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現在の沼-2024年9月篇【高松浩史の音色探索 その箱の中は地獄より深い】– 第14回

生粋のエフェクター・フリークとして知られる高松浩史による、以前本誌にて掲載していた当連載がBM Webにて復活! マニアックなものからビギナー向けのお勉強企画まで、豊富な機材知識を持つ高松がエフェクターを語り尽くします。第14回は、現在The Novembersで使用しているという、最新のエフェクト・ボードを解説してくれた。

現在の沼-2024年9月篇

Bass Magazine Webをご覧の皆様、ごきげんいかがでしょうか。高松浩史です。

9月。Petit Brabanconのツアーが始まり、合間にサポートやらThe Novembersのツアー・ファイナルなどが入り、毎週3日連続ライヴ、4連続ライヴ、というハードなスケジュールでした。

正直、身体的にはけっこう大変でしたが、とても充実した1ヵ月でした。やはり、ライヴをたくさんやると得るものがすごく多い。

さて、今回はThe Novembersのツアーで使用したペダル・ボードのご紹介をしたいと思います。

まずはお写真をご覧ください。

接続順や使用しているペダルの詳細は下記参照ください。

ベースからの信号は、

①ESP:Custom Preamp(プリアンプ/イコライザー)
②Studio Daydream:TRIGGER 6(スイッチャー)
③1995fx:Custom Line Selector(ライン・セレクター)
④Stella Gear:Bass Driver’s High(プリアンプ/ブースター)
⑤Shin’s music:Baby Perfect Volume(ヴォリューム・ペダル)
⑥1995fx:Stomache ache(イコライザー/ブースター)

となっており、TRIGGER 6の各ループは

・ループ1→⑦Electro-Harmonix:POG2(オクターバー)
・ループ2→⑧EarthQuaker Devices:Rainbow Machine(モジュレーション)
・ループ3→⑨Papa Goriot Studios:ADVENT / MONOLITH.(オーバードライブ)
・ループ4→⑩Darkglass Electronics:ALPHA OMEGA ULTRA(ディストーション)
・ループ5→⑪Free The Tone:PA-1QB(イコライザー/ブースター)
・ループ6→⑫BOSS:ODB-3(ディストーション)

です。

③1995fx:Custom Line Selectorには
⑬1995fx:Custom Preamp(プリアンプ)
⑭Tech21:SANSAMP BASS DRIVEER DI V2(プリアンプ)

となっております。

このコラムの第6回目でご紹介したペダル・ボードから、少し変更がありました(考え的にはとても大きな変化です)。

まず、基本音色には⑬か⑭が常にかかっています。これを曲によって③で、⑬は低音域が欲しいとき、⑭はクリアで素直な音にしたいときに適宜切り替えるという感じですね。使用割合的には⑬が7割くらいでしょうか。

⑬は最近1995fxさんに作っていただいたプリアンプで、かなり理想的な低音感を出せるので気に入っています。まだ試作なので多くは語れませんが、形になって製品化などできたら良いです。

このように2台のプリアンプを曲のテイストによって切り替える方法にしたので、前回2台使用していたStomachacheは1台だけになりました。

①はESPさんのCinnamonというオンボード・プリアンプをペダル化してもらったもので、フレットレス・ベースに使用しています。ロー感は残しつつ、良い感じのミッドを足せるので、少しヴォリューム・アップさせつつミッドがくっきりするようなセッティングにしています。

④は以前もこちらでご紹介したペダルですね。クリーンで主にブースターとして使用することが多いです。この機種の個性として、少しドンシャリぽくなる点があるのですが、その個性をうまく生かして、音圧はあるけれどハイのギラギラも出ている、そんなイメージですね。そこまで使用頻度は多くはないですが、ここぞというときに!

⑫は最近お気に入りのODB-3。⑩と似た用途で、ハイゲイン・ディストーションやファズといったイメージで使用していますが、⑩よりかなり過激にしています。どちらかというとファズに近いでしょうか。いわゆる“エフェクターです!!”というエグさがすごく好きで、いろんなプロジェクトで使用しています。

以上が前回からの大まかな変更点でしょうか。その他のペダルは前回説明していますので、気になる方はご覧いただけたら幸いです!

ちなみにパワー・サプライはK.E.Sさんの⑮KIP-AC208MSと⑯KIP-V.A.C.9の組み合わせです。K.E.Sさんのパワー・サプライはかなり使いやすく、ほかのプロジェクトでも”KIP-001”を使用していたり、とてもお世話になっています。機能に対して小型ですし、音もしっかりしているのでおすすめです!

さて、今回はThe Novembersで使用しているペダルボードのご紹介をしました。個人的にはかなり気に入っていますが、少しおおがかりだなと感じるところもあり……もう少しシンプルにしたい欲が……うーん、難しいですね。

そのうちPetit Brabanconの機材紹介もしたいですね。The Novembersとはまったく違うので。

それでは、今回はこのへんで。ご覧いただきありがとうございました!

◎Profile
たかまつ・ひろふみ●栃木県出身。2002年に高校の同級生だった小林祐介(vo,g)とともに前身バンドを結成する。2005年からThe Novembersとしての活動を開始し現在までに8枚のフル・アルバムなどを発表している。2021年からは京(vo)、yukihiro(d)を中心としたプロジェクトPetit Brabancon、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのメンバーとしても活躍している。その他、Lillies and Remains、圭、健康のサポート・ベーシストも務めている。Petit Brabanconは8月7日に2nd EP『Seven Garbage Born of Hatred』を発表している。

◎Information
高松浩史 X Instagram