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    【本誌11月号連動】特別動画 – 木村祐介(MUJINA)× 関谷友貴(TRI4TH)

    • Photo:Takashi Hoshino
    • Movie:Everyone's Paradise
    • Engineer:Kenji Kawamura

    ウッド・ベースの概念を覆す多角的サウンド・システムの邂逅

    ウッド・ベースと言えば、ジャズにおけるウッディなサウンドと華麗なウォーキング・プレイを連想する人も多いだろう。しかし、ひと口に“ウッド・ベース”と言えど、そのサウンド/プレイには多種多様な概念が存在し、なかには愛器に独自のカスタマイズを施すことで、緻密なサウンド・システムを構築するプレイヤーも存在する。今回は固有のシステムを形成し、ウッド・ベースの概念を覆すサウンドを出力する関谷友貴(TRI4TH)と木村祐介(MUJINA)による対談を通し、ウッド・ベースのさらなる可能性を見出していきたい。

    10月19日発売のベース・マガジン2024年11月号(AUTUMN)では、関谷と木村が互いの音作りの概念などを語り合った対談記事を掲載しているが、BM Webではその模様の一部を収めた対談動画を公開! 以下の機材の解説とともに、実際の映像でも両者のサウンドを体感していただきたい。

    使用機材 ー 木村祐介(MUJINA)

    知人から譲り受けたというルーマニアのハンドメイド・ブランド、グリガ製のフルサイズのヴァイオリン・シェイプ。フラット・バックならではの立ち上がりの良いサウンドに加え、全単板の削り出しによる、アンサンブル内でも存在感を発揮する豊かな音量を備える一本だ。
    木村のエフェクト・ボード。ウッド・ベースからワイヤレスで飛ばされた信号は、マグネット・ピックアップ(EMG)が①SHURE製GLX-D16(ワイヤレス・システム)へ、ふたつのピエゾ・ピックアップ(アンダーウッド、コンタクト・マイク)は1回線にまとめられ、同じく②GLX-D16へと入力される。それらはともに③Line6製HX STOMP(マルチ・エフェクター)へと入り、アコースティック製のアンプ・ヘッドやTech21製サンズ・アンプ・ベース・ドライバーDIなどのシミュレーターのほか、内蔵エフェクトがかけられる。ピエゾ側にはマイク・シミュレーターをかけているとのことだ。ここからステレオの2回線に分岐して出力され、マグネット側(EMG)が④Two Notes製Torpedo C.A.B. M+(キャビネット・シミュレーター)を経由してライン出力、ピエゾ側は7のセンド端子から⑤TDC-YOU製BASS DI(DI)を経由し同じくライン出力される。パワー・サプライはボード裏に設置されたVITAL AUDIO製POWER CARRIER VA-05 MKIIを使用。なおライヴ時の出⾳バランスは、専属PAの⼀条⽒に会場やその⽇の状況に合わせて一任しているとのこと。
    主にライヴ時に使用するというチェコイーズ製の一本。ニューヨークのジャズ・ベーシストがタクシーでも運搬できるよう、コンパクトに作られたモデルだ。ヘッド部分の取り外しができ、エンドピンを短くすればチェロの程度の大きさまで縮小することができる。
    関⾕のエフェクト·ボード。ステレオ出⼒されたマグネット(EMG)/ピエゾ(ウィルソン)の両ピックアップの信号は、ボード裏に設置された①なとり⾳造製Occult Dip Box(周波数特性補正フィルター)のTYPE-BASW(ウィルソン)TYPE-BAS(EMG)へモノラル(TS)に分岐されて⼊⼒される。関⾕は①について、“これを通すだけでヴィンテージ楽器のような絶妙な質感になるんです”と語る。続いて②EVA電⼦製Sound Stabilizer PHC-VIC 30V SEKIYA CUSTOM(バッファ)を経由し、③Neural DSP製Quad Cortex(フロア・プロセッサー)へTRSで⼊⼒。ここからPA卓へ信号が送られる。③では設定⾳⾊ごとにピックアップが切り替えられ、エレキ・ベース寄りのサウンドをマグネット側、ウッド・ベース寄りのサウンドをピエゾ側で作成しているという。④SUMO STOMP製SUMO TRON ver.2(エンヴェロープ・フィルター)、⑤Maestro製Bass BrassMaster(ファズ)、⑥LEHLE製DUAL EXPRESSION(エクスプレッション・ペダル)はともに③から分岐している。パワー·サプライはボード裏に設置されたWARLUS AUDIO製CANVAS POWER HPを使⽤。なお関谷/木村ともに、ケーブル類は一部を除きすべてEx-pro製で統一されている。

