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    『レッキングクルー’98』:ピック弾きで並走しよう【クリープハイプ長谷川カオナシのレトロゲーム喫音堂】- 第31回

    • 文:長谷川カオナシ
    • バナードット絵:石田芙月(株式会社.AC)

    毎回レトロゲームの音楽を取り上げ、その魅力をクリープハイプの長谷川カオナシが独自の視点で伝える連載『レトロゲーム喫音堂』。今回は、マリオシリーズのアクション・パズルゲーム『レッキングクルー’98』(1998年/任天堂)のBGMに迫ります。

    お世話になっております。奇数月は喫音堂の月です!

    ゴールデンウィークもあっという間でしたね。

    皆様いかがお過ごしでしょうか。いわゆる5月病など召されていませんか?

    今回はストレス解消に良さそうなゲームをやっていきましょう。

    今回のレトロゲーム:
    『レッキングクルー’98』(1998年/任天堂)※1

    ロゴのフォントと画像のレイアウトに趣ありますね

    マリオシリーズの独特なアクション・パズルゲーム。

    ファミコンの『レッキングクルー』の移植版と、リニューアルされた対戦パズル『レッキングクルー’98』が遊べます。

    “ビルの壁を叩いて壊す”というゲーム性は、ストレス解消にぴったり……かもしれません!

    今回喫音していくのは、『’98』のほうの、タイトル画面のBGMです。

    曲の冒頭、知る人ぞ知るメロディが流れます。

    これは『レッキングクルー』のボーナスステージのBGMの旋律ですね。

    はぇ〜格好良いアレンジね〜と聴いていると、聴き馴染みのあるメロディが耳に飛び込んできます。

    これは、『スーパーマリオブラザーズ』のメインテーマの冒頭のメロディ!

    続いてさらに畳み掛けるような展開が。

    『スーパーマリオワールド』のメインテーマと『スーパーマリオブラザーズ』のリズムがまるで眼前で交互に反復横跳び。

    見事なメドレー調のBGMです!(※2

    さて、ベース・ラインはどうでしょうか。

    パターン自体はシンプルです。簡単に書き出してみましょうか。

    「ドーッドッドレミ」(C)
    「ファーッファッファミレ」(F)
    「ソーッソッソラシ」(G)
    「ファー、ソー」(F、G)

    Bメロ以外はこの繰り返しです。(シンプルなコード進行の上にさまざまなメロディが乗っかって行くさまは壮観ですね。)

    この躍動感ならピック弾きが合いそうですね。

    余談なんですけど、私“ギタリストが弾くベース”がすごく好きなんです。

    自分で自分のことは、ドラマーのキックを意識するタイプのベーシストだと思っています。

    対して“ギタリストが弾くベース”というものは、ドラマーのスネアやハイハット、上半身部分のノリと
    並走するようなタイプが多いと感じます。

    この潔い軽快なノリは、私にはなかなか出せないものなので格好良いなぁといつも思います。

    演奏時のポイント

    演奏時のポイント

    ギタリストのカッティングをイメージしながら弾きます。

    2,4拍目に入ってる裏打ちのコードを感じながら弾くと休符が安定するでしょう。

    「ソーッソッソラシ」の小節はどうもリズムがバタつきやすかったので、「ソーッソッソソー」と簡略化して弾きました。

    オルタネイト・ピッキングの気持ち良さを存分に感じながら弾きましょう!

    ▼今回の演奏動画▼

    今回も演奏が難しかったです!

    ずっと指弾きをメインにしてきたので、ピックのノリが重要になる曲は難しいですね。

    でも私、常々思うんです。ピックのオルタネイト弾きからしか摂取できない栄養がある、と。

    それではまた再来月までご機嫌よう。

    (※1)
    ^音楽は田中宏和先生、大久保高嶺先生。田中先生の作曲された『ドクターマリオ』は喫音堂#14でも取り上げましたね。
    大久保高嶺先生は『いただきストリートゴージャスキング』『SIMPLE1500シリーズ』『SIMPLE2000シリーズ』など多くのゲーム音楽を手がけ、ビートマニアック代表取締役を務められています。
    (※2)
    ^田中先生と大久保先生のどちらが作曲されたのかは明記されていません。でもファミコンの初代『レッキングクルー』が田中先生なので、『’98』のほうは大久保先生が担当されたのかなと想像しています。なんとなく、この“別作品のテーマメロディの入れ込み方”は任天堂外部からの愛みたいな気がするんですけどいかがでしょうか。

    ◎Profile
    はせがわ・かおなし●1987年9月23日生まれ。小学生でピアノとヴァイオリンを手にし、高校1年でベースを始める。クリープハイプは2001年に尾崎世界観(vo,g)を中心に結成。2009年に長谷川、小川幸慈(g)、小泉拓(d)を擁した現編成となる。2012年にメジャー・デビューし、2014年には日本武道館にてライヴを行なう。2024年12月4日に7枚目のアルバム『こんなところに居たのかやっと見つけたよ』をリリースした。長谷川はティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズのグッズ収集家でもある。

    ◎Information
    長谷川カオナシ
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