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    レッドジブラ(アイリフドーパ)の愛器:ワーウィック製Streamer LX #15-2882【My Dear Bass】

    プロ・ベーシストが愛器への想いを語り尽くす連載、「My Dear Bass」。今回登場いただくのは、ミクスチャーのひと言では片付けることができない多様過ぎる音楽性がじわじわと中毒者を増やしているアイリフドーパのボトムを担う、レッドジブラ。彼を魅了したのは、音楽性さながらにカラフルな塗装が施されたワーウィックの逸品だ。

    レッドジブラ(アイリフドーパ)の愛器:
    Warwick Streamer LX #15-2882

    DATA
    ●入手年:2017年●ボディ:フレイム・メイプル(2p)●ネック:フレイム・メイプル(4p)●指板:フレイム・メイプル●スケール:34インチ●フレット数:24●ピックアップ:MEC J/J pickups×2●コントロール:ヴォリューム(兼アクティヴ/パッシヴ切り替えスイッチ)、バランサー、トレブル、ベース●ペグ:ワーウィック・オリジナル(5弦と1弦はウッド・ノブ、それ以外はゴールド・ノブ)●ブリッジ:ワーウィック・2pソリッド・ブラス・ブリッジ●カラー:スペシャル・カラー

    このベースが売りに出されていたら、
    僕が音楽を辞めたと思ってください(笑)。

    このベースは楽器店でひと目惚れしたんですけど、なにしろ高価だったので、ずっと憧れて見ているだけでした。思い切って購入したのはそれから2年後でしたね。そもそもはワーウィックのカスタムショップにこのボディだけがあったのを、日本の楽器店がこのボディに合わせたネックと指板をオーダーしてできたものみたいです。

    ワーウィックというと、90年代から2000年代初頭のニューメタルやミクスチャー、ラウド・ロックのイメージで、僕自身もそういう音楽が好きですし、アイリフドーパもそういう要素があるので憧れのブランドでした。ただ、音のクセは強いですし、それまでメインで使っていたベースがトラディショナルなタイプだったので、このベースに慣れるまではけっこう時間がかかりましたね。とにかくミドルの主張が強いですし、単純にうるさい(笑)。低音弦と高音弦のキャラクターの違いがハッキリしていて、1〜2弦は飛び道具的な印象もある一方で、低音弦はハイ・ポジションでもしっかりローがついてくる。弾き方や音作りのコツがつかめたのは最近のことですし、僕自身のフレージングやポジショニングも随分変わりましたね。

    ボディのネック・エンド部の板は自分で貼ったものです。せっかくのキレイな塗装なので傷が付いたりするのはイヤだし、プルや速いパッセージを弾くときに指が入り込みすぎちゃうので、ピックガードを作ってもらおうかとも思ったんですけど、なるべく塗装が隠れない方法にしました。

    指板のサイドには蛍光シールで、7フレットと19フレットのポジションをマークしているんですけど、19フレットのマークは1曲だけのためですね(笑)。その曲ではロー・ポジションからハイ・ポジションに飛ぶ箇所があるんですけど、このベースだとポジションがまったくわからない。その1フレーズ、1拍のためだけに付けているマークです(笑)。

    このベースと言えば“僕”で、今ではほぼ個人情報みたいなものですよね。このベースが中古で売りに出されていたら、僕が音楽を辞めたと思ってください(笑)。

    高音弦側のネック・エンドには、フィンガー・ステップを自身で貼りつけた。プル時に指が入りすぎないようにするためだが、なるべくボディの塗装が隠れないように試行錯誤したという。

    5弦と1弦のウッド・ノブ・ペグが本来の仕様。使っているうちに劣化してきたため、レッドジブラ自身がゴールド・ノブ・ペグに交換した。このちぐはぐな見た目が気に入っているという。

    ワーウィックと言えばウェンジ・ネックが主流だが、本器は4ピースのメイプルを採用。フレイム杢がハッキリと出ており、材選定のこだわりを感じさせる。ちなみに指板はこれも杢がハッキリと出たフレイム・メイプルを貼っている。

    Streamer LXの特徴である4点留めのボルト・オン・ジョイント。Streamerシリーズと言えばスルーネック構造で知られるが、レッドジブラ的にはボルト・オンのアタック感が好みだという。

    指板サイドの7フレットと19フレットには、ポジションを示す蛍光シールが貼られている。独特の指板塗装と、低く構えるベース位置のため、ポジションはほとんど把握できないそうで、やむなく貼ったそう。ちなみにレッドジブラは通常は5弦をCにチューニングし、曲によってBやAに合わせているという。

    ワーウィック・オリジナルのプリアンプを内蔵。コントロールは左端から時計回りにバランサー、ベース、トレブル、マスター・ヴォリューム兼パッシヴ/アクティヴ切り替えスイッチという構成だ。

    れっどじぶら●1991年生まれ。Janne Da Arcに憧れてベースを始める一方、ニューメタル、ミクスチャーにも影響を受ける。2010年にアイリフドーパを結成。洗足学園音楽大学ロック&ポップス・コースを準主席で卒業。バンド活動と並行しGEEKSや山崎はるか他、アイドルなどのサポートも務める。ワーウィックのほか、MomoseのMJ、アイバニーズのK5などを愛用。

    『DEATH BABOON』アイリフドーパ
    INNOVATOR RECORDS

    現在鋭意制作中の6thアルバムに収録予定の楽曲を先行配信。サマー・ソングらしい爽やかな冒頭コーラスから一転、セクションごとにパンクやメタルコア、レゲエ、ジャズ、ムード歌謡とざまざまなサウンドが濁流のごとく押し寄せる、アイリフドーパらしい混沌ソング。レッドジブラはぶ厚いロー・エンドでアンサンブルを支えつつ、ハジけるプルやブレイク・ダウンでのベース・フィルなどで存在感を主張。ワーウィックらしいソリッドなサウンドが堪能できる。

    ※本記事は『ベース・マガジン2024年11月号』のコンテンツをWEB用に再構成したものです。