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    【第32回】休符を休むな 4 右手でスタッカートを弾きこなす必須スキル/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    前回までやってきた左手でのミュート(休符の演奏)は、指弾きでもピック弾きでもスラップでも、どんな奏法でも使えるのがメリットです。どんなときでも使える、基本のミュートのスキルということで、しっかり身につけてください。

    でも、例えばこんな感じの、スタッカートを多用した忙しい感じのフレーズ、特に同じ音が2音以上続くフレーズは、左手のミュートだけだとやりづらいです。

    押弦 →ミュート→ 押弦 →ミュートという動作を、短い間に連続して同じ指でやらなければいけないので、ちょっとキツいんですよね。なので、そういうときは右手で休符を演奏します。ということで、今回のテーマは右手の指弾きでのミュートです。

    さっきのようなフレーズを弾く前に、まず最初は一番シンプルな練習をします。音は1音だけです。

    16分音符にスタッカートが付いてますが、実際にどこで音を切るかが明確になるように休符で表現すると、32分音符と32分休符が並ぶ、とても複雑な見た目の譜面になってしまいます。

    なので、もっと見やすい譜面にするために“譜面のズーム・アップ”をします。元の16分音符を8分音符に変換して書き直した譜面がこちらです。

    さらに、スタッカートを休符に置き換えて書き直します。

    この譜面でやってもいいですが、休符のところにクリックを鳴らしたいですね。そうすると、16分音符の2個目と4個目にクリックを鳴らすことになるので、この譜面でもまだ難しい感じがします。ということで、さらにもう1度ズーム・アップ した譜面がこれです。

    これで休符のところにクリックを鳴らすと、拍のウラに鳴らすことになるので、これくらいだったらチャレンジしやすいかなと思います。

    2フィンガーでオルタネイトで弾きます。ここではi(人差指)が先になっていますが、m(中指)から始めてもいいです。

    まず、リズムは無視して手順だけやってみます。1音目をiで弾いて、拍のウラであるmでミュートする。

    mはそのまま3弦の上にステイして、2拍目オモテの音をmで弾き、ウラでiでミュートする。これの繰り返しです。

    ではやってみましょう。

    ポイントが3つあります。

    ポイント① 左手で止めない
    右手のミュートの練習なので、無意識のうちに右手で弦に触れように気をつけます。左手はDの音を押さえっぱなしです。

    ポイント② 空ピッキングと区別する
    ミュートしたときにゴーストノートが出ないように気をつけます。もちろん、ゴーストノートが悪いわけではなくて、それはそれで使いどころがあるんですが、それとは別に、この練習では“ただ音を止めるだけ”というスキルを身につけましょう。

    ポイント③ ハーモニクスは気にしない
    このやり方では、右手の1本の指だけでミュートしてるので、ミュートしたときにどうしてもハーモニクスが鳴ります。触れる場所によって、はっきり出たり出なかったりしますが、基本的には出ます。これは、ひとりで練習してると気になるかもしれません。でも、最初にやったようなスタッカートが連続する曲って、ドラムもほかの楽器も盛り上がってることが多いので、実際にバンドでやるときはハーモニクスの音はマスキングされて気にならないと思います。なので、あまり気にしすぎないようにしましょう。

    最初はゆっくり丁寧に練習しましょう。そして慣れてきたら少しずつテンポを上げていきましょう。

    ということで、動画が役に立ったなら、いいね・シェア・コメント・SNSフォローして下さい。石村順でした~! 

    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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