聴きやすくそれでいて高品位なジャズ・ミュージックを奏でるバンドやアーティストを多数擁する気鋭のジャズ・レーベル、Playwright。fox capture planやbohemianvoodooなど、ジャズ・シーンを超えて活躍するさまざまなアーティストを送り出している同レーベルから、アンビエントな音楽性が心地よいフレッシュなギター・インスト・ジャズ・トリオ＝Apneumo（アニューモ）のデビューが発表された。

ベース、ギター、ドラムから成る3ピース編成の彼らの音楽は、エレクトロニカやアンビエント・ミュージックの要素を感じさせながら、ジャズ由来の高い演奏力が生み出す躍動感のある生演奏が特徴的だ。3月3日にリリースされる新作『薄明』には、そんな彼らの魅了が詰まった6曲を収録。ノイズと電子ピアノによるイントロから浮遊感のあるテーマへの移行が心地よい「antigravty」、サックス・プレイヤーの藤田淳之介（TRI4TH）が参加する爽やかな疾走感が痛快な「chilling flow (feat.藤田淳之介)」など、生活を豊かにしてくれるロマンチックな楽曲が揃っている。

ベースのイノウエユウキは、IKUOなどのテクニカルなプレイヤーをルーツに持ち、ジャズやフュージョンに造詣が深い実力派のベーシスト。繊細なタッチで繰り出すフィンガー・ピッキングのベース・ソロがストーリーを奏でる「steppe」、空ピッキングとハンマリングを組み合わせた高速スラップから流れるように繰り出す速いパッセージが痛快な「pray (feat.木村イオリ)」など、多様な演奏スタイルを場面ごとに巧みに使い分けているのが印象的だ。

さまざまな音楽的要素を日本人らしいポップなセンスで昇華するApneumo。フレッシュな感性でどのようにジャズを解釈していくのか、注目だ。