GEAR
UP
スリーク・エリートが広げるベースの世界 vol.1 〜 Serek Basses feat. MINA
- Photo:Chika Suzuki、Hiroki Obara(Mr.Hirose)
- Translation:Tommy Morley
総評
意外に万能。とにかく、かわいくて弾きやすい!
今回弾いた3本ともに言えるんですけど、とにかく見た目がかわいいですよね。すごく目をひくようなヴィジュアル。パドル・ペグもかわいいし。やっぱり音とかいろいろ大事なものはあるけど、第一印象の見た目って大切だと思うんです。私はこういう“懐かしい感じ”の楽器って大好きで、こういうタイプのルックスのベースも何本か持っているんですよ。そういうベースって、見た目はすごく好きなんですけど、実際に弾いてみるとスラップにはあまり向いていなかったり、ちょっと弾きにくいと思うこともあるんですけど、今回弾いた3本は、見た目は王道じゃないけど弾き心地は王道で、いいところ取りな気がします。今って、シティポップとかもそうですけど、こういう古き良き時代のものを今の解釈でやるっていうのが流行ってますよね。だから、すごく今の時代に合ったオシャレな楽器だと思います。
ショート・スケールのベースって、私は初めて弾いたんですけど、1フレットがすごく近く感じて、ギターみたいな感覚ですごく弾きやすいですし、すごく軽いです。ジャンプしたり動き回ったりしながらもプレイできそう。いろんなタイプのベースがありますけど、自分に合った重さや弾きやすさのある楽器を選ぶのがいいと思うし、このベースは楽しく弾けると思います。スラップもいけますし、ピックで弾いてもいいし、これ1本でバラードも激しいのも弾けると思います。
SNSが主流な時代で写真映えもして、思い出のあと押しをしてくれるようなデザインだし、見た目がかわいくて軽いから若い女の子が持つのもカッコいいですよね。逆に男の子が持つのもすごくオシャレだと思います。こういったかわいい見た目のベースを持つとギャップにもなりますし。おうちで気軽に手に取りやすいですし、お仕事の合間に趣味でベースを始めたいっていう人にもぴったり。とにかく、かわいくて弾きやすいっていうのがいいですよね。
MINA
みな●2000年9月20日生まれ、大阪府出身。2015年に大阪のヴォーカル&ダンス・スクールのメンバーでガールズ・ロック・バンドGIRLFRIENDを結成。同時にベースを始める。バンドは2016年にメジャー・デビューを果たし、2枚のオリジナル・アルバムをはじめとしたコンスタントなリリースと精力的なライヴ活動を展開。着実に人気を集めるが、惜しくも2021年4月に解散した。現在はソロとしてSNSでの演奏動画投稿なども展開している。TikTokのフォロワー数が100万人を突破し、SNSの総フォロワー数は130万人を超える。
◎Twitter ◎Instagram ◎TikTok ◎YouTube
INTERVIEW
最後に、セレック・ベースの創業者であるジェイク・セレック氏のインタビューをお届けしよう。
ジェイク・セレック
(セレック・ベース創業者)
快適さとスタイル。
そこにプライドを持っています。
──セレックでは、どのような製品を作ることを目指しているのですか?
私にとって最も大事なことは快適さとスタイルです。ひと晩中プレイしていても快適な楽器でなくてはなりませんし、身体の延長に感じられるほどナチュラルなものであるべきです。その一方で、自信を与えてくれるようなクールなルックスも必要でしょう。こういった要素は主観的なものですが、私たちのユーザーは、単に軽量でプレイしやすいからだけでなく、それぞれの個性に合ったユニークなルックスを評価して使ってくれています。
──楽器のデザインにおけるコンセプトは?
私はどことなくヴィンテージ狂なところがあり、風変わりだったがために不当にもあまり知られることのなかった1960~70年代にかけてのデザインを好んでいます。フェンダーの系譜を追いかけたいとは思いませんでした。デザインはとてもトリッキーなもので、美しさと人間工学のバランスを取らなければなりません。私たちは自分たちのベースをルックスとフィーリングの両者でしっかりとバランスが取れたものにするためにたくさんの時間をかけていて、その点についてプライドを持ってやっています。
──ショート・スケールがもたらすメリットはどんな点だと思いますか?
ショート・スケールのベースはプレイしやすく、かなり軽量に作られています。また、ショート・スケールはネック上のデッド・スポットを取り除いてくれることに気づきました。そしてコンパクトなことから、旅先に持って行きやすく感じるでしょう。私はショート・スケールのベースを持って飛行機に乗ったことが何度もありますが、頭上の荷物入れに問題なくフィットしてきたのです!
──あなたは日本の“職人”という考え方が好きだそうですね?
その言葉を私が初めて聞いたのはドキュメンタリー作品『Jiro Dreams of Sushi(二郎は鮨の夢を見る)』でした。仕事に行き、ルーティーンをこなし、日々少しずつ精進していく様子が私にとても響きました。完璧なものなど存在しませんが、平穏と熟練を自身の技術のなかに見出そうとすることは、常に私たちのモチベーションとして存在します。
──日本のベーシストにメッセージを。
こんにちは、みなさん。私は日本が大好きで、またすぐに日本に旅行したいと思っています。私はあなたたちのためにベースを作ることをとても光栄に思っています。ありがとうございます!
製品やサービスに関するお問い合わせは、スリーク・エリート(☎︎03-6383-2968/メール:sleekelite@muf.biglobe.ne.jp)まで。◎Official HP
本記事は『ベース・マガジン 2022年5月号』の特集記事を転載したものです。
同号では、ヒトリエのイガラシとUNISON SQUARE GARDENの田淵智也が表紙を飾り、全60ページにて“リード・ベース”というアプローチを掘り下げた『Special Program 鮮烈のロック・リード・ベース〜バンドを彩る旋律的低音』、King Gnuの新井和輝を試奏者に迎えた『アクティヴ・フェンダーの世界』など、さまざまな記事を掲載しています。ぜひチェックしてみてください!