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    【誰でもわかる! 低音理論のオハナシ】第1回 – ルート

    • Text:Takeshi Yamaguchi

    理論なんてよくわからない……言葉が難しい、やろうとしたけど挫折した……。そんなキミのための完全ビギナー対応の理論講座がスタート!!

    まずは簡単なクイズに挑戦!

    【問題1】あるベーシストが、コードが“C”のときに、下の【図1 & 譜例1】のように“ド”の音を弾きました。さて、この“ド”の音はコード“C”においてどのような位置づけにある音と言えるでしょう? カタカナ3文字で答えよ。

    “こんなの楽勝じゃん!”とすぐに答えが出てきた君、本当に正解かどうか、一応答えを見てみよう。

    【答え ルート】

    そのとおり。この“ルート”という言葉が出てきた人は、すでに理論を(少しは)知っていることになるんだ! ほ~らね、理論と言ってもそれほど怖がることはないでしょ!?

    一方“う~ん……”と戸惑って悩んじゃった低音大好き諸君! ちっとも心配することはないぞ。このコーナーは、まさにそんな諸君に向けたものだからだ。

    このコーナーを始めるにあたって

    コーナーの第1回目ということで、この連載の趣旨やどんな人に読んでもらいたいかなどを、箇条書きにしてみた。

    初心者にわかりやすい“理論の入門”コーナー。

    ● “↑そんなこと言って、これまでも「わかりやすく」などという記事に何度も出会ってきたけど、やっぱり難しくてなんだかよくわからなかったよ“という人にこそ読んでほしい

    ● “理論”のコーナーというだけで、これまでそんな記事を飛ばし読みしてきた人たちこそ読んでほしい。

    ●このコーナーを読んでいけば、自分のベース・プレイがひと皮もふた皮もむける(はず)。

    ●“理論”を知らなくてもベースは弾けるけど、知っていたほうが“絶対得“だと実感できるようになる。

    ● “理論“を特別なものと感じないようになれる。

    というわけで早速スタートしよう!

    ルートの正体とは?

    では、低音理論の基礎中の基礎である“ルート”について触れてみたい。みんな知ってるこの言葉、これさえ知っときゃベースは弾ける!?

    もう一度、さっき出てきた譜例1を見てもらいたい。ここではコードが“C”のときにベースが“ド”を弾いている。ではここからは、もう少し詳しくルートについて説明していこう。

    ところで、前項で“「ルート」という言葉が出てきた人はすでに理論を知っている”と述べた。実は“ルート”はコードを扱ううえで、最も基本的かつ重要なものなんだ (“コード”については、次から詳しく述べるので要チェック!) 。

    コードのことがよくわからない人も、なんとなくコード=和音という認識はあるんじゃないかな。そのとおり、つまりコードは複数の音で成り立っているんだね。で、そのいくつかある音の並びのなかで、最も低いところにあるべき“コードの核”と言える音が“ルート”なんだ。

    引き続き、コードが“C”の場合を例に見てみよう。ここでは詳細は省くが、“C“というコードは“ド・ミ・ソ”の3音から成り立っているんだ【図2 & 譜例2】

    このなかで、一番低いところで“ド”が鳴っているときが最もコードの響きに安定感があるんだね。そしてベースは低音楽器! つまりベースがルートを弾いているときにサウンドが最も安定する、というわけなんだ。

    経過音(パッシング・ノート)

    ごく簡単に要点だけを述べてきたが、どんな場合でも“ベースがコードのルートを弾いていればサウンドは安定する”ということがわかった。これはこの先、いつでも基本中の基本となることなのでしっかりと覚えておこう。

    しかし、ずっとルートばかりを弾いていては変化がつかないし、そのうち飽きてくるかもしれない。そんなときに役立つのが“経過音(パッシング・ノート)”だ。これも今後で詳しく述べるが、ここでは大まかに“コードとコードをなめらかにつなぐための音”とだけ覚えておこう。

    下の【図3 & 譜例3】のように“C→ Dm”というコード進行の場合、ルートの“ド→レ”という動きのなかに、間にある“ド♯”を挟むことで音のつながりをなめらかにしているんだ。

    ほら、ここまでの部分だけでもベースがよりしっかりとプレイできそうでしょ!?

    今回のまとめ:ルートがすべての基盤になる!

    ◎講師:山口タケシ
    東京都出身。小学生の頃ギターを弾き始め、中学生でバンドを作り、ベースに転向。大学在学中にCBS/SONY(当時)よリバンドでデビューした勢いで、新聞記者か小学校教師という進路を変更、親の反対を押し切り就職活動もせずにプロの世界へ。その後はバンドのライヴ活動と同時にスタジオ・ワークやツアー・サポートなどを始める。卒業後、自己のバンドや、数々のアーティストのツアー、レコーディングヘの参加とともに、『ベース・マガジン』誌への執筆や、入門書、教則CD、教則ビデオ制作といった活動も続けている。