NOTES
“約3分”でベース上達にまつわるさまざまなトピックを解説する連載『石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜』。今回は中級ベーシストの“行き詰まり”への対処法がテーマです。
ベーシストとしてレベル・アップするのに大切なこととはなんでしょうか?
もちろん、演奏のスキル、リズム感、フレーズ作り、音色作りといった個別で具体的な課題はめちゃくちゃ大事です。
今回は、そういう具体的な課題よりも手前の段階の“ベース・プレイ全体に影響する要素”についてお伝えします。この要素に取り組むことで、ワンランク上のベーシストに成長できるチャンスがグッと広がります。
その要素とは、「ベーシストとしての心構え」です。
ベーシストが持つべき心構え・メンタリティー
中級以上のベーシストから、壁にぶつかっている、とか、バンドメンバーからよくダメ出しをされるからもっと上達したい、という相談をよく受けます。この相談は本当に多いです。
で、話を聞いていると、多くのベーシストの心構え・メンタリティーに共通点が見えてきます。
その共通点とは、ベースのことばかり考えている、という点です。
自分が普段演奏している曲に関して、次の項目にどれくらいチェックが入りますか?
□ 曲のメロディーを理解している
□ 曲のコード進行や個々のコードの響きを理解している
□ 曲のジャンル特有のグルーヴを理解している
□ ドラマー、ギタリスト、キーボーディストなど、共演者のフレーズを把握している
□ ベース・ラインを作るとき、バンドで演奏するとき、バンド全体のことを考えている
□ ベースの格好良さと、曲やバンド全体の格好良さなら、後者を優先できる
あまりチェックが入らなかったとしたら、メンバーからよくダメ出しをされたり壁にぶつかっていたりする原因は、たぶんそれです。つまり、現状を打破してレベルアップしたいなら、これらのことに取り組む必要があります。
言い換えると、“バンドリーダー/バンマスとしての視点”を持ってください、ということです。たとえほかにリーダーがいるとしても、です。
「自分の演奏もまだまだな状態で、バンマスなんてとんでもない」
「ベース以外のことを考えている余裕なんてない」
と思うかもしれません。
でも、そうであっても、皆さんにはバンマスとしての視点を持ってほしいのです。
ベースはバンドの土台です。
そして、ベースはリズム・メロディー・ハーモニーをつなぐ重要な存在です。
ベーシストの演奏はバンド全体に大きく影響するんです。
ベースとはそういう立ち位置にある楽器、ということです。だから、実際にバンマスであるかどうかに関係なく、ベーシストはバンド全体を俯瞰しなければならない立場に立っているんです。
まずは「バンマスとしての視点に立って、バンド全体を俯瞰して観察し、考えよう」という心構えを持つこと。これが大事です。ただの“ベースを弾く人”はもう卒業して、“ベースという重要な役割を果たす覚悟”を持つ、ということです。まずはこの決断が大事。もっと言うなら、ベースを弾く人じゃなくて音楽を作る人になる、と言ってもいいです。
そして実際に、その視点からバンドや曲を観察して、問題点を見つけて、解決方法を考えてください。最初はどうしていいかわからなくても当然だし、それで全然構わないので、とにかくその視点を持って取り組んでください。
この取り組み続けるプロセスの中で、そのバンドでの(あるいは特定の曲での)ベースの役割、あり方、何が必要とされているか、ということがだんだん見えてきます。全体の中でのベースのあり方を考える、他との関係性でベースの役割を考える、ということです。
それが見えてくれば、どんなフレーズがいいか、どういうグルーヴが適しているか、どういう音色が合うか、といった疑問に対して、“ベースの役割を果たす”という視点からアイディアを練り、判断を下せるようになります。
勘違いしてる人はいないと思いますが、一応断っておくと、別に“バンマスとして振る舞え”と言ってるのではありませんからね。
あくまでも、自分自身の考え方の立ち位置の話で、視野を広く持って責任を果たそうぜ、という意味ですので、お間違えなく。
この視点で演奏できるベーシストになれれば、間違いなくバンド・メンバーから重宝されるようになると思います。
石村順でした!
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石村順
◎Profile
いしむら・じゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。
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