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【試奏動画対応】ZOOM B6 feat. mao(オメでたい頭でなにより)
- Photo:Takashi Yashima
- Movie:Kazuki Kumagai
- Engineer:Shohei Kasai
これ1台で完結できる。
いろいろ迷っている人にお薦めですね。
B6の注目機能を把握したところで、maoによる試奏レポートをお届けしよう。
使いやすいというのが一番印象的。タッチ・パネルで感覚的に使えます。
━━B6を使った第一印象は?
最初に、説明書も見ずに触ってみたんですけど、タッチ・パネルということもあって、めちゃくちゃ感覚的に操作ができました。使いやすいっていうのが第一印象ですね。本当にスマホをいじっているような感覚で、エフェクトの順番を入れ替えるのもフットスイッチへのエフェクトのアサインも、タッチ・パネルの操作で簡単にできるのは画期的ですよね。エフェクトのパラメーターもタッチ・パネル操作ができるんですけど、物理的なつまみも付いていてそちらでも操作できるし、どちらでも感覚的に調整できます。
━━B6は4つのDIモデリングが搭載されているのもポイントですが、maoさんは普段DIにこだわりはありますか?
マルチ・エフェクターにDIが4つ付いているっていうのは新しいですよね。僕は、レコーディングではスタジオにあるものを使わせてもらうし、ライヴではアンプ・ヘッドのリア・パネルからラインを出したりしているので、正直、そこまでDIにこだわりはないんです。でも、今回4種類試してみて、ラインの音をそれぞれ楽しめるなと思ったし、例えば、ライヴとレコーディングで違う種類を使い分けられたりもできそうで、すごく便利だなと思いました。TUBE 1は倍音がしっかりしていて太めの低音が出る真空管の音、TUBE 2は真空管ですけどちょっとタイトな感じでしたね。SOLID STATE 1はクリアな感じでちょっと硬くなる印象、SOLID STATE 2は一番原音に近くて素直な感じだと思いました。
━━4つのプレイ・モードは、どのように使えそうでしょうか?
LOOPERモードは文字どおりルーパー機能で、BANK/PATCHモードは従来のマルチ・エフェクターでよくあるプリセットやバンクを切り替えられるものですよね。ライヴで使い勝手が良さそうなのは、それ以外のEFFECT BOARDモードとMEMORYモードだと思います。動画のデモ演奏では、EFFECT BOARDモードを使いました。足下にコンパクト・エフェクターを並べているような感覚で、それぞれのエフェクターをオン/オフできるので直感的でわかりやすいですし、リアルタイムでエフェクトのオン/オフをしたい人はEFFECT BOARDモードが便利でしょうね。MEMORYモードは、ギタリスト的な使い方というか、例えばAメロ、Bメロ、サビで細かくサウンドを変えたい人とか、曲ごとにサウンドを変えたい人に向いていると思います。
━━今回はオリジナルのプリセットを3つ作ってもらいましたが、それぞれを紹介してもらえますか?
最初に作ったのは、普段の自分のサウンドに近づけたもので、DYN COMP(コンプレッサー)、DARK PRE(プリアンプ)、DARK OD(オーバードライブ)、Z TRON(フィルター)、ZNR(ノイズ・リダクション)を使いました。コンプはたくさん種類が入っているんですけど、DYN COMPはすごく自然なかかり方ですね。DARK PREは、僕は普段ダークグラスのプリアンプを使っていますが、つまみの位置が全部12時くらいで、いつもと似た感じにできました。DARK ODはプリアンプで作った歪みをより太く厚くするイメージで入れたんですけど、バッチリでしたね。Z TRONはめちゃくちゃ効きがよくて、感度を調節するSenseのつまみが1でもすごく反応します。あと、ワウだとヴォリューム感が調節できないものが結構あるんですけど、これはヴォリュームを調節できるので、音量差がなくてとても使いやすい。そして、個人的に気に入ったのが、ノイズ・リダクションのZNRで、とても優秀ですね。
━━ふたつ目のプリセットはいかがでしょう。
DUAL COMP(コンプレッサー)、SUN CB(ベース・アンプ)、BASS STANDARD SYNTH(ベース・シンセ)、ZNRを使いました。これは4弦ベースでスラップをバキバキやるイメージです。DUAL COMPはローとハイのコンプを分けられて、その帯域の境目も決められるので、ハイにかかりが強い感じで作りました。デュアル・コンプは結構好きで、普段のボードにもデュアル・コンプっぽい機種を入れていて、スラップのときにハイとローでしっかりかかり方を分けられるのがすごくいいんですよね。SUN CBは今回新しく加わったモデリングだそうですけど、ヴィンテージ感があっていいですね。シンセは抜けがいいほうが使いやすいと思うんですけど、BASS STANDARD SYNTHはすごく抜けてくれますね。パラメーターに原音とのバランスがあるのが便利で、音程感を損なわないでシンセとして使えるかなと。最近、ベース・シンセが流行っていますしね。
━━3つ目は?
