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    INTERVIEW – 朱李(トゲナシトゲアリ)

    • Interview:Koji Kano
    • Photo:Seichi Uozumi

    “ベーシスト×声優”
    未来につながる夢への軌跡

    2024年4月よりTOKYO MXほかにて放送されたアニメ『ガールズバンドクライ』は、まっすぐに音楽と向き合う少女たちの奮闘を描いた作品だ。作中に登場する劇中バンドがトゲナシトゲアリであり、アニメと連動するリアルなガールズ・ロック・バンドとして精力的に活動を展開している。作中にて各キャラクターの声優を務めるのは、リアル・バンド、トゲナシトゲアリのメンバー。オーディション“Girl’s Rock Audition”にて選ばれたバンド・メンバーが声優にも挑戦していることで注目を集めている。

    ここでは、ベーシスト“ルパ”の声優を務める朱李にインタビューを敢行。声優としての歩みのほか、8月28日にリリースされる2ndアルバム『棘ナシ』の注目ポイントを聞いた。7月19日発売のベース・マガジン8月号【SUMMER】では、オーディションの裏側のほか、ベーシストとしてのルーツなどを語った別内容のインタビューを掲載している。合わせてチェックいただきたい。

    ルパとは真逆の人間性かもしれないですね(笑)。

    ━━オーディション合格後、バンドの結成と同時に声優としてもデビューを飾られましたが、初挑戦となる声優の仕事に対し、どのように向き合われましたか?

     もともとすごくアニメが好きだったので、“アニメに関われて声優もできるし最高じゃん!”と思っていたのですが、いざ実際にアフレコしてみるとボロボロで。全然うまくできないし、声だけで表現することの難しさというか、大きな壁を感じました。

    ━━役作りはどのように行なっていましたか?

     私が演じているルパは、あまり感情を表に出さず、ずっと笑顔で若干壁を感じるキャラクターなんです。加えて、けっこうおっとりとした子でもあるので、日常生活から笑顔で話すことを心がけたり、ゆっくりと話してみるとか、そういうことを意識していました。

    ━━演じているルパに関して、自身の人間性と近い部分はあると思いますか?

     ほとんど異なっていると思います。メンバーからは、“感情があまり顔に出ない感じが似ているね”と言われることもあるんですが、自分としては感情が顔に出ちゃうほうだと思っているし、楽器を弾いていても音に出ちゃったりとか……けっこう正直な人間なので、ルパとは真逆の人間性かもしれないです(笑)。でもバンド内でのキャラクターとか立ち位置的な部分だと、近しいものがあるのかなって思っています。

    ━━では、ベーシストとしてのプレイスタイルや考え方という部分ではいかがでしょう。

     共通点は指弾きぐらいでしょうか……。ルパも私もテンポが速くて強めの楽曲でも指弾きをしているので、そういう部分では一緒かなと思います。あとルパは弾き方がカッコよくて、映像とかでプレイしている姿を観ていると、“こういう弾き方ができるようになってみたい”と思います。

    ━━アニメの放送は終了しましたが、改めて声優の仕事をどのように感じていますか?

     大変なことも多かったですが、最近は”自分にルパを下ろす”ことが楽しくなってきているんです。アフレコを行なう機会も少なくなってきているので、寂しいというか、“もっとやりたいな”と思っています。

    ━━ロック・バンド“トゲナシトゲアリ”の活動に関しても伺います。3月16日には横浜1000 CLUBで『1st ONE-MAN LIVE “薄明の序奏”』が開催されましたが、振り返ってみていかがですか?

     1stワンマン・ライヴは、これまでの会場のなかでも一番大きいキャパシティだったので、お客さんが来てくれるのか、最後まで体力が持つのか、いろいろ不安はあったんですけど、お客さんがすごくあたたかかったこともあって、存分に楽しむことができました。心配だった体力も、ステージに上がってしまえばアドレナリンでいつの間にかなんとかなっていました(笑)。だから本番の10分くらい前まで全然緊張はなかったんです。

    ━━緊張よりも楽しさを感じられたと。

     序盤はガチガチだったんですけど、お客さんが盛り上がっているのを見たり、メンバーもすごく良いプレイをしていたので、私自身も高ぶる気持ちが溢れてきて、途中からはとにかくめちゃくちゃ楽しめました。“まだステージにいたい!”って気持ちでした。もちろん反省点もたくさんあったんですけど、そういうところはメモに書きつつ、“ライヴが楽しい”って気持ちを一番に出したいなと思っていました。

    ━━先ほどルパのパフォーマンスに関して言及されていましたが、ステージングやパフォーマンスの部分でこだわっている部分や、ルパを意識していることはありますか?

     ルパはずっと笑顔で演奏しているので、そういうところは意識しました。あと、ステージ上で暴れてみたりとか。ルパはあまり暴れないんですけど(笑)。私はメンバーのなかではけっこう動くタイプなので、“見苦しくならない程度にパフォーマンスしよう”って意識を持っています。

    ━━パフォーマンスに関しては、自身の好きなベーシストからのインスパイアなどもありますか?

     そうですね。ライヴ映像を観て参考にしたのは、Suspended 4thのむう(フクダヒロム)さんや、UNISON SQUARE GARDENの田淵(智也)さんなど、カッコよく派手にパフォーマンスできるベーシストを参考にさせていただきました。

    『ガールズバンドクライ』とは?

    主人公は高校を中退し、単身で上京した井芹仁菜。ある日彼女は、降り立った郊外の駅前でたったひとりで歌う少女、河原木桃香と出会い、彼女の持つ音楽の力に触れる。その後、安和すばる、海老塚智、ルパといった仲間に出会い、5人組バンド“トゲナシトゲアリ”を結成。5人の少女が世の中の不条理さに立ち向かい、音楽を通して自分たちの居場所を探すストーリーだ。
    (©東映アニメーション)
    ルパ
    トゲナシトゲアリのベーシスト。南アジア人の父と日本人の母を持つ、やや褐色のオリエンタルな雰囲気を漂わせる少女。芸術センスに溢れ、頭脳明晰。いわゆる天才肌で、その穏やかな話し方と、控えめな態度からバンド内で一目置かれる存在だ。
    (©東映アニメーション)

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