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    【第142回】表情豊かなゴースト・ノートを身につけよう! 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    “約3分”でベース上達にまつわるさまざまなトピックを解説するYouTube動画連動の連載『石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜』。第142回のテーマは、“表情豊かなゴースト・ノートを身につけよう!”。

    フレーズをパーカッシヴに表現したいときに欠かせないのが、ゴースト・ノート(空ピッキング)です。今回は、指弾きでゴースト・ノートを弾くときに、フレーズにより繊細な表情をつけるためのやり方を練習しましょう。

    いわゆるゴースト・ノートは、左手で弦を触ってミュートした状態で右手でピッキングして音を出します。音程がついていないパーカッシヴな音が出るので、ゴースト・ノートと呼ばれています。

    たとえば【ex.1】(↓)のような感じになります。これはこれで全然良い感じですが、少し単調と言えば単調かもしれません。ちなみに、このように押弦して弾く音(この場合はCの音)の次にゴースト・ノートを弾く場合、押弦していた指を浮かせて弦にただ触れてる状態にしてピッキングするわけですが、この時の注意点としては、可能な限り2本以上の指で弦を触ってミュートするのが大事です。1本の指だけでミュートすると、ゴースト・ノートではなくハーモニクスが鳴ってしまう場合があります。

    さて、このゴースト・ノート、実は右手でピッキングしなくても鳴らせます。左手で弦を触ってミュートした状態で右手の指で弦を軽くタッチすることで、より小さい音量のゴースト・ノートが出ます。これは、ベース単体で弾いていたら聴こえるけれど、アンサンブルのなかだと聴こえるか聴こえないか程度の微妙なニュアンスのゴースト・ノートです。もちろん、弦に叩きつけるようにタッチすれば大きい音も出せますが、今回はこの軽くタッチして出すゴースト・ノートがテーマです。

    先ほどの【ex.1】は1種類のゴースト・ノートだけを使っていましたが、たとえば同じフレーズを【ex.2】のようにタッチで出すゴースト・ノートを織り交ぜて弾いてみましょう。Cをピッキングした指でも違う指でもどちらでも良いので弦をタッチしてゴースト・ノートを弾いたあと、同じ指でそのまま弦をピッキングして普通のゴースト・ノートを出します。【ex.1】のようにすべてのゴースト・ノートをピッキングすると、場合によっては弾き過ぎているように聴こえかねませんが、そういう場合は【ex.2】の弾き方をすると印象がだいぶ変わります。こう弾くことで、フレーズに抑揚がつきますよね。

    次に、これを応用した【ex.3】を弾いてみましょう。1小節目は、4拍目が16分音符のフィルインになっている以外は【ex.2】と同じです。2小節目も、3拍目の最初のタッチまでは【ex.2】と同じですが、16分音符2個目に普通のゴースト・ノートを入れるところがまず違います。もうひとつの違いとして、4拍目はGの音を4分音符で鳴らしている間に、ウラの8分音符のタイミングで別の弦に軽くタッチしています。これは、小さいゴースト・ノートを出したいためにやっているわけではなく、8分音符のパルスが自分の中で途切れないようにするためにやっている感じですね。なので、ある意味やってもやらなくても良いんですが、こうした方がリズム・キープしやすいという人は自分のプレイに取り入れてみるといいと思います。

    こんな感じで、抑揚のある表現ができたりリズム・キープがしやすくなったりするので、ゴースト・ノートをうまく使い分けていきましょう。石村順でした!

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    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

    ◎Information
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