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INTERVIEW – MINA

  • Interview:Takahisa Kondo

次世代のベース・アイコンが魅せた
ソロ・アーティストとしての真価

ガールズ・ロック・バンドGIRLFRIENDの解散後、ベースのプレイ動画で注目を集め、SNSの総フォロワー数280万人、YouTubeのチャンネル登録者数は40万人を突破するなど、時代を象徴する活躍でベース界を席巻するMINA。そんな彼女が、ソロ・アーティストとして待望のデビューを果たし、7月3日に1st EP『愛楼』をリリースした。自らが作詞曲/ヴォーカルを手がけたバラエティ豊かな5曲が収録され、真骨頂でもある“高速スラップ”も存分に楽しむことができる傑作だ。7月19日発売のベース・マガジン8月号【SUMMER】では、今作におけるコンポーザーとしての向き合い方、そして各曲でのベース・プレイについて語ってくれているが、BM Web版では自身のベース・プレイのルーツを中心に語った、別内容のインタビューをお届けする。

『少年ジャンプ』に出てくる主人公の気持ちになってベースを学んだんです。

━━音色傾向やスラップのスタイルなど、MINAさんのプレイには明確なキャラクターを感じます。このように独自の個性を感じさせる要素って何なんでしょう?

 そう思ってくださってとても光栄です! ただ、SNSの刷り込みっていう要素も大きいと思います。自分が以前にやっていたバンドが解散してもう3年ぐらいなのですが、解散以降はSNSを頑張ってみようと思って、力を入れて動画を撮ったりしていたので、この3年間で聴き馴染みを持ってくださっているのかもしれないです。ちょっと自意識過剰かもしれないですけど(笑)。

━━いやいや。動投稿画に力を入れる理由のひとつに、コロナ禍なども関係があったのでは? 

 まさにそうですね。ライヴなどが全部なくなった頃にSNSをやってみようかなって気持ちになれたのは大きかったです。実際、私自身も楽しんでいますし、観ている人にも喜んでいただけたら嬉しいなって気持ちで続けていました。

━━今の時代、SNSを起点に音楽がバズったりすることもありますし、いろいろとタイミングが合ったんでしょうね。

 それはもう、世間の皆さんが作り出す良い音楽たちのおかげですね。本当に素敵な曲ばっかりで、弾いていて毎日楽しいです!

━━そもそも、ベース・プレイ自体は独学で学んだんですよね?

 そうなんです。独学なんですよ。ベースの師匠はいないのですが、アニメが好きで、アニメのなかに師匠がいます!

━━アニメのなか……ですか?

 『HUNTER×HUNTER』が好きなのですが、念能力を教えるウイングさんっていうキャラクターがいるんです。そのウイングさんが、毎日纏と練を行なうようにって、ゴンとキルアに言うんですよ。“それをベースで例えたら運指かな。毎日やろう!”みたいなマインドに置き換えたりとか。あとは、『NARUTO -ナルト-』のはたけカカシ先生だったり、『少年ジャンプ』に出てくる主人公の気持ちになってベースを学んだんです。

『愛楼』
ユニバーサル/UPCH-6024

━━ベースを『少年ジャンプ』から学ぶという! 斬新ですね。それを自分のなかで変換できるのは興味深いです。練習もストイックにやるタイプですか?

 練習はわりと集中してやるのですが、アニメを観ながら、運指の手の動きをひたすら練習したりしていますね。

━━スラップは、いわゆる親指下向きのスタイルですね。

 それはやはりレッチリのフリー様の影響ですね。近年は親指並行型の人も多いと思うのですが、私はフリーがカッコいいと思っているので、もうずっと親指下向きのスタイルです。プルは人差指でやっているのですが、もうスラップのスタイルはほぼフリーの影響ですね。

━━MINAさんは演奏動画だと基本的に着席姿勢でプレイされていますけど、着席姿勢だとベースの位置が高くなるので、下向きのスラップを習得するのは大変だったのでは?

 それは考えたことがなかったですね。とにかく自分の個性をどんどん突き詰めて曲作りもして、今はすべてが楽しいんですよ。

━━なるほど〜。ベースがイヤになったことはあるんですか?

 あります! ありますけど、寝たら忘れちゃいますね(笑)。おいしいものを食べて寝て……落ち込むときもあるんですけど、でも基本は楽しく生きていたいなっていうのがモットーなので。

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