PLAYER
“音”で決めていたら、スラップが増えていった。
──あと「After Life」のリフは、通常の4拍子なんですけど、符割りが少しトリッキーですよね。一方、サビではベース・ラインがメロディアスに動いています。
初期段階のデモでは、もっとベース・ラインが動いてたんですよ。Aメロもサビも動いて作っていたんですけど、“あまり動かずにどっしり重たくしたほうがカッコいいかも”と思って、シンプルにしましたね。サビについては、落ち着かせつつメロディアスな感じで弾きました。サビに関しては、「After Life」が今作で一番メロディアスかもしれません。
──この曲に限らず、メロディアスなベース・ラインなうえに、しっかりボトム感をキープしていますよね。ボトム感と手数とのバランスについてはどう意識していますか? 例えば、「Manners」も、オブリを入れながらも、どっしりボトムを支えています。
この曲については、本当にスッて思い浮かんだベース・ラインなんです。今おっしゃったようなことについては、難しく考えていないんですよね。この曲のベース・ラインも、本当にすぐできましたし。
──「I still seek revenge.」でもスラップがフィーチャーされていますね。
はい。こんなにスラップしたのは実は初めてかも。KANAMIから“ベースが目立つ曲にしたい”って伝えられて。で、あとは私の感覚で作っていきました。完成したあとに“これはお給仕で弾くのが大変だぞ……”とは思いましたね(笑)。アレンジについては、お給仕のことはいったん置いておいて作ることも多いんですよね。
──確かに、お給仕での再現性ばかりを考えていると、自分のできることばかりになってしまって進化できない、とも言えますしね。
そうですよね。レベルは常に上げていかないといけないから。今後、この曲が自分の基礎練になるかも(笑)。
──自分の曲で基礎練って理想的ですね!
あと、自分のプレイ・スタイルとしては、スラップがやりたい!みたいに、決してスラップを推しているわけではないんです。ただ、弦をハジいたサウンドが良かったというか、あくまで“音”で決めるので、ここでは“ハリのある音をここで入れたらカッコいいだろうな”っていう発想でスラップを入れようと思うんです。今回はそうやって、スラップの楽曲が増えていった感じなんですよね。
──「Giovanni」のスラップも心地いいですよね。
この曲、すごく好きなんですよ。1Aも、これまで弾いてこなかったフレーズでおもしろいんじゃないかなと思って。あとは、意識してBメロは重たいイメージで弾きました。私たちの楽曲のなかでは、テンポが遅い曲は少ないので、どれだけ印象に残るフレーズができるか、みたいな挑戦でしたね。この曲もお給仕で盛り上がりそうですよね。
──一方で、「サヨナキドリ」は、ボトムに徹して歌を生かしていますよね。
前に出ない感じですね。ベースは大人しくするというか、ベースが動いているけど目立たないような、歌を際立たせるベース・ラインを意識しました。“こういう感じのキャラクターでいったほうがいいな”みたいなことを最初に意識して、じっくり時間をかけて考えて。最初にデモを聴いたときから、“これは目立たないでうしろで動いている感じがいいな”みたいに、想像したんですけど、それを再現するために、時間的な余裕があったのがよかったですね。