NOTES
“約3分”でベース上達にまつわるさまざまなトピックを解説するYouTube動画連動の連載『石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜』。今回は、ビギナーや中級ベーシストによく見られる左手の“ある癖”を克服するエクササイズを紹介します。
このような症状があるなら……
✅ リズムが崩れる
✅ 右手と左手がズレる
✅ 余弦が鳴る
✅ 左手がすぐ疲れる
こういう症状に悩んでる方、もしかすると“左手のある癖”が原因かもしれません。ビギナーや中級ベーシストにわりとよく見られる左手の問題点です。
その癖とは、“押弦する左手がバタバタすること”です。この癖の問題点は、“指が弦から離れ過ぎていて、押弦するための移動距離が無駄に長い”という点です。当然デメリットがいくつもあります。
① リズムが崩れがち
→ 指の移動距離が長いと移動時間が余計にかかるので、遅れたりズレたりしがちです。
② 右手と左手のタイミングがズレがち
→ 動作が大きいと精密にコントロールしにくいので、左右の手のタイミングがズレがちです。
③ 余弦が鳴りやすい
→ 使っていない指が弦から離れているので、余弦のミュートができず開放弦が鳴ってしまいがちです。
④ 疲れやすい
→ 移動距離が長いと運動量が増えるので、疲れやすくなります。
これを克服するために、指を無駄にバタバタさせないためのエクササイズに取り組みましょう【ex.1】。

“指をバタバタさせない”ためには、次のふたつのポイントが大事です。
ポイント[A] 使っていない指を、なるべく弦に近い位置に待機させる
ポイント[B] なるべくシンプルで小さい動きで押弦する
これらを身につけるため、次のルールを守って【ex.1】に取り組んでください。
ルール
音が上昇するとき、①+②+③+④と指を追加していく(弾き終わるたびに指を弦から離さない)
実際にどうやるのか、ステップごとに見ていきましょう。
1音目 開放弦なのでどの指も使いませんが、すべての指をなるべく弦の近くで待機させます(ポイント [A])。
2音目 ①の指で押弦します。残りの指は弦から離れすぎないように(ポイント[A])。
3音目 ①の指は弦の上に残したまま②の指で押弦します。①の指を弦から離しつつ②の指で押弦すると、2種類の動作を同時にすることになります。そうではなく、“ただ②の指で押弦する”というシンプルな動作にします(ポイント[B])。①の指は弦の上に残しておきますが押さえっぱなしじゃなくてもOKです。大事なのは、指を弦に触れておく(弦から離さない)ということです。
4音目 同様に、①と②の指は残したまま、③の指で押弦します。①と②の指は、弦に触れてさえいれば、フレットの位置からずれても構いません。
5音目 ①と②と③の指は残したまま、④の指で押弦します。④の指は力が弱いので、④の指で押弦するときは他の指でも軽く押弦しておくと4の指の負担が減ります。
6音目 ④の指を離します。もし5音目を④の指だけで押弦していると、“④の指を離しつつ③の指で押弦する”という少し複雑な動作になりますが、5音目は全部の指が弦に触れている状態なので、④の指を上げるだけで③の指の音を演奏できます(ポイント{B})。
7音目 ③の指を離します。
8音目 ②の指を離します。
リピート後の1音目 ①の指を離します。
このルールをしっかり守って練習することで、
ポイント[A] 使っていない指を、なるべく弦に近い位置に待機させる
ポイント[B] なるべくシンプルで小さい動きで押弦する
のふたつがだんだん身についていきます。ただ、これは“実際に曲を弾くときにも絶対に守らなければいけないルール”ではありません。あくまでもこのエクササイズのルールであり、その目的は“指を無駄にバタバタさせない”ことなので、実際に曲を弾くときは少しくらい弦から指が離れても問題ありません👍
ぜひ日々の基礎練に取り入れて、無駄のない押弦テクニックを身につけていきましょう。石村順でした!
石村順でした!
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石村順
◎Profile
いしむら・じゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。
◎Information
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