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ポール・マッカートニーが154曲の歌詞を自ら解説する『THE LYRICS』の翻訳書が登場

昨年11月に本国イギリスで発売され、ブリティッシュ・ブック・アワード2022でノンフィクション:ライフスタイル部門のブック・オブ・ザ・イヤー賞を受賞するなど高い評価を受けている、ポール・マッカートニーが自身の歌詞を自ら解説した書籍『THE LYRICS』。同書の翻訳書が、ポール80歳の誕生日でもある6月18日に発売される。

『THE LYRICS』が取り上げるのは、少年時代の作品から、ビートルズ時代、ウイングスやソロ・アルバム、そして近年の作品に至るまでを網羅する154曲。ビートルズの「All My Loving」から楽曲タイトルのアルファベット順に(そのなかには本書の制作過程でポールのノートから発見された、1960 年代初頭に書かれたと思われるビートルズの未発表曲「Tell Me Who He Is」も含まれる)、歌詞が書かれた状況から、歌詞に書かれた人々、歌詞が生まれるきっかけとなった場所、そしてそれらに対して今になって思うことなどが本人の言葉で率直に語られる。

ポールの個人的なアーカイブからピックアップされた手書き原稿やスコア、イラスト、手紙、写真といった、コアなファンにとってもこれまで目にしてこなかったアイテムも多数掲載されている『THE LYRICS』は、彼のインスピレーションの源泉や創作過程、そして、それぞれの作品が生まれた瞬間についてを詳しく知ることができる、ポール・マッカートニーという史上最高のソングライターの人生に追ったビジュアル・ブックとも言えるだろう。

愛娘メアリーの撮影による著者近影/2020年、イングランド、サセックスにて(ⓒMary McCartney)
ポール・マッカートニー自筆による「Band on the Run」の歌詞/1973年(©MPL Communications Inc/ Ltd)
愛娘メアリーの撮影による自宅のピアノを前にしての1枚/2020年(ⓒMary McCartney)

ピューリッツァー賞受賞作家のポール・マルドゥーンが5年間のうちにポールと交わした会話をもとに編集した同書の翻訳は、ビートルズのオフィシャル・ファンクラブとして知られるザ・ビートルズ・クラブが担当。上下2巻組、計912ページという大ヴォリュームで届けられる同書は特製のクロス貼りボックスに収納され、価格は税込み16,500円となっている。

『THE LYRICS』について、ポール・マッカートニーとポール・マルドゥーンは以下のようにコメントしている。

ポール・マッカートニー コメント
この本によって、これまで知られていなかった僕の作品や僕の人生についての本当の部分を、みんなに見せることができて嬉しい。僕は、僕の作品がどのようにして生まれたかについてできるだけ真摯に語ったつもりだ。それは僕にとってとても意義のあることだったから、ほかの人にとっても、その内容が意味を持つことを願っているよ。

●ポール・マルドゥーン コメント
ポール・マッカートニーとの5年間にわたる会話から生まれた本書は、限りなく彼の自伝に近い内容となっています。そしてそこで語られた、彼の創造プロセスに対する彼自身の洞察は、ポール・マッカートニーこそ英語における詩の伝統に基づきながらそれを押し広げていった重要な文学者である、という私の推測を裏付けるものでした。

◎書籍情報
『THE LYRICS』
リットーミュージック刊
著者:ポール・マッカートニー
編者:ポール・マルドゥーン
訳・監修:ザ・ビートルズ・クラブ
発売日:2022年6月18日
仕様:AB版210(W )×257(H )mm
本体ページ数:912ページ/Volume 1(432P)+Volume 2(480P)
価格:16,500円(本体15,000円+税10%)

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◎著者プロフィール
ポール・マッカートニー
1942 年、リバプール生まれ。同市で育ち、リバプール・インスティチュートで教育を受ける。14 歳で最初の曲を書いて以来、他人と違うことを夢見た彼は、勇気を持ってそれを実行してきた。イギリス在住。

◎編者プロフィール
ポール・マルドゥーン
ピューリッツァー賞を受賞した作家。『Howdie-Skelp』を含む14の長編詩集を出版。

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