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    BASSIST FILE- Natsuki Kato (ナツキ・カトウ)

    • Luby Sparks

    2016年3月結成の5人組バンド、Luby Sparksのベース、ヴォーカル、作詞作曲を担当。2018年1月にはマックス・ブルーム(ヤック)と全篇ロンドンで制作したデビュー・アルバム『Luby Sparks』、2022年5月にはマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、リナ・サワヤマなどのプロデュース/エンジニアを手がけるアンディ・サヴァースを共同プロデューサーに迎えた2ndアルバム『Search + Destroy』をリリースした。最新作は2024年5月に発売された、ルーツであるシューゲイザー/インディ・サウンドに回帰した4曲入りのEP『Songs for The Daydreamers』。また2023年には大規模なアメリカ・中国ツアーを行なったほか、インドネシアの音楽フェスティバル“Joyland Festival”への参加や、イギリス、韓国、タイでもライヴ活動を行なうなどグローバルに活動を展開している。Luby Sparks以外の活動としては、Lillies and Remains、Oracle Sisters、Mariko Doi (ヤック)などのサポート・ベーシストも務める。

    Q1:ベースを始めたきっかけと年齢を教えてください。

    最初にベースを手にしたのは高校2年生ごろ。母親が学生時代にバンドでベースをやっていたことや、その母からジャミロクワイのCDを初めて聴かされたときの“こんなにお洒落で、ベースが目立つ音楽があるんだ”という衝撃が影響してか、無意識のうちに子供の頃からいつかギターではなくベースを弾きたい、という気持ちを持っていました。ところが中学、高校ともに軽音楽部はなかったため、6年間吹奏楽部でおもにサックスを吹くことに。高校の吹部では同じ学年に男子が僕とGenya Ishizaki(現在、South Penguinなどでパーカッションを担当)くんしかおらず、中学からドラムをやっていたバンド音楽上がりの彼とともに部活の外でバンドまがいのことを始めたのが最初のきっかけです。

    初めて買ってもらったベースは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが当時販売していたオリジナル・ブランド、FLEABASSのブラック/ホワイト・カラー。ほかにはないデザインに惹かれ、わざわざ海外サイトから直輸入しました。初めて練習した曲は同バンドの「Soul to Squeeze」、TSUTAYAでレンタルしたベスト盤に入っていたこの曲の歌うようなベース・ラインがとにかく好きで(耳コピしやすかったのかも)、当時からベースが派手な曲より純粋に“良い曲“と思えるコード進行などが好みだったのかもしれません。

    Q2:自身の代表作を3作挙げてください。(楽曲またはアルバム名、アーティスト/バンド名)

    「Crushing」Luby Sparks
    「Somebody Else」Luby Sparks
    「The Short Lived Girl」Luby Sparks
    (ベース・ライン的観点から選んだ3曲です)

    Q3:好きなベーシストのベスト5を教えてください。(5人に満たなくても構いません)

    メリッサ・オフ・ダ・マー(ホール、スマッシング・パンプキンズ)
    ダーシー・レッキー(スマッシング・パンプキンズ)
    マリコ・ドイ(ヤック、パラキート)
    パズ・レンチャンティン(ア・パーフェクト・サークル、ズワン、ピクシーズ)
    リース・“スパイダー”・ウェッブ(ホラーズ)

    Q4:ベーシストとして活動するうえでの座右の銘を教えてください。

    とにかくシンプルに、それでいて印象的に。

    Q5:音楽以外の趣味、興味のあることはなんですか? 
    また、それらは自身の音楽にどのような影響を与えていますか?

    一年中、毎週海に行きサーフィンをしています。ごく稀に波待ちしているときに悩んでいたメロディが思いついたりしますが、スマホのような人工物を持ち込めない、環境音だけに囲まれる海の上でのサーフィンは逆に自分にとっては音楽のことを忘れられる唯一の時間かもしれません。

    Q6:人生に大きく影響を与えた本や漫画、映画は?

    ・映画『イントゥ・ザ・ワイルド』

    都会にいながらどこか自然(wild)を求めてしまう今の自分にはきっと実現できっこないけど、いつの日かと夢見てしまうロード・トリップ映画。

    ・映画『ロード・オブ・ドッグタウン』

    子供の頃に親しんでいたサーフィン、スケートボードが、初めて自分のなかで音楽やファッション、ユース・カルチャーとリンクした映画。

    ・映画『スター・ウォーズ エピソード1 / ファントム・メナス』

    おそらく子供の頃、初めて映画館で観た映画。物心ついて一番最初に好きになった音楽は、ジョン・ウィリアムズ(『インディ・ジョーンズ』、『ジュラシック・パーク』、『ハリー・ポッター』など)のサウンドトラック。

    ・DVD『Directors Label』シリーズ

    ミシェル・ゴンドリー、スパイク・ジョーンズ、マーク・ロマネクなど、世界的なMV監督の作品を網羅したDVDシリーズ。ボックスセットが実家にあり、夜な夜な父親が個性的なMVをリビングで垂れ流していたのを横目に見ていた思い出。

    ・写真集『A Scene in Between』

    80年代のUKインディ・ロック・シーンを撮影した写真集。初期のジーザス&メリーチェイン、プライマル・スクリーム、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなどが登場し、当時の彼らのファッションから多大な影響を受けました。

    Q7:あなたにとっての“夢の舞台”を教えてください。(※経験した公演でも構いません)

    イギリスの音楽フェスティバル。結成当初に一度だけ“Indietracks”というイギリスのダービシャーで開催されていた野外フェスに出演しましたが、あのときの本当に好きな音楽ばかりに囲まれた多幸感が忘れられず、“どんな規模のフェスでも良いからもう一度出たい”と思っています。

    BASS 

     

    Rickenbacker/Model 4003 “Blue Boy”
    Luby Sparksでメイン器として使用。

    Ernie Ball Music Man/Classic StingRay Bass(Powder Blue)
    Lillies and Remainsで使用。

    • Rickenbacker/Model 4003 “Blue Boy”

    AMPLIFIER  

     

    型番問わずAmpegのヘッドとキャビネットを使用。

    EFFECTS 

     

    MXR/M80 bass d.i. +(プリアンプ)
    Electro-Harmonix/Holy Grail(リヴァーブ)
    Electro-Harmonix/Freeze(サウンド・リテイナー)
    BOSS/DD-3(デジタル・ディレイ)
    Electro-Harmonix/Bass Clone(コーラス)
    Electro-Harmonix/Bass Big Muff Pi(ディストーション、サステイナー)
    BOSS/ODB-3(オーバードライブ)
    JHS Pedals/Angry Charlie V3(ディストーション)

    • エフェクター・ボード(2022年5月Bass Magazine Web掲載時)