    Profile

    木村祐介(MUJINA)
    熊本県熊本市出身。8月5日生まれ。2023年に結成された7人組スウィング・ロック・バンドMUJINAのベーシスト。2023年9月に1st配信シングル「555」でデビューし、スウィング・ジャズやビッグバンド・サウンドの要素を取り入れつつ、ラウドでモダンなロックへと昇華させた独自の音楽性で人気を博している。2024年6月10日には、1stフル・アルバム『PANORAMA』をリリースした。MUJINAは2024年12月1日(日)の大阪・心斎橋新神楽を皮切りに、名古屋・神戸・横浜・東京の全国5ヵ所をまわるショート・ツアー『“ハルシネーション”RELEASE TOUR』を開催する。ツアー・ファイナルは、2024年1月17日(金)に渋谷eggmanにて開催。その他木村は、ラウド・シーンを中心に、数多くのバンド/アーティストのサポートも手がけている。
    関谷友貴(TRI4TH)
    踊れるジャズ・バンドTRI4THのベーシスト。2018年にSMEレコーズよりメジャー・デビューし、5枚のアルバムをリリース。SUMMER SONICやFUJI ROCK FESTIVALなどのロック・フェスから、東京JAZZをはじめとする国内外のジャズ・フェスに出演し、エフェクティヴで色彩豊かなウッド・ベースから繰り出されるグルーヴ感には定評がある。また音楽制作チーム“MISSING Sound Tracks”でのアーティストへの楽曲提供、教則本『3年後、確実にジャズ・ベースが弾ける練習法』の出版など、活動は多岐にわたる。TRI4THのほか、津軽三味線や奄美島唄とジャズを融合させたバンド“黒船”のリーダーとしても活動している。2024年11月11日に、“ベースの日”を記念した関谷主催のスペシャル・イベント『SEKIYA’s SOUND COLOR feat. TYH BASS TRIO “The Bass Day Special Live”with special guests Ju-ken & 小野裕基(wacci)』を東京・丸の内のCOTTON CLUBにて開催する。

    ベース・マガジン2024年11月号(AUTUMN)では、木村祐介(MUJINA)× 関谷友貴(TRI4TH)の対談記事を掲載中。プレイヤーとしての互いの印象のほか、現在のサウンド・システムに至るまでの過程、自身のバンド・サウンドにおける音作りへのこだわりなど、動画とは別内容の対談をお送りしています!

    丸山隆平(SUPER EIGHT)を表紙に迎えた同号の特集は『I♥JB 大好き! ジャズ・ベース』。
    永遠のスタンダードとして、誕生以来愛され続けるフェンダーの名器“ジャズ・ベース”。ベーシストを虜にする、“ジャズベの魔法”の秘密を紐解いていきます。本特集では数多くの “JAZZ BASS LOVER”なベーシストが登場し、自身の愛するジャズ・ベースについて語ってくれているほか、年代判別法や現行ジャズ・ベース紹介など、楽器としての特徴を深堀りしていくコンテンツが盛りだくさん。“ベーシスト×ジャズ・ベース”の総力特集だ!

    そのほか、JIRO(GLAY)、やまもとひかる(Aooo)、ロン・カーターといった注目のベーシストのインタビューなど、さまざまな記事を掲載しています。ぜひチェックしてみてください!