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    三原康司(フレデリック)が、スペクターの主要3シリーズを徹底試奏!【NS ICONシリーズ:NS-2 Bolt-On/NS-5 Bolt-On】

    • Photo : HIroki Obara
    • Text:Gentaro Yamamoto

    1970年代、ニューヨークにある工房から始まったSpector(スペクター)。人間工学に基づいた、カーブド・ボディによる演奏性や、EMGピックアップを取り入れたアクティヴ・サウンドなど、それまでのベースにはなかった革新的な構造を採り入れた楽器は、瞬く間に評判となった。そして長きに渡ってハイ・ブランド・ベースの象徴として、多くのベーシストを魅了し続けている。

    ここでは、スペクターの中心となる3シリーズの特徴を紹介するとともに、同シリーズのベースを、フレデリックのベーシストとして活躍する、三原康司が試奏。そのインプレッションから、スペクターの魅力と実力に迫っていく。これまでEuroシリーズ、Custom Shopシリーズと紹介してきたが、最終回となる今回は、価格を抑えつつもブランドの特徴や魅力は充分に受け継いだ、NS ICONシリーズを紹介。また、これまでの3シリーズを試奏し感じた実感を、三原にたずねてみた。

    NS ICONシリーズとは

    スペクターの特徴を色濃く反映しつつ、抑えた価格を実現

    “肖像(Icon)”と付けられたモデル名のとおり、3Dボディ・デザインなどNSシリーズの特徴と高い演奏性はしっかり継承されている。スペクーターのキャラクターを色濃く感じさせつつ、アジアでの生産などを採用することで、アギュラーのプリアンプや美しい杢目のトップ材など、上位モデルと同等のスペックを保ちつつ、価格を抑えることに成功した。、また本シリーズはネック・ジョイントにボルトオンを採用しており、立ち上がりが速くアタックの強いサウンド・キャラクターが特徴のひとつとなっている。

    写真の4弦(NS-2 Bolt-On)&5弦(NS-5 Bolt-On)モデルはキルテッド・メイプル・トップ&アルダー・バックで、ブラック・チェリーとブラック・サテン・カラーのみの仕様だ。ピックアップはアギュラーで、4弦モデルはPJ、5弦モデルはソープバー・タイプ2基を搭載。プリアンプもアギュラーでOPB-2を採用している。なお、スペクターは4弦モデルには34インチ、5弦モデルには35インチ・スケールを用いている。

    NS-2 Bolt-On4弦モデル)をCHECK!

    NS-2 Bolt-On BKS Gloss(front)
    NS-2 Bolt-On BKS Gloss (back)
    ピックアップはアギュラーのDCB-Pをフロントに、DCB-Jをリアに配置したスペクター定番の構成。Pタイプ・ピックアップは、4&3弦側がリアに寄った独自の配置で、ふくよかさとタイトさを兼ね備えている。
    ブリッジはダイキャスト製。こちらもロッキング式で、サドルの横ズレを防止できる機構を備えている。なおスペクターでは基本的に、4弦モデルは弦間19mm、5弦モデルは弦間17mmを採用している。

    三原康司 × SPECTOR NS-2 Bolt-On

    「ボルトオンならではの、音の立ち上がりの鋭さとアタック感」

    このモデルはボルトオンのため、音の立ち上がりはスルーネックより鋭く、ピック弾きだとアタックがしっかり出ます。もちろん、音自体にスペクターのらしさもしっかりあって、これも幅の広さがあるベースだと感じました。そういう意味では、スペクター入門の一本として申し分ないと思います。

    10万円台半ばのエントリー・モデルですが、スペクターという“ハイエンド・ブランドらしさ”は充分に感じさせます。そういったブランドのカラーやクオリティを保つというのは重要なことだと思いますし、プレイに対するポテンシャル、特にライヴでしっかり使えるベースを目指しているというのは伝わってきますね。サウンドもリッチですし、PJタイプのピックアップでさまざまな音の表情も作りやすい。ヘヴィさも出しつつ上品さもありますから、よくこの価格で収めているなと感じます。

    【SPECIFICATIONS】
    ●ボディ:キルテッド・メイプル(トップ)、アルダー(バック)●ネック:メイプル(3P)●ジョイント:ボルトオン●指板:ローズウッド●スケール:34インチ●フレット数:24●ピックアップ:Aguilar DCB Custom Voiced for Spector (P/J)●プリアンプ:Aguilar OBP-2●コントロール:ヴォリューム、ブレンド、ベース、トレブル●ブリッジ:オリジナル・ロッキング・ダイキャスト●ペグ:オリジナル・シーリング・ダイキャスト●ナット:ブラス●カラー:ブラック・チェリー・グロス●付属ケース:スペクター・ギグバック
    【定価】
    ¥191,400(税込)

    NS-5 Bolt-On(5弦モデル)をCHECK!

