられるようなものが音や言葉に乗ってくると思うんです。

    ━━「何者にもなれなかった僕たちへ」のベースはとてもメロディアスなラインになっていて、“チョッパー”としてではないKOGAさんのベーシストとしての魅力が出ている楽曲だと感じました。

     これはまさに“ヴォーカルみたいに歌うベース”になったらいいなと思って弾きました。こういう歌モノでベースが歌いすぎるとヴォーカルの邪魔になることが多いから、ルートに行ったほうがいいのかなと思ったりもしたんですけど、土台を持ってきたオレオからは“結構動いてほしい”という要望だったんで、自分も歌う気持ちで弾いてみました。

    ━━「Days」や「365日」では、逆にルートで支える側にまわる選択をしています。ここにはどういう判断があったんでしょうか?

     「Days」はアルバムのなかでの立ち位置を考えました。バラードという立ち位置だからこそ歌を一番に聴かせる、一音一音で届ける曲になったらいいなと、支える側にまわりました。「365日」はメロディと歌詞の大元を自分で固めつつ、はなと作りあげた曲なんですけど、そのときからライヴでみんなで歌える曲になるといいなと思っていて。ベースはシンプルなものにしたいというか、むしろ弾いていなくてもいいくらいという感じでしたね。

    左上から時計回りに、オレオレオナ(k)、はな(vo,g)、yuri(d)、TOMO-ZO(g)、アンジェリーナ 1/3(mic performer)、F チョッパー KOGA(b)

    ━━今作では「1GAME」でベース・ソロ的な演奏も披露しています。かなり過激なディストーションの歪みが聴けるパートになっています。

     これはピックでゴリゴリ地を這うようなイメージで弾いた曲ですね。5弦をピックで鳴らすというのが今でも難しくて(笑)。輪郭がボワッとしてしまったり、ちょっとでも弦とピックが当たる位置や角度が変わるだけで、テイクごとに響き方が全然違っちゃうので。今作のなかではスラップの難しい曲よりも「1GAME」のピック弾きが一番難しかったかもしれない。あと音作りについては素の音で録ったものを、あとからエンジニアさんに歪ませてもらいました。最初はもっと薄めにかかってたんですけどね。“もっと濃くしたい”ってやってたら、まわりのメンバーに“目立ちたがり屋だな〜”って言われて(笑)。“ずっと支えたあとのソロだからここはガッといきたい!”みたいなやりとりをしてましたね。

    ━━今作で使用したベースや、録音環境について教えてください。

     ベースは全部VELLMOR GUITARSのF チョッパー KOGAモデルを使ってるんですが、実はこの「1GAME」だけワーウィックのInfinityの5弦モデルを弾いているんです。レコーディング前日に私のベースの調子が悪くなってしまい急遽借りたのですが、結果普段と違うベースで録音できたのも楽しかったです(笑)。録音はすべてライン録りで、エフェクターは普段ライヴでも使っているボスのコンプレッサー(BC-1X)を全曲で噛ませています。エンジニアさんは今までの作品もずっと一緒にやってくれてる方なので、ミックスに関してもお任せしたものを基本に微調整をするくらいでしたね。

    ━━最後に、Gacharic Spinは今後どこへ向かっていくのでしょうか? これまでのエンターテイメント要素に加えてメッセージ性の高いシリアスな表現も増えた今作を経て、新たなGacharic Spinがこれからどんな活動を見せてくれるのかが楽しみです。

     今までのガチャピンの楽曲は“明るく一緒に頑張ろうぜ”みたいなものが多かったので、これからはもっとメンバーひとりひとりの人間味が感じられるようなものが音や言葉に乗ってくると思うんですよね。「MindSet」の歌詞もそうですけど、“ひとりひとりのなかにあるもの”が、今回のアルバムでは聴けると思いますし、それをベース・ラインも通して届けられたらいいなと思います。それは日々生活していくなかで生まれてくると思うし、経験がそういうものにつながっていくから、いろいろなことを経験していきたいなと思います。

    ◎Profile
    えふ・ちょっぱー・こが ●12月22日生まれ、愛知県出身。2009年にGacharic Spinを結成し、2014年にメジャー・デビュー。メンバーの変遷を経ながらも、テクニカルなプレイと“全力エンターテインメント・ガールズ・バンド”の名にふさわしい圧巻のステージングを武器に、精力的な活動で国内外問わず幅広い層から人気を獲得していく。2017年6月に日比谷野外大音楽堂での単独公演を成功させる。またバンドのYouTubeチャンネル“ガチャっとTV”で動画コンテンツを発信している。2021年9月8日には初のセルフ・プロデュース・アルバム『Gacharic Spin』をリリースし、2022年1月10日にはZepp Haneda TOKYOにて単独公演も予定。また国内屈指の高速スラッパーとしても知られ、これまでに2枚のスラップの教則DVDを発表している。

    ◎Information
    Gacharic Spin Official HP Twitter
    F チョッパー KOGA Twitter Instagram