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    【第58回】シャッフルをウラ重心で弾くリズム練・応用編/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

     前回に引き続き、シャッフルはウラに重心があるという感覚をさらに深めていく練習です。前回は、ブルースとかロックのシャッフルの曲でよく使われるフレーズでした。

     今回はそれのバリエーションで、このフレーズです。

     これをいきなりやろうとすると難しい場合があるので、まずは練習用のフレーズから始めます。3連の1~2個目を弾いて、3個目は休符でそこにクリックが鳴る、というパターンです(ex.1A)。

     クリックをまずはBPM50で鳴らして、それが3連3個目に鳴っていると感じます。やり方がわからない人は、前回の動画の説明をチェックしてください。

    ポイント1

     右手は、指弾きなら1フィンガー、ピック弾きならダウンだけで弾きます。

    ポイント2

     3連3個目の休符は、3連2個目の音を切ることで表現しますが、左手だけで音を切ります

    ポイント3

     音を切るタイミングとクリックが鳴るタイミングをシンクロさせます。3連2個目の音が短すぎないように気をつけます。

    ポイント4

     3連3個目は休符だから音量はゼロなんですが、そこが一番フォルテという感覚で演奏します。音は出さないけれど、そこに重心があるイメージです。

    ポイント5

     慣れてきたら、クリックも自分が鳴らしている感覚で演奏できるといいです。左手で音をミュートすることによってクリックを鳴らしている、っていうイメージです。

     ex.1Aを、速いテンポでも楽に弾けるくらいに慣れたら、3連1個目と2個目をタイでつなぎます(ex.1B)。

     これは普通の書き方だと下記のように書きますが、上記(ex.1B)の書き方だと3連2個目が可視化されていることでex.1Aとの関係がわかりやすいので、リズム練用にこういうイレギュラーな書き方をしています。

     このフレーズは、ex.1Aと違って3連2個目で指を動かさないので、3連3個目の休符のタイミングを感じるのが少し難しいかもしれません。そういうときは、ex.1AとBを何回かごとに交互に弾きます。これを繰り返すことで、Bのときにも、Aを弾いている感覚を残しながら弾けるようにしていきましょう。

     今回のフレーズみたいな弾き方は、4分音符のウォーキング・ベース(譜面1)を弾くときに応用できます。

     譜面2のようにテヌートスタッカートのニュアンスでウォーキング・ベースを弾いている感じです。

     ただ、その音を切るタイミングが“なんとなくこのへん”ではなく、きっかり3連3個目に休符を演奏することがポイントで、これがシャッフルのグルーヴを感じて生み出す助けになるわけです。
     
    この練習を繰り返して、拍のオモテではなく3連3個目を基準にして、そこの重心を置いて演奏できるようになっていきましょう。石村順でした!

    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

    ◎Information
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