PLAYER

UP
INTERVIEW – 高松浩史[Petit Brabancon]:円熟味を増した、深き/重き低音
- Interview:Fuyu-Shogun
- Photo(Live):Kazuro Aoki,Yuki Kawamoto,Takao Ogatata
- Photo(Bass):Hiroki Obara
“AMAZEのマルチ・スケールを作る”というコンセプトのモデルなんです。

——ちなみにコンプレッサーとの兼ね合いはどう考えています?
実は僕、コンプはまったくわかってないんですよ。なんかいい感じになればそれでOKかなって(笑)。こういう設定をする、みたいな確かなものはなくて、何となく音が太くなったからこれがいいんじゃないかな、くらいです。音を潰すっていうよりは、音作りの一環として整える形ですね。
——イコライジングの延長にあるような使い方ですね。ベース本体に関してですが、レコーディングで使用したベースは?
レコーディングではディングウォールの5弦を使いました。全曲その1本だけですね。
——レコーディングとライヴでの音作りの違いはありますか?
意外と分けては考えていないというか。レコーディングで結果こうなって、こういう作品になったから、ライヴはそれに沿ってこうしよう、みたいなところですね。やっぱりエンジニアさんのミックスでだいぶ音が変わったりするので。その完成形を受けて、ライヴ用に音作りしようかなという。
——出来上がった音源のサウンドが指標になるわけですね。では、ベーシック的なところは変えてないと。
レコーディングを経て、足りない要素があったらそこは足したりしますけど。手法的にはクリーンと歪みをパラレルでミックスして、っていうのは変わらないです。
——これだけ低いチューニングだと、会場によってやっぱローの回り方も変わってくると思うのですが、そのあたりを踏まえてセッティングを変えたりしてますか?
特に僕のほうでは変えたりはしないですね。クリーン1系統、歪み1系統でPAに送っていて、そのバランスはPAエンジニアさんにお任せです。そのほうが会場によっていろいろ対応できますから。
——PAエンジニアさんとの信頼関係があるからこそですね。そして、「Vendetta」のミュージック・ビデオで弾いているベース、こちらは新しいシグネイチャー・モデルなんですよね?
はい、ほぼ完成はしてるんですけど。まだちょっと細かい仕様が決まってないんです。ツアー(2024年9月に全7カ所で開催)では使えるように間に合わせるつもりです。
——ESPのAMAZEをベースにしたモデルですか? ファンド・フレットになっているようですが。
レコーディングでディングウォールを使ってることもあって、やっぱりマルチ・スケールの利点、恩恵みたいなものはすごく多いなと感じているんですね。なので、ライヴでもESPのマルチ・スケールのベースを使ってみたい、というところからスタートしました。そういった背景があって“AMAZEのマルチ・スケールを作る”というコンセプトのモデルなんです。


——マルチ・スケールの利点で大きいのは、やはりローB弦の鳴り方ですか?
そこがすごく大きいです。普通の34インチ、35インチだと、チューニングを下げたときに、ちょっとぼんやりしちゃうというか、ピッキングする感覚もすごくグニャっとする感じがあるので、どうしても線が見えにくくなるんです。本当にしっかりピッキングをすれば大丈夫だと思うんですけど、ライヴではあまり細かいことを気にせず行きたいときもあるので。なので、マルチ・スケールはそういう意味でもいいかなというところですね。聴いている側も、マルチ・スケールのほうがピッチは安定するみたいですし。
——Petit Brabanconは、最も低い曲ではローGまで下げていますよね?
そうなんですよ。なので、マルチ・スケールで、かつ5弦だけはちょっと太めの弦を張ったりして、何とかやってます。
——ニュー・ベースは、ピックアップなどの電装まわりはどうなっているのですか?
ピックアップを今作ってもらっているところなんです(取材は2024年8月末に実施)。そこでちょっと時間がかかっています。かなり細かい部分なので、少しずつ詰めていくしかないですね。あともうちょっとだなというところです。最初はピックアップ・カバーのなかにJBタイプのピックアップを入れてもらってたんですけど、それだとちょっとタイト過ぎたので、じゃあいっそのこと作ってもらおうかなと思って。とにかくローがしっかり出ることにこだわっています。
——The Novembersで使っているシグネイチャー・モデル、HTB-01 “Obsidian”とはコンセプトもサウンドの方向性もまるっきり違いますよね。
全然違いますね。あっちはPJピックアップですし。個人的な意見というか感想なんですけど、5弦ベースを弾いてみて、4弦のベースとはまったく別の楽器なんだなっていう印象があるんです。演奏の仕方とかもそうですけど、一番は音作りが全然違うなと思ったので。そこはもう完全に分けて考えています。

