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    【第47回】効率よく上達する練習のコツ!/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    効率よく上達したいなら、自分のプレイをよく聴くことが大事です。

    特に、以下のポイントごとにチェックして、うまくいっていないポイントをリストアップして、個別に取り組むといい
    です。

    ①タイム
    正確なリズムで演奏できているか? リズムの精度が甘くないか?

    ②グルーヴ
    曲に合ったグルーヴ、出せているか?

    ③音色
    曲調やグルーヴに合った音色で演奏できているか?

    ④コード
    コードやコード進行に合った音を選んでいるか?

    ⑤アレンジ面
    ほかの楽器のフレーズやメロディ・ラインとの関係はうまくいっているか?

    これらのポイントをできるだけ客観的に確認するために絶対にやるべきこと、これが今回のテーマ、“録音して聴く”ことです。これ、今まで教えてきた人全員に勧めているんですが、意外とやってない人がいるんですよねえ。バンド練やライヴ本番を録る人は多いんですが、これだと(プロじゃない限り)たまにしか録音しないってことになりがちです。日常的に、個人練を録音して確認しましょう

    録音する理由

    演奏中は、注意力の大部分が“演奏という行為”に向けられていて意外と聴けていないものです。演奏ってアウトプットで、聴くのはインプットですよね。録音したものを聴くときは、注意力の大部分を“聴く”ことに向けられるので、より客観的に、つまりほかの人が聴くような感じで自分の演奏を聴けます

    こういう“人の視点”って大事で、だからバンド・メンバーからの指摘も大事だし、それこそレッスンに習いに行く理由はそこにあるわけですが、レッスンもバンド練もたいていそんなに頻繁ではないですよね。日々、個人練を録音して聴くことで、実際はできていないのにできていると勘違いすることが減ります。まあ自分の演奏の録音を聴くと、だいたい凹みますよね。でも、凹んでる場合じゃないんです。いちいち凹まずに、事実を受け入れて、対策を練って、練習する。それが上達への近道です。

    録音する方法

    ほかに何もないならスマホのボイスメモ的なアプリで録ってもいいです。ただ、録音レベルを設定できないことが多いので、アンプの音とかバンドのリハとかの大きい音を録音すると、だいたい音が割れたりコンプが強くかかってしまいがちです。そういう録音を聴いても、細かい確認はあまりできません。なので、適切な録音レベルを設定して録音できるほうがいいです。

    そうすると、スマホ用の外付けマイクや専用アプリを入手して録音するのもいいかもしれません。

    お手軽なのはハンディ・レコーダーです。

    もちろん、オーディオ・インターフェイス経由で、MacやPCやタブレットなどのDAWに録音するのもいいです。その場合はDAWからクリックを出して録音すると、突っ込んだりモタったりしてるのを波形で視覚的に確認できるのでいいです。

    録音する場所

    個人練を録る場合は自分が演奏してる場所で録ればいいですが、バンド練を録る場合は自分の近くで録るとベースの音だけ大きくてほかの楽器があまり聴こえない、みたいなバランスの録音になってしまう場合があるので、できるだけ全員の音がバランスよく取れる場所で録りましょう。

    ライヴの場合は、PA卓の近くで録るとバランスよく録れることが多いですよ。

    録音するタイミング

    個人練の場合、その練習をしばらくやって最後のほうとか、“うまく弾けるようになったかも”というタイミングで録って、すぐプレイバックして確認するといいです。

    バンド練の場合も、その場でプレイバックしてみんなで確認して意見を出し合いながら練習するのも良いし、そのうえであとで家で改めて各自で確認するのも大事です。


    こういう風に、できるだけ客観的に自分の演奏を確認しながら日々練習することで、効率よく上達することができます。ぜひ練習に取り入れてください。

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    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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