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INTERVIEW – F チョッパー KOGA [Gacharic Spin]
- Interview:Shutaro Tsujimoto
- Photo:LisA=kozai、Yuto Fukada(Live)
自分がどうっていうのよりも、バンドがあるからこそ生まれるベース・ラインが多い。
━━リード曲となった「I wish I」も“本音を言う”ということがテーマになっていて、「MindSet」からの流れを感じる楽曲になっています。ベースもかなり攻撃的なスラップ・プレイをしていますね。
ベーシストとして自分の立ち位置をしっかり見せたいということを考えるなかで、みんなも攻撃的に来ていたので“ここは行かねば!”という感じでした(笑)。でもこの楽曲は、サビではルートの指弾きで歌を前に出しているし、コントラストが生きる曲なのかなとは思ってます。そういう意味では、キメに複雑なものがあったり、フレーズとフレーズの切り替わりでテンション感を保つのが難しかったり、スラップは円を描くようなグルーヴを出すのが難しかったり、1曲のなかでいろんな練習ができる曲なのかなと(笑)。
━━曲のなかで展開が次々と変わっていくというアイディアはどこから生まれたのでしょうか?
この曲のど頭のパートは実は2013年くらいに、はなとふたりで作っていたんですけど、そこからの展開がずっとうまくいかなくて。去年コロナもあって今までストックしてきた曲をみんなで聴くなかでこれを詰めることになり、土台を作ってくれることになったTOMO-ZOにいろんな要素を注文したんです(笑)。“アンジーも入ってきたしAメロは普通のメロディじゃなくてフツフツと語っているようなものがいい”だったり、あとは“ピアノが生きるような儚い部分を”とか、“はなとアンジーとオレオ(レオナ/k)の3声が絡み合う曲にしたい”とか、彼女にやりたいことをボンボン言うだけ言いましたね(笑)。最終的に、はながアレンジの交通整理をしてくれる段階で、今のGacharic Spinを表現するにはこれがアルバムの1曲目に来るのが良いんじゃないかという話になりました。
━━本作でスラップで攻める曲というと、ほかに「ミライ論争」や「Forever 9teen」がありますが、これらの曲では先の2曲ともまた異なるタイプのスラップ・プレイをしていて、KOGAさんの引き出しの多さを改めて感じさせるものになっていると思います。
ガチャピンはメンバー全員が大まかなフレーズが入った状態で曲を持ってくるので、6人いたら6通りの演奏があって、それが基盤になってる気がします。“すごくベース・ラインにこだわってる”って言ってもらったりもするんですけど、あんまり自分のなかではこだわりはなくて(笑)。まわりからの刺激あっての、楽曲ありきでのものという感じで。だから私は自分がどうっていうのよりも、バンドがあるからこそ生まれるものが多いって思ってますね。例えばスラップでガンガン攻める「ミライ論争」のめっちゃ速いフレーズは、はなが“弾ける弾ける!”って作ってきたものですし(笑)。
━━「Forever 9teen」でのベースの使い方にも驚かされました。この曲ではシンセ・ベースが低音の領域を担っていて、エレキ・ベースによるスラップのプルはウワモノとして聴こえるようになってますよね?
曲はオレオが持ってきたんですけど、最初“全部シンベでいきたい”って言われたんですよね。楽曲にとってそれが良いなら私は絶対にエレキ・ベースじゃなきゃ嫌だとかはないんですけど、ライヴでシンベを弾くイメージがどうしても持てなくて。そういう話をしているうちに“じゃあウワモノっぽいベース録ってみない?”という話になり、それでシンベを免れましたね(笑)。音符の切り方やミュート具合が難しかったですけど、ほかの曲にないアレンジだったので楽しかったです。