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    【第44回】足に依存するリズム感を脱却しよう/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    演奏中に足や首を動かしてリズムを取ってる人、たくさんいます。演奏のリズムがいい場合は別にいいんですが、そうじゃない場合はやめたほうがいいです。特に、足で取っているリズムそのものが大雑把だったり、明らかにズレていたりする場合はなおさらです。 

    まず最初に、ちょっと実験してみましょう。一応、下記のフレーズでBPM100、ということにしますが、好きなフレーズ、好きなテンポでやってもいいです。 

    実験1 

    メトロノームをBPM50で鳴らして2拍目4拍目として聴きつつ、足や首でリズムを取らずにフレーズを弾きます(上譜面)。絶対に足や首を動かさないように。そして、演奏してるところをスマホなどで数分間録画して、あとで確認します。 

    実験2

    次に、クリックもフレーズも同じまま、今度は上の譜面で示したように拍のウラで足をタップします。リズムを取るためではなく、フレーズの一環、演奏の一環として足をタップする意識です。これも録画して確認します。

    さあ、どうでしたか?

    まず実験1で、足や首を動かさないようにしてもちょっと気を抜くと勝手に動いちゃった場合、無意識に足を動かしてしまっています。

    また、足や首でリズムを取らないと、リズムがわからなくなったり、演奏がヨレたりした場合、リズム感を足の動きに依存してしまっています

    次に実験2で、拍ウラでうまく足がタップできなかったりヨレる場合、足のリズムの精度が低いです。

    もともと手や指に比べたら足の動きは精度が低いうえに、ドラマーやタップダンサーでもない限り、足のリズムって訓練してないですよね。しかも、ドラマーも足の動きを頼りにして手を動かしません。むしろ、手の演奏に合うように足を訓練します。手の精度に足を合わせようとするならまだしも、その逆は意味がないってことです。レベルの高いドラマーなら、手足4本が独立して自由に動くように訓練します。なのに、僕らベーシストが、もともとリズムの精度が低いうえに訓練されていない無意識的な足の動きを頼って演奏するのはおかしいですよね。だから、足や首の動きを頼りに演奏するのは今日からやめましょう

    ただ、誤解しないでほしいんですが、演奏中に足や首を動かすことそのものが悪いわけではないんです。①無意識に動かして、②その精度の低い動きに依存している、この2点が良くないんですね。どこも動かさなくても良いタイムとグルーヴで演奏できるんだけど、演奏の基準とかじゃなく、ただ音楽が気持ちいいから踊ってる、ってだけならいいんです。

    精度の低い足に無意識に依存してる人は、まずその依存を断ち切るのが先決です。そのために、実験1でやった“意図的 に足や首を動かさないで演奏するトレーニング”が役に立ちます。

    じゃあどこでリズムを感じればいいのか。無意識の適当な動きじゃなく、意図的に動きを訓練するなら意味があります。実験2みたいに、決めた場所で意図的に足をタップするのもいいし、ほかにもいろんなトレーニングあるので、また別の機会に紹介します。  

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    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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