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    マーク・ケンドリックが語る、フェンダー「Made in Japan Traditional」シリーズに流れるDNAと哲学

    • Photo:Takashi Hoshino(Mark Kendrick)

    フェンダーの伝統的な楽器製作の哲学とDNAと、日本の巧みなクラフトマンシップが融合する同社のMade in Japan Traditionalシリーズ。高いクオリティと手に取りやすい価格帯を両立させた本シリーズに、2025年の限定モデルが登場した。

    ここでは、Made in Japan Traditionalの誕生時から監修者として関わっているフェンダーの元マスター・ビルダー、マーク・ケンドリック氏に、本シリーズの特徴についてや、今年の限定モデルである2025 Collectionについて話を聞いてみた。マークは、かつてはFender Custom Shopのマスタービルダーとして数多くの伝説的アーティストのギター製作を手がけた、現・製造品質統括ディレクターだ。

    ▼ Made in Japan Traditional 「2025 Collection」
    についてはこちらの記事をチェック! ▼

    フィニッシュからもわかるとおり、Made in Japan TraditionalにもフェンダーのDNAは受け継がれている。

    マーク・ケンドリック

     僕がこのシリーズのすべてに携わっているわけじゃないが、Made in Japan Heritage(以下MIJ Heritage)シリーズで一緒に仕事をした日本のチームが、僕から学んでくれたことを取り入れ、そこからMIJ Traditionalシリーズを作り上げた。彼らは本当にグレイトな仕事をしてくれたよ。

     さっきも言ったとおり、このMIJTシリーズは、僕らが2020年から手がけているMIJ Heritageシリーズから生まれたものなんだ。日本のチームは、フェンダー・オリジナルのDNAを受け継ぎMIJ Heritageシリーズを作り出してくれて、そこで得たコンセプトなどはMIJ Traditionalシリーズでも多く用いられている。

     その一方MIJ Traditionalのフィニッシュは、MIJ Heritageよりモダンなカラーを取り揃えているのが特徴だね。そしてさらに、MIJ Traditionalは環境に配慮したり、製造しやすい部品を用いている。

    Made in Japan Traditional 2025 Collection
‘60s Precision Bass / Black Pearl
    Made in Japan Traditional 2025 Collection
    ‘60s Precision Bass / Black Pearl

     例えばピックアップ・コイルのワイヤーの被膜を、従来のフォームバーからポリソルに変更している。フォームバーは環境に優しくないし、人体にもとっても無害なものとは言えないからね。

     もちろん被膜をポリソルに変えてもグレイトなピックアップを作れているよ。このようにフェンダーのDNAを損なわず、環境に気を遣い、さらにより手頃な価格で多くの人が求めやすい楽器を作ることを、MIJ Traditionalシリーズでは目指しているんだ。

     彼らはとても素晴らしい。今週、僕は3日間日本の工場にいたんだ。パンデミックのお陰で5年振りの日本だったけど、工場を訪れるといろいろなところが予想を裏切るほど改善されていた。細心の注意を払って素晴らしい仕事をしている生産チームの姿を見て、僕は彼らを誇りに思っているよ。

    Made in Japan Traditional 2025 Collection
60s Jazz Bass / Competition Black / 3-Color Sunburst
    Made in Japan Traditional 2025 Collection
    60s Jazz Bass / 3-Color Sunburst / Aged Natural

     MIJ Traditionalシリーズの素晴らしいところは、すべての時代のカラーを網羅していることだね。今回加わったコンペティション・ラインは、68年後半からムスタング・ベースに採用されたものだ。

     サンバーストは1954年に始まったとされているけど、実はもっと早い時代からワンオフで作られた同色のものもある。ヴィンテージの時代にカスタム・カラーでは、キャンディ・アップル・レッドやオリンピック・ホワイトがあり、レイク・プラシッド・ブルーはまだ存在しなかったけど、違う種類のブルーがあった。スパークルやパールを用いたものなんかも極稀にあったよ。

     これらのカラーすべてが、MIJ Traditionalシリーズにはラインナップされているし、さらにモダンなカラーも用意されている。このようにフィニッシュだけでもフェンダーは常に進化し続けてきていることがわかると思うし、フェンダーのDNAがMIJ Traditionalにも受け継がれていることの証明だと思う。製品開発チームはこのDNAをしっかりと持ちながら、常に挑戦をし続けている。それが今回の、斬新なフィニッシュの数々にも表われていると思うんだ。

    Made in Japan Traditional 2025 Collection
60s Jazz Bass / Stardust Pink
    Made in Japan Traditional 2025 Collection
    60s Jazz Bass / Stardust Pink

     MIJ Traditionalシリーズは世界中の人々が使えるもので、特定のタイプのプレイヤーに向けて作られたものではないよ。望む人なら誰でも使うことができて、それこそ初心者にだって使えるものだ。フェンダーの楽器の魅力はそこにあると思う。簡単に手に取れるもので、世界中でプレイされている。MIJ Traditionalシリーズその哲学に従って、誰でも、どんなタイプのプレイヤーでも持つことができるものなんだ。

    ▼ Made in Japan Traditional 「2025年 Collection」
    についてはこちらの記事をチェック! ▼

    ◎Specifications

    【60s Jazz Bass】

    ●ボディ:バスウッド●ネック:メイプル“U”シェイプ●指板:ローズウッド●フレット数:20●ナット (素材/幅):ボーン/1.5インチ (38.1 mm)●ペグ:ヴィンテージ・スタイル●スケール:34インチ●ブリッジ:4サドル・ヴィンテージ・スタイル●ピックアップ:ヴィンテージ・スタイル・シングル・コイル Jazz Bass(フロント/リア)●コントロール:ヴォリューム×2、トーン●価格:154,000円〜159,000円(税込)

    【60s Precision Bass】

    ●ボディ:バスウッド●ネック:メイプル“U”シェイプ●指板:ローズウッド●フレット:20●ナット (素材/幅):ボーン/1.65インチ (42 mm)●ペグ:ヴィンテージ・スタイル ●スケール:34インチ●ブリッジ:4サドル・ヴィンテー・ジスタイル●ピックアップ:ヴィンテージ・スタイル・スプリット・シングル・コイル Precision Bass●コントロール: ヴォリューム、トーン●価格:154,000円(税込)

    【商品についてのお問い合わせ】
    フェンダーミュージック
    TEL:0120-1946-60 メーカー・サイト