僕は普段MXRのプリアンプを使っているので、MXRのモデリングのD.I PLUSをふたつ入れてみました。ひとつは通常のセッティング、もうひとつは歪ませたセッティングにして、歪みのものだけオン/オフをフットスイッチにアサインして調節できるようにして。パラメーターに実機と同じブレンドのつまみやカラー・スイッチのオン/オフも再現されていて使いやすいです。そうやって作ったサウンドに、ANALOG DELAY(ディレイ)とCORONA TRI(コーラス)を加えて、一緒に使うことでソロ用のサウンドにしてみました。ディレイもたくさん種類があって、今回はアナログ・ディレイを選びましたが、タイムの設定も幅広くできるし、タイムを決めるのもタッチ・パネルの操作で楽です。あとはパラメーターでTailというのがあって、エフェクトを切ったときにディレイ音が途切れないのもいいですね。コーラスは深くかかりつつも自然で、低音も濁らない感じが好きです。これも、原音との調整ができるので、そこらへんも使い勝手がいいですね。
マルチ・エフェクターのほうが現場では使いやすいのかな。
━━maoさんがB6の機能で気に入ったものはありますか?
フットスイッチで切り替えられるインプットがふたつ付いているんですけど、インプット1と2でヴォリュームの設定を変えられるんです。今回は4弦と5弦でインプットを使い分けてみたんですけど、ベースの音量差も合わせられるので、ライヴでも使いやすいなと思いました。
━━トータルでB6をどう評価しますか?
まず、使いやすいというのが一番印象的でしたね。タッチ・パネルなので感覚的に使えます。サウンド面に関しては、年々マルチ・エフェクターのクオリティって上がっているし、もうデジタルだとかアナログだとかはわからない感じですよね。B6はアンプのモデリングも含めてたくさんサウンドが入っているので、幅広いサウンドに対応できると思います。プリセットもクオリティが高くて、特にいじらなくてもデモ演奏で使えそうだなって思う感じでした。たくさんサウンドが入っている分、どのエフェクターを選んでいいかわからないという場合も、プリセットで気に入ったものを見つけて、そこからパラメーターを自分なりに追求していくというのもいいと思いますね。
━━マルチ・エフェクターを使う利点はどんなところにあると思いますか?
やっぱり、いろんな音が簡単に選べて出せることですね。あとは、ライヴで使うときにリスクを減らせるというのもあると思います。コンパクトをたくさんつないでいると、どこが原因で音が出ないのかがわからないということも結構あるんです。でも、これ一台で完結できると音の劣化もなくなるし、マルチ・エフェクターのほうが現場では使いやすいのかなって思いますね。
━━B6はどんなベーシストにお薦めですか?
いろんな音を出したいけど、何のエフェクターを買っていいかわからない人ですね。特に初級者から中級者に差しかかる頃くらいに、いろんな音が出したくなると思うんですけど、そういう人が自分が出したいものに近い音をB6のプリセットから見つけて、その音はどんなエフェクターで作られているんだろうって参考にするのもいいと思います。あとは、オーディオ・インターフェイス機能、リズムマシン機能も入っているので、自宅でパソコン上で音を出しながら練習したりもできるので、宅録を始めたい人にもいいでしょうし、それこそDI機能があるから、DIで何を買っていいかわからないとか、いろいろ迷っている人にお薦めですね。DIとオーディオ・インターフェイスといろんな音が出るマルチ・エフェクターが全部一緒になっていると考えたらお得ですし、これ一台でライヴもレコーディングも自宅練習もこなせますね。
mao’s SELECT
クオリティの高いプリセット・パッチからmaoお薦めのサウンドを紹介。
mao(オメでたい頭でなにより)
Profile
まお●1989年2月26日生まれ、三重県出身。2016年にオメでたい頭でなによりを結成し、2018年にシングル「鯛獲る」でメジャー・デビュー。多数の大型フェスやサーキット・イベントに出演する。2020年4月にメジャー2作目となるフル・アルバム『オメでたい頭でなにより2』をドロップした。
製品に関するお問い合わせは、ズーム カスタマーサポートセンター(0570-078206)まで。 ◎https://zoomcorp.com/ja/jp/multi-effects/bass-effects/b6/