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究極のフィルインとは? ベーシスト必須の“あの一撃”を解説【石村順の低音よろず相談所】第168回

  • Text:Jun Ishimura

“約3分”でベース上達にまつわるさまざまなトピックを解説するYouTube動画連動の連載『石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜』。今回は全ベーシスト必須、基本にして究極のフィルインを解説します!

結局は“ドゥーン!”が一番ハマる!?

ベーシストの代表的なフィルインといえば、ドゥーン!です。

このグリスを使ったフィル、気持ちいいですよね。もちろん、ベーシストの専売特許というわけではなくて、ギターでもキーボードでもグリスを使ったフィルはあるんですが、やはりベースが使うことが一番多い気がします。

ベーシスト本人が気持ちいいというだけではなくて、バンド・メンバーやディレクターから「そこでドゥーン入れて」とリクエストされることも結構あるので、「ドゥーン好きは多い」ということかと思います。

“次のセクションに向かう勢い”とか“迫力”とか“気合い”がシンプルにわかりやすく表現されるからですかね。ライヴだと、ワイルドな弾き方なので見た目的にもポイント高いと思います。

いろいろ弾けるようになってくると、「この曲のここにやべえフィル・インをぶっ込むぜ!」と、邪念に突き動かされて凝ったフィル・インを作りたくなることも。でも、いろいろこねくり回してみたものの、結局は“ドゥーン!”が一番ハマる、と気付かされることもよくあります。

その意味では、“ベースのフィル・インはドゥーン!に始まりドゥーン!に終わる”と言ってもいいかもしれません。基本にして究極のフィルインというわけです。

練習してみよう

そんな“ベーシストには不可欠”なグリスのフィルですが、意外と苦手な人が多い印象です。身につけてしまえば、クールな音づかいや複雑な運指を必要とせずにかっこいいフィルインを入れられるので、身につけないともったいないなあと思いますね。

ということで、今回は、ベーシストなら絶対に身につけておきたい基本にして究極のフィル“ドゥーン!”をマスターしましょう!

一口にグリスのフィル・インと言ってもいろんなバリエーションがあるんですが、今回は【ex.1】のように3拍目ウラからグリス・アップして、4拍目でグリス・ダウン、そして次の1拍目に着地するパターンを取り上げます。

やりやすいテンポでメトロノームを鳴らして、リピート・マーク内を繰り返し練習しましょう。ここでは4弦5フレットのAの音に着地していますが、いろんな音でやってみるといいです。

ex.1 譜面

はじめに、よく見かけるNGな弾き方を見てみましょう(譜面1)。ポイントが3つあります。

譜面1 よくあるNG例

① 弾き始め・折り返し地点ではっきりした音程が鳴っている

例外的に、折り返し地点でコードに合った音を鳴らす場合もありますが、一般的ではないです。

グリス・アップもグリス・ダウンもずっと同じ速度

グリスの速度がずっと同じままだと、勢いがなくのっぺりした感じになります。

グリスのスピードが速すぎる

おもにグリス・ダウンのときに多いですが、グリスのスピードが早すぎて、次の1拍目のタイミングになる前