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『へべれけ』えっ? ファミコンで6和音鳴らすんですか?【クリープハイプ長谷川カオナシのレトロゲーム喫音堂】- 第17回
- バナードット絵:石田芙月(株式会社.AC)
- 挿絵:長谷川カオナシ
2022年にメジャー・デビュー10周年を迎えたクリープハイプ。今回は、大枚をはたいて購入したプレミアムなレトロゲームを紹介していきます!
擬似的に6音同時再生が可能なDPCM!?
お世話になっております。
先日、レトロゲーム・ディグをしに
中野ブロードウェイに行って参りましてね。
そこでとうとう見つけてしまいました。
幼少期に友達から借りてプレイして以来、
またやりたいなぁと探していたゲームです。
今回はこちらをやっていきましょう!
『へべれけ』(1991年/サンソフト)(※1)
1991年というと、ファミコンでも後期に当たりますね。
2023年。中古で1万6千円。がっつりプレ値でした。ええい、遊んで元取るぞ!
Nintendo Switch OnlineでSFCの
『すごいへべれけ』(※2)
が配信されているので、
キャラクターは知ってるという方もいるかもしれません。
こちらはその『へべれけ』シリーズの第一作。
メトロイド風の探索アクションゲームです。
ゲームを始めると、BGMの重厚感に驚かされます。
……え? これ本当にファミコン??
この連載でもさんざん取り挙げて来たように、
ファミコンで同時に出せる和音数は
3音+ノイズ1音の計4音が限界。
いやいや、とてもそうは聴こえません。
なぜなのでしょうか??
それはね。
DPCM(差分パルス符号変調)を用いることによって、
擬似的に6音同時再生を可能にしているから
なんですって!
へえ〜、なるほど差分パルス符号変調だからか〜、道理でねぇ〜。
……ってなりませんよね!
私も「レトロゲーム喫音堂」の名に恥じぬよう、
解説をしっかり読んだのですが……。
駄目でした。すみません、さっぱりわかりませんでした。
ただ、メインステージBGMである
「へべの冒険」。
こちらはでは、確かに同時に5音鳴っている箇所がありました。
まず、主旋律のトラックで1音。
アルペジオで1音。
ベースで1音。
ノイズによるドラムで1音。
ここまでは他のファミコンのゲームBGMの基本構成ですが、
どうやらもう1音、全音符を鳴らしているトラックがあるように聴こえます。
このあたり、動画でも検証してみるのでそちらのほうもぜひご覧ください。
さて、今回は『へべれけ』を喫音しました。
制約の中で豊かな音楽を鳴らすため、
当時はさまざまな工夫がされていたようですね。
今日レコーディングに於いて基本的にはトラック数の制約はありません。
しかし楽曲の要点がどこなのかを知るためにも、
シンプルなトラックから作業をスタートしていくのも大事かもしれません。
それではまた来月までご機嫌よう。
(※1)
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音楽は小高直樹先生。「アトランチスの謎」を皮切りに、
「マドーラの翼」「超惑星戦記メタファイト」など数多くの
ゲーム・ミュージックを手掛けてこられました。
(※2)
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見下ろし視点の対戦アクションゲーム。
声の出演、林原めぐみ、かないみか、若本規夫、千葉繁。豪華過ぎんか!?
◎Profile
はせがわ・かおなし●1987年9月23日生まれ。小学生でピアノとヴァイオリンを手にし、高校1年でベースを始める。クリープハイプは2001年に尾崎世界観(vo,g)を中心に結成。2009年に長谷川、小川幸慈(g)、小泉拓(d)を擁した現編成となる。2012年にメジャー・デビューし、2014年には日本武道館にてライヴを行なう。2023年3月29日に新作EP『だからそれは真実』をリリースした。長谷川はティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズのグッズ収集家でもある。
◎Information
長谷川カオナシ
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クリープハイプ
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