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    2022年4月1日、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが約6年ぶりとなる待望の新作『Unlimited Love』をリリースした。本作は、2006年発表の『Stadium Arcadium』以降バンドを離れていたジョン・フルシアンテ(g)の16年ぶりの復帰作でもあり、大きな注目を集めている。

    稀代のベース・ヒーローとして数々の名演を残してきたフリーのプレイはまだまだ健在。代名詞でもあるメロディアスなベース・リフを始め、多彩なアプローチを披露し、“最新版”のフリーを体感できる一枚だ。

    ここではレッチリ、そしてフリーからの影響を公言する、JIRO(GLAY)、あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)、長島涼平(フレンズ/the telephones)、フクダヒロム(Suspended 4th)という第一線で活躍するプロ・ベーシスト4名に『Unlimited Love』を聴いた所感、そしてその思いの丈を語ってもらった。

    『Unlimited Love』
    ワーナー/WPCR-18503(国内盤)

    JIRO
    (GLAY)

    【Profile】
    じろう●10月17日生まれ、北海道出身。1992年に同郷でありすでに東京にて活動していたGLAYに加入。1994年にメジャー・デビューし、1996年には初の武道館公演を、1999年には初のドーム・ツアーを開催し、1999年に幕張メッセ駐車場特設ステージで開催した“GLAY EXPO ’99 SURVIVAL”では20万人を動員する。2021年10月に16thアルバム『FREEDOM ONLY』を発表。2022年6月8日には同作を携えたアリーナ・ツアーから、さいたまスーパーアリーナ公演の模様を収録したライヴBlu-ray/DVD『GLAY ARENA TOUR 2021-2022 “FREEDOM ONLY” in SAITAMA SUPER ARENA』をリリースする。
    Official HP 

    すべてがRHCPという強い個性になっている。

     ボクがRHCPと出会ったのは、まだGLAYに加入する前の1991年。アルバムでいうところの『Blood Sugar Sex Magik』でした。当時は上京したばかりで、休みの日になると、地元(函館)のバンド仲間たちと集まっては、夜な夜な爆音でかけまくっていた、そんな思い出もあり、今でも変わらず大好きなアルバムです。

     新譜『Unlimited Love』は、約10年ぶりにジョンも戻ってきて、さらにはプロデューサーが盟友リック・ルービンということで、それだけでも期待を裏切るわけがないと、Apple Musicにアップされていく新曲を聴きながら、アルバムの発売を楽しみに待っていました。

     今作は全17曲もあるので、バンドの新境地となるような曲やフリーの新たなベース・アプローチなどもありつつ、アンソニーが歌えばしっかりRHCPのサウンドになるし、安定感のあるチャドのドラムがバンドのグルーヴをしっかりとまとめていて、それらすべてが、RHCPという強い個性になっているのが、改めてすごいと感じました。

     ベースの存在感も変わらずカッコよくて、クリックに合わせてリズムを意識しすぎたりすることもなく、またこのデジタル時代、簡単にリペアすることもできると思いますが、このアルバムのフリーのテイクは随所にパンク・スピリットを感じられるので、そのあたりも興味深かったです。

    あきらかにあきら
    (THE ORAL CIGARETTES)

    【Profile】
    あきらかにあきら●2010年に奈良にてTHE ORAL CIGARETTESを結成。2014年に上京し、同年7月にシングル「起死回生ストーリー」でメジャー・デビュー。2017年6月に初の日本武道館公演、2018年2月には大阪城ホールでの単独公演を成功させた。2022年4月27日にSKY-HIやMAH(SiM)などのゲストが参加したFeaturing EP『Bullets Into The Pipe』をリリースし、5月25日から東名阪Zeppツアー“DREAMLAND TOUR 2022”を開催する。また10月22日(土)、23日(日)には約3年ぶりとなる主催イベント“PARASITE DEJAVU 2022 〜2DAYS ARENA SHOW in SAITAMA〜”をさいたまスーパーアリーナにて開催する。
    Official HP

    しっかりしたボトムスと美しいギター、優しいフロウ。

     この4人のRed Hot Chili Peppersを待ってた。別にずっとレッチリはレッチリなんやけど、15歳のときに初めてライヴ映像を観て衝撃を受けたのが、ジョン・フルシアンテがいるこの4人のレッチリ。生で観たレッチリもこの4人のレッチリ。この4人のレッチリのコピー・バンドをしてたので、やはり青春加点もあるが、ジョンが参加したってことで新作は良いアルバムである。知らない間に大人になってるんだなぁ、彼らも僕も。

     当時はあまり惹かれなかったスロー・バラードが心地良い。もちろんそのなかにも彼らの真髄であるしっかりしたボトムスと美しいギター、優しいフロウ。そのバランスが絶妙。長すぎるベース・ソロのアウトロも笑っちゃうくらいカッコいい。再熱してライヴ映像も観たが、このカッコいいおっちゃんたちみたいに歳をとりたいな、とも思ってしまう。

     きっとこれからもレッチリはずっと憧れでいてくれるんだろうなぁ。

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