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    INTERVIEW – MISA[BAND-MAID]

    • Interview:Takahisa Kondo

    基本、私は録るのが早いんですよ。

    ──そういったアレンジのやりとりも、今やリモートで可能になる時代になりましたね。

     そうなんです。だから、自宅のDAW環境も一新したんですよ。それこそ、スピーカーやMIDIキーボードはもちろん、座って作業するための椅子なども含めて、すべて新しく揃えて。

    ──今はどのような制作環境なんですか? 

     DAWソフトがSteinbergのCubaseですね。KANAMIがCubaseを使っていて詳しいので、同じアプリケーションを使ったほうが使い方を教えてもらえるし、作業やデータのやりとりもラクなので。オーディオ・インターフェイスはUniversal AudioのAPOLLO QUADです。これもKANAMIが使っていて、同じモデルに揃えたほうがミックス作業がしやすいと思って。Cubaseを使う前は、高校生ぐらいからずっとGarageBandを使っていましたね。

    ──ちなみに、ベース本体についてはどのような機材を?

     SGシェイプにPタイプのピックアップが載っているBlack Smoker製のオリジナル・モデル(PRIVATE RESERVE MISA CUSTOM-Bordeaux)が2020年に完成したんですけど、初めてレコーディングで使いました。「Warning!」や「After Life」も含め、半分くらいの曲でこのベースを使いましたね。このモデルはピックアップがPタイプだし、ミッド・レンジが強いので、もはやプレべのサウンドなんですよね。あと、スラップをするときは、最近のメインでもあるBlack Smoker製の“BETA-J5 MISA 2合”を使ったり、今言ったオリジナル・モデルと“BETA-J5 MISA 2合”を重ねたりして音作りしました。

    ──そのほか、音作りについては?

     エフェクターはKANAMIから借りたりすることも多かったんですけど、歪みを絡めることが多かったかな。歪んだ信号だけだと音の芯がなくなるので、歪みの音と原音、どちらも混ぜて。例えば、ORANGEのBax Bangeetar Guitar Pre-EQっていうギター用のプリアンプも使って、それに原音を混ぜることで、いい感じの音になりましたね。

    ──自宅で録ったテイクもあるんですよね。

     そうなんです。例えば、「I still seek revenge.」は家で録りました。あとは「CHEMICAL REACTION」もそうだし、録るのに時間がかかりそうな曲は、家でしっかりキレイに録ろうと思ったんです。基本、私は録るのが早いんですよ。でも今回、“これは1時間以上かかるだろう”みたい場合は、家で細かく精査しながら録ろうと。で、ラインで録ったものをスタジオでリアンプしたりしました。

    Black Smoker製の“BETA-J5 MISA 2合”。ファンの方ならお察しのとおり、“2合”は“号”ではなく、お酒の単位の“合”である(笑)。ボディ材はアッシュ、ネック材/指板材ともにローズウッドとなる。ピックアップはBlack Smoker製J-5NとJ5Bの組み合わせで、ミニ・スイッチにより、シリーズ/パラレルの切り替えを行なう。
    MISAのエフェクター・ボード。上段右よりFree The Tone/JB-21(ジャンクション・ボックス)、Tech21/SANSAMP BASS DRIVER DI(プリアンプ)、Free The Tone/PT-3D(パワーサプライ)。中段右から、Ernie Ball/MVP Most Valuable Pedal(ヴォリューム・ペダル)、BOSS TU-3W(チューナー)、Electro-Harmonix/Bass Soul Food(オーバードライブ)、MXR/phase 90(フェイザー)、BOSS/DD-200(ディレイ)、PETE CORNISH/P-1(ファズ/ディストーション)。下段右よりFree The Tone/ARC-53M(オーディオ・ルーティング・コントローラー)、Free The Tone/PA-1QB(プログラマブル・アナログ10バンドEQ)。