——ファンド・フレットのシグネイチャー・モデルは完全にPetit Brabancon用の5弦ベースであると。
そうです。5弦ベースを使うプロジェクトがほかにないので、実質そういうことになりますね。
——カラーリングにこだわりはあるんですか。
色は“Obsidian”と同じ色ですね。半ツヤ消しのブラック。マット・ブラックまではいかないけど、普通のブラックよりちょっとツヤが抑えられたようなブラックにしています。
——発表された来年3月のライヴ・ツアーでも、大いに活躍することになりそうですね。
今の時点で既にかなり良い楽器だという感触があるので、これからどんどん活躍してくれると思います。ライヴを観に来てくれているみなさんにはそういう部分でも楽しんでいただければ嬉しいですね。
≪ライヴ情報≫
■Petit Brabancon CROSS COUNTER -01-
3月8日(土) 愛知・名古屋 THE BOTTOM LINE Guest: to be announced
3月9日(日) 愛知・名古屋 THE BOTTOM LINE Petit Brabancon Only
3月20日(祝)大阪・心斎橋 BIGCAT Guest: to be announced
3月21日(金)大阪・心斎橋 BIGCAT Petit Brabancon Only
3月26日(水)東京・恵比寿 LIQUIDROOM Guest: to be announced
3月27日(木)東京・恵比寿 LIQUIDROOM Petit Brabancon Only
※詳細後日発表
≪初のフォトブック≫
■Petit Brabancon official photobook「The Howling of Underdogs -2025-」
【販売サイト】
https://petitbrabancon-thou.com/
※フォトブックは2024年10月1日より販売開始
※2025年4月ごろ発送予定
【価格】
7,700円(税込)
※送料込み
※お支払いには「クレジットカード決済」「コンビニ決済」をご利用いただけます。
【購入者特典】
・2025年度(2025年4月〜2026年3月)のライヴに「The Howling of Underdogs -2025-」メンバーズ最速チケット先行申し込みが可能
※「The Howling of Underdogs -2025-」有効期限は、ご登録時期に関わらず2026年3月31日までとなります。
※対象とならない公演もございます。
※イベント・フェスなどは受付対象外となります。
・「The Howling of Underdogs -2025-」メンバーズ限定メールマガジンの配信
・ライヴ会場特典あり
【早期購入者特典】
2024年10月1日(火)から10月31日(木)23:59までにご購入いただいた方限定で、
2025年3月に開催される、「CROSS COUNTER -01-」のメンバー最速先行に申し込みが可能。
※上記期間に購入いただいた皆様へ、11月中に最速先行の詳細および申し込み用の専用IDが記載されたカードを送付いたします。
◎Profile
たかまつ・ひろふみ●栃木県出身。2005年からThe Novembersとしての活動を開始し、現在までに8枚のフル・アルバムなどを発表している。Petit Brabanconは2021年に本格始動した、京(vo)、yukihiro(d)を中心としたプロジェクトで、2022年8月31日に1stフル・アルバム『Fetish』をリリース。2024年8月7日には2nd EP『Seven Garbage Born of Hatred』をリリースしている。高松はその他、Lillies and Remains、圭、健康のサポート・ベーシストも務めている。
◎Information
Petit Brabancon Official HP YouTube X Instagram
高松浩史 X Instagram