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    「エフェクターなしで練習」は正解とは限らない【石村順の低音よろず相談所】第172回

    • Text:Jun Ishimura

    “約3分”でベース上達にまつわるさまざまなトピックを解説するYouTube動画連動の連載『石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜』。今回は、“エフェクターと練習”というテーマを考えます。

    エフェクターなしで練習すべし」なのか……?

    「エフェクターなしで練習すべし」ってよく耳にするけど、本当のところどうなんでしょうか?

    いろいろな意見があって良いと思いますが、僕の答えは「YESでありNOである」です。

    なんだか炎上を避けるために逃げを打っているように見えるかもしれませんが、そうではないんです。

    「良い音色で演奏する」のは「良いグルーヴで演奏する」のと同じぐらい大事です。

    良い音色と良いグルーヴは、ミュージシャンとして成長したい人は必ず身につけるべき基礎のスキルです。

    だから、エフェクターをかけたら曲に合う良い音が出るのなら、それ自体は大いに結構なことです。

    ただし、注意すべき点がひとつ。

    エフェクターをかけてかっこいい音が出ると、ついつい自分がレベル・アップしたような気がしますが、そのエフェクターをオフにするといろいろな欠点が見えてくるんだとしたら、自分の演奏テクニックそのものがレベル・アップしたわけではありませんよね。

    誰でも、多かれ少なかれ課題があります。

    課題を解決する第一歩は、“その課題に気づくこと”です。

    もし自分の課題がエフェクターで誤魔化されてしまっていたら、課題に気づかないし、当然その課題に取り組もうとしませんよね。

    コンプや歪みやEQなどで整えられ過ぎていない、そしてコーラスやリヴァーブで飾り付けられ過ぎていない素の音で演奏したほうが、課題に気づきやすいのです。

    つまり、基礎テクニックなど自分のスキルを確認して鍛錬したいなら「エフェクターをかけないで練習したほうがいい」わけです。

    次は、逆の考え方です。

    良い音で演奏するには、自分の楽器のことはなるべく隅々まで知り尽くしていたほうが良いですよね。

    ベース本体のツマミの効き方、指板のどこでどういう音色が出るか、どこをどんなタッチで弾くとどういう音が出るか。

    楽器を理解するのと同じようにエフェクターのことを理解する必要があります。

    エフェクターは“機材”と呼ばれますが、“とりあえずONにすれば良い音が出る”わけではありません。

    自分が出したい音はどんな音ですか? どう設定すればその音が出ますか? 

    これを理解する必要があります。

    つまり、「エフェクター = 楽器」だと捉えて向き合うことが、とても大事なんです。

    エフェクターから出力される音は設定でも変わりますが、そもそも入力される音によって変わる、ということを考えると、“楽器としてのエフェクター”への向き合い方にはふたつあります。

    どう設定すれば、自分の普段のプレイの長所や特徴を強調してくれるのか?

    これを目指していろいろな設定を研究します。

    向き合い方①の裏返しの発想です。

    キーボーディストが同じ鍵盤から違う音を出すとき、例えば、ピアノの音色で弾くときとオルガンの音色で弾くときでは、弾き方やタッチ、そして和音の積み方も変えます。

    それと似たように、エフェクターの種類や設定ごとにその音色を最大限に活かす方向でベースの演奏のニュアンスをコントロールするのも大事です。

    どちらの向き合い方も、普段からエフェクターを楽器とみなして隅々まで研究し、理解することが必要です。


    ということで、練習でエフェクターを使うべきかどうかというテーマについては、その練習の目的によって、

    ということになるので、どちらもそれぞれ大切だと思います。

    ぜひ、練習するときは、エフェクターの有無を理由なしに判断せず、“その練習の目的”を明確にして、エフェクターを使うかどうか、使うならどう使うかを決めると良いと思います。

    石村順でした!

    ▼ 今回の動画はこちら ▼

    ◎書籍版『石村順の低音よろず相談所』はこちらから!

    石村順
    ◎Profile
    いしむら・じゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

    ◎Information
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