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BADASS ROOKIE〜BMイチ押しのNEWCOMER〜 – shizupi[wagamama]
- Question:Koji Kano
極上のポップ・ベースが生み出す
果てしない多幸感
“マジでイカす新人=BADASS ROOKIE”を紹介する本企画。BMイチ押しの新世代ベーシストとして今回登場するのは、2022年に結成された4人組、wagamamaのshizupiだ。“大胆不敵に鳴り響く、ワガママポップ”をキーワードに、多幸感溢れるエモーショナルなポップネスを奏でる彼女たちが、3枚目となるEP『EVER DANCING FLAMINGO』をリリースした。バンド結成以前にはアメリカで2年間にわたる武者修行を経験したというshizupiは、エレキ・ベースとシンセ・ベースを使い分けながら、今作でも全篇にわたってキャッチーなプレイを展開している。ここではアメリカでの活動のほか、今作でのベース・プレイへのこだわりを聞くとともに、自身のルーツを振り返ってもらった。
“もっとこのメンバーで音楽を作りたい”
という思いをメンバーそれぞれが抱いた。
━━先に回答いただいた『BASSIST FILE』によると、高校1年生のときにベースを始めたそうですね。普段はどのような練習をしているのですか?
ベースを始めた当初は、教則本を買ってクリックを鳴らしながら練習していたと思います。あとアジカンやチャットモンチーのバンドスコアを買ってタブ譜を見ながらコピーもしていましたね。懐かしい! 現在についても言えることですが、内容というよりも、とにかく毎日ベースを弾くことが大切だと思っています。
━━自身に影響を与えたアーティストを教えてもらえますか?
スティーヴィー・ワンダーやシック、最近の音楽だとリゾやデュア・リパなどを積極的にコピーして練習していました。ベースがバンド全体のグルーヴを作っていく楽曲を選んで練習していますね。
━━以前に活動していたロック・バンドChelsyが2018年に解散して以降、単身アメリカに渡ったそうですが、なぜアメリカを拠点に活動しようと考えたのですか?
あの頃の自分にとってすべてであったバンドが解散することになってしまって、これからの音楽人生をどう過ごそうか悩んでいたとき、“アメリカのテキサスを拠点とするバンドに参加しないか?”とたまたま声をかけてもらったんです。会ったこともなければ共通の知り合いもいない人からの誘いだったので、最初は半信半疑だったのですが、“なかなかできない経験ができるかも!”と思って飛び立ちました。
━━アメリカには2年間滞在したそうですが、どのような活動をしていたのですか? またその活動は以降のベーシスト人生にどのような影響を与えたと思いますか?
日本人にとっては馴染みがないかもしれませんが、“カバー・バンド”というものに参加していました。豪華な結婚式や、大きな企業のパーティーなどに呼ばれてヒット曲をひたすら演奏するという活動が主でしたね。毎回違う会場でろくにリハーサルも行なわずに演奏をするので、どんな環境でも演奏できるようになりました(笑)。とにかくライヴ本数が多くて演奏時間も長かったので、ライヴに対するプレッシャーにも強くなったし、良い意味で力を抜いて演奏をすることができるようになりました。
━━wagamamaの結成の経緯、そしてshizupiさんがバンドに参加した経緯を教えてください。
元東京カランコロンのいちろー(g)さんが、バンドの解散後に自身のソロ楽曲を配信するとのことで、その楽曲にベースで参加させてもらったことが最初のきっかけです。中江太郎(d)さんは、以前対バンしてから一緒に演奏してみたいなとずっと思っていたので声をかけました。何人かのヴォーカリストがいちろーさんのソロ楽曲でフィーチャリングされていたのですが、リョコ(vo)ちゃんがそのひとりとして参加していて。リョコちゃんを含めた4人でライヴをしてみたとき、“もっとこのメンバーで音楽を作りたい”という思いをメンバーそれぞれが抱き、wagamamaを結成することになりました!
━━wagamamaはどのような音楽性を目指したバンドなのでしょう?
ソウルフルでファンキーなグルーヴと日本特有の歌心が化学反応を起こすような、そしてメンバーそれぞれが主役になれるようなバンド・サウンドを目指しています。
━━バンドでの曲作りの流れを教えてください。
いちろーさんが自宅でデモ音源を作り、そこにリョコが歌詞を乗せ、各々の楽器をレコーディングしていく流れで作っています。
━━ベース・ラインはどのように制作していますか?
いちろーさんが作るデモの時点である程度ベース・ラインが練られているので、それを基に自分らしさを少し加えたベース・フレーズにアレンジしています。
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