    NS-5 Bolt-On BC Gloss (front)
    NS-5 Bolt-On BC Gloss (back)
    ピックアップはアギュラーのソープバー・タイプであるDCBを2基搭載。ベース本体の持つキャラクターやタッチのディテールなどを忠実に再現するピックアップで、豊かなサステインも魅力のひとつだ。
    内蔵プリアンプはアギュラーのOPB-2。FETを用いた回路でノイズの少なさやナチュラルなサウンドの保持などに配慮されている。キャビティのふた止めネジに受けが埋め込まれているなど、丁寧な仕事だ。

    三原康司 × SPECTOR NS-5 Bolt-On

    パワーがありながら5弦の存在感も残る芯のある音

    このベースはラウド・ロックなど、激しい音のなかで使いたくなるベースですね。ローもすごく出ていますし、やっぱり身体にフィットするから激しいパフォーマンスでも気持ち良く、安心して演奏できると思います。ピックアップはソープバー・タイプでパワーもあるんですけど、5弦の低域のボワッとしたところのなかでも芯がちゃんと聴こえて、ピッチも取りやすいです。この大きめのブリッジが、サウンドにドッシリとした感じを加える要素になっているかもしれないですね。

    トップ材に使われているキルテッド・メイプルの杢目もキレイですし、丁寧に作られている楽器だということがわかります。改めてこのIconシリーズは設計がしっかりしていて、良い音を出すというのを見据えつつ、上位モデルの持つ、楽器としての操作性の高さや曲線の美しさも追求するという気合いが感じられます。

    【SPECIFICATIONS】
    ●ボディ:キルテッド・メイプル(トップ)、アルダー(バック)●ネック:メイプル(3P)●ジョイント:ボルトオン●指板:ローズウッド●スケール:35インチ●フレット数:24●ピックアップ:Aguilar DCB Custom Voiced for Spector (ソープ・バー)●プリアンプ:Aguilar OBP-2●コントロール:ヴォリューム、ブレンド、ベース、トレブル●ブリッジ:オリジナル・ロッキング・ダイキャスト●ペグ:オリジナル・シーリング・ダイキャスト●ナット:ブラス●フィニッシュ:ブラック・ステイン・グロス●付属ケース:スペクター・ギグバック
    【定価】
    ¥195,800(税込)

    すべてのモデルを弾いてみて

    サウンドメイクの幅の広さによる、対応力の高さが魅力

    スペクターはハイエンド・ベースというイメージと、ラウド・ロックやメタルなど激しめの音楽で使われるというのが、そもそも僕がブランドに持っていた印象でした。ただ実際に弾いてみるとそういった音楽だけでなく、もっと幅広いジャンルで使えるベースだなと感じました。

    今回試奏した5本は、どれもいわゆる“昔ながらのスペクター”とは異なるスペックみたいで、確かにそれぞれの個性はかなり違いました。特にPJピックアップのベースは、それ1本のなかでさまざまな表情があった印象です。ベース自体でサウンドメイクの幅が広いことは、さまざまな選択肢を選べるということで、個人的にはすごく良いことだと思っています。その対応力の高さがスペクターらしさだと感じますし、それは今回試奏した5本のどのベースにも一貫していましたね。

    もうひとつ、例えば今のモダンなファンクとかだと、ベースはヴィンテージだけどキーボードやギターはモダンな音で、その違った雰囲気の混ざり具合で新しい表現を生み出したりもしています。そういう考え方で言うと、スペクターはトラディショナルな部分もすごく感じられるけど、モダンな新しいサウンドも表現できる。僕自身は古くイナたいサウンドも大好きですけど、ミュージシャンとして新しいものや、個性の異なるものが混ざった新しい音楽にも挑戦していきたいんです。そしてスペクターからは、その“異なる個性の組み合わせ”を生み出せる可能性を感じました。

    ◎製品情報・お問い合わせ先

    キョーリツコーポレーション

    Profile

    三原康司
    みはら・こうじ◎1990年2月20日、兵庫県出身。双子の兄弟である三原健司(vo,g)、赤頭隆児(g)、高橋武(d)らとともに、神戸にてフレデリックを結成。2014年9月、ミニ・アルバム『oddloop』をリリースしメジャー・デビューを果たした。三原康司はバンドの作詞・作曲を担当するほか、アートワークなども手がけるなど、バンドのクリエイティヴの中心的存在。

    ◎Information
    フレデリック HP X Instagram 
    三原康司 X Instagram

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