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【Live Report】マネスキン – 2023年12月2日(土)/有明アリーナ
- Photo:Fabio Germinario
- Report:Kimiya Mizuo
マネスキン RUSH! WORLD TOUR
BASSIST:ヴィクトリア・デ・アンジェリス
●2023年12月2日(土)●有明アリーナ
日本のファンの心を掴んで離さない、
新世代のロック・バンドが魅せた熱狂の一夜
マネスキンにとって2022年のサマーソニック以来となる来日公演“マネスキン RUSH! WORLD TOUR in JAPAN”が開催された。本ツアーは今年1月にリリースされた最新作『Rush!』を引っ提げた全4公演からなるジャパン・ツアー。ここでは12月2日に有明アリーナにて行なわれた、初日公演の模様をお届けする。
開演前からファンの熱気やざわめきがやまず、はやる気持ちからか開演前にもかかわらず手拍子が始まってしまう場面もあったこの日の会場。開演予定時刻を15分ほど過ぎたあたりで客電が落ち、ステージを覆う赤いカーテンの奥にマネスキンの4人のメンバーの影が浮かび上がった。そのままカーテン越しに「DON’T WANNA SLEEP」が披露され、会場の熱気は一気に最高潮へ。曲の途中でカーテンが上がると、天井から吊り下げられたマイクを手に持ち妖艶に歌うダミアーノ・デイヴィッド(vo)、力強いドラム・サウンドで楽曲を引っ張るイーサン・トルキオ(d)、そしてステージ中央で向かい合って演奏するトーマス・ラッジ(g)とヴィクトリア・デ・アンジェリス(b)の姿に会場のボルテージはより一層増していく。この日、ダミアーノとトーマス、ヴィクトリアの3人は、ほとんど全曲で入れ替わり立ち替わりステージの中央に立ってパフォーマンスし、目線を交わしながら演奏するさまから、お互いを心からリスペクトし合う彼らの姿勢を感じ取れた。
約50分間に及ぶ前半で、彼らの最初のヒット・チューン「ZITTI E BUONI」、最新作『Rush!』にも収録された現在大ヒット中のシングル「HONEY (ARE U COMING?)」、ヴィクトリアが客席に降りて縦横無尽に歩き回った「BEGGIN’」、重厚なベース・リフが会場を揺らした「GASOLINE」など11曲が披露されると、ヴィクトリアを除いた3人は会場後方のサブ・ステージに移動し、イーサンとトーマスのふたりのギターをバックに、ダミアーノが「TRASTEVERE」を歌唱。続いて「TIMEZONE」をトーマスとダミアーノのふたりで披露した。この間、観客が自然発生的にスマホのライトをステージに向けて照らし、会場は幻想的な空間に包まれた。
アコースティック・セクションを終えると打って変わって、メイン・ステージに現われたヴィクトリアとイーサンによる大迫力のイントロから「I WANNA BE YOUR SLAVE」が始まる。ステージ中央に仁王立ちしベースを奏でる彼女は底知れぬ迫力を纏い、ドライブの効いたサウンドを奏で会場の熱を再燃させてみせた。勢いそのままに「MAMMAMIA」、「BLA BLA BLA」などの人気曲を披露すると、続いて披露された「KOOL KIDS」で会場の盛り上がりはこの日のピークに達する。客席からピックアップされた幸運な数十人の観客をステージにあげ、会場全体も巻き込んだ“We are cool kids”の大合唱は、会場中のすべての“ありのままの自分たち自身”を力強く肯定し、祝福しているかのようだった。
アンコールでは、壮大なバラード曲「THE LONELIEST」と、本編でも演奏された「I WANNA BE YOUR SLAVE」が再び披露され、再び熱狂の渦に会場を巻き込んだ。全曲目を終えたあと、ステージの端から端まで移動しながら、四方のオーディエンスに顔を向け、名残惜しそうに楽器をステージ上に残し去っていく彼らの背中に観客は溢れんばかりの拍手を送り、公演は幕を閉じた。
ヴィクトリアは時折客席に笑顔を見せながらも、妖艶なステップを踏みながら確かにバンド・アンサンブルの低音を支える。曲中にトーマスと向き合ってプレイするシーンや、ダミアーノやイーサンと目を合わせるシーンも散見され、お互いがお互いを尊重し合う間柄が見てとれた。歌うようなベース・ラインやベース・ソロが堪能できた「FOR YOUR LOVE」、メロディアスなプレイで魅せた「OFF MY FACE」、ステップを踏みながら笑顔で妖艶にベースを奏でた「BLA BLA BLA」など、ヴィクトリアのベースは会場を大いに沸かせていた。
本公演に足を運んで驚いたのは、イタリア語の楽曲でもシンガロングが起きていたことだ。これは彼らがいかに日本のファンの心を掴んできたかを示していた。
■2023年12月2日(土)@有明アリーナ
セットリスト
01.DON’T WANNA SLEEP
02.GOSSIP (FEAT. TOM MORELLO)
03.ZITTI E BUONI
04.HONEY (ARE U COMING?)
05.SUPERMODEL
06.CORALINE
07.BEGGIN’
08.THE DRIVER
09.FOR YOUR LOVE
10.VALENTINE
11.GASOLINE
12.TRASTEVERE
13.TIMEZONE
14.I WANNA BE YOUR SLAVE
15.MAMMAMIA
16.OFF MY FACE
17.IN NOME DEL PADRE
18.BLA BLA BLA
19.KOOL KIDS
20.THE LONELIEST
21. I WANNA BE YOUR SLAVE
◎Information
ヴィクトリア・デ・アンジェリス
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マネスキン
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