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    INTERVIEW – MISA[BAND-MAID]

    • Interview:Takahisa Kondo

    大変な時代だけど、この作品ができたことは大きいと思います。

    メイド姿とハードなサウンドが両立した世界観により、国内のみならず世界中で熱狂的なファンを増殖させているバンド、BAND-MAID。先日リリースしたアルバム『Unseen World』は、Worldwide iTunes Album Chartにおいて初登場世界2位をマーク。米国など7ヵ国でトップ10入りした。まさに世界征服の一歩を踏み出している彼女たちであるが、ライヴ活動を控えたこのコロナ禍の期間中に個々のスキルを磨き、本作の制作に臨んだという。ベーシストのMISAもまた、めくるめく展開するバンド・サウンドのなかで、楽曲の底辺を埋めながらも確固たる主張を見せる。日本武道館でのお給仕(=ライヴ)開催日であった2月11日には、会場を変更してオンライン無観客配信公演“BAND-MAID ONLINE OKYU-JI (Feb. 11, 2021)”を行なうBAND-MAIDであるが、本作の制作過程について、ベーシストMISAに話を聞いた。

    練習と曲作りの日々。とにかく真面目に過ごしてました(笑)。

    ──早速なのですが、改めて、2020年はいかがお過ごしでしたか?

     とにかく、自宅にいましたね。自宅でずっとベースに触れながら、今までの自分たちの曲を見直して、細かいところを突き詰めて練習したりしていました。弱点をピックアップして、苦手なところを全部書き出したり……そういったことをメンバー全員でやっていましたね。

    ──かなりストイックですね。

     そうですね。自分たちの楽曲なんですが、弾き慣れている過去の曲でも、お給仕(=ライヴのこと)で弾いてみるとちょっと感覚が違うなっていうこともあったので、そういった問題点を解消しようと思ったんです。あとは、KANAMI (g)が作ってきた曲に対して、私もコーラスを一緒に考えたり、楽曲の制作をしていましたね。練習と曲作りの日々です。とにかく真面目に過ごしてました(笑)。

    ──バンド内のコミュニケーションはオンラインで?

     そうです。直接会う機会は減ったんですけど、常に週3回ぐらいはテレビ電話やZOOMなどを使ってみんなでミーティングしていましたね。リハーサルがないぶん、“自分は今日、この練習をします”って報告したり。

    ──自分のスキルを、よりブラッシュアップする期間になったと。

     例えば、「DICE」(アルバム『WORLD DOMINATION』収録)をお給仕でやると、ちょっとスムーズに聴かせられない箇所があったりとか、そういう部分を細かく洗い出したんです。例えばこの曲の場合、2Aの入りやソロなどを、より詰めていったんですよね。

    左からMISA、AKANE(d)、小鳩ミク(g,vo)、SAIKI(vo)、KANAMI(g)。
    Unseen World
    ポニーキャニオン
    PCCA-04991【限定盤/2CD+Blu-ray+STUDIO PHOTOBOOK】
    PCCA-04992【初回限定盤/CD+DVD】
    PCCA-04993【通常盤】

    ──そういったことの積み重ねが最新アルバム『Unseen World』にも表われているのでは?

     そうですね。2020年の東京LINE CUBE SHIBUYAのお給仕(2月13日(木)、2月14日(金)に行なわれた『BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 【進化】』のこと)が終わったあとに、世間では自粛期間が始まって。2020年11月あたりからレコーディングが始まったんですけど、それまでの期間は、ずっと制作も続けていましたね。

    ──お給仕の機会が少ないからこそ、制作に集中できたと言えるのでしょうか?

     それはあるかもしれないです。やっぱり心に余裕ができたのは一番良かったと思いますね。この期間中に配信でのお給仕は3回やったんですけど(オンラインお給仕『BAND-MAID ONLINE OKYU-JI』のこと)、こんなに時間が取れるのって中学生ぶりなんじゃないかなっていうくらいで。こんなに家で過ごせるなんてことなかったから。1曲1曲に向き合うことができたと思います。

    ──今作、アレンジなどもとても練られている印象で極まっているように思います。加えて、テンポの速い曲はもう、尋常じゃないスピードを感じさせますよね(笑)。

     それ、「BLACK HOLE」のことですよね(笑)。あれはカオスですよね。

    ──まさに。「BLACK HOLE」もそうだし、先にリリースされていたシングル曲「Different」も、スピード感がすごくて。スピードだけでなく、いろんな側面でより極まっている印象です。

     本当にドラムもギターも大変そうですよね。ベースはオルタネイト・ピッキングで対応できるんですが……。

    「Different」MV

    ──あ、確かに、ベースはオルタネイト・ピッキングで弾き切ることができますね。

     そうです。ただ、ひとつひとつの音がちゃんと聴こえるように弾くことは意識しました。やはり歯切れ良く聴かせるには、粒立ちが重要になってくるので。

    ──ところで、曲作りはどのように?

     KANAMIからデモのデータが届いて、それにベースを入れていくことが多かったですね。加えて、ほぼ初めての試みだったんですけど、“ここからはMISAが考えて”っていうことで、曲構成を考えることもありました。例えば、「NO GOD」は構成から参加して、自由に弾くっていうことを意識して作ることができたんです。

    ──この曲、出だしはストレートな感じと思いきや、どんどんスラップが入ってきたりして。特に右手の切り替えが忙しそうですよね。

     そうなんです。途中からスラップになって、さらにピック弾きに戻る、とか。しかも、最近は私もドラムの打ち込みができるようになってきたので、ベース・ソロ部分のドラム・パターンを作ってKANAMIにデータを送ったら、ベース・ソロはそのままで、さらにドラムやバックのエフェクトをおもしろい感じでアレンジしてくれたり。結果、かなり良い感じに仕上がりましたね。

    ──なるほど。そういうやり取りをしていたんですね。

     この曲、早くお給仕でやりたいですね。

    ──やはり、楽曲を作るときは、大きな会場で鳴らすイメージが浮かんだりしますか?

     確かに、それはあるかも。お給仕を意識した曲もあります。例えば「Youth」などはフェスやお給仕で、ここで盛り上がるだろうなって思い浮かびましたし。あとは「本懐」も、お給仕で演奏する様子が想像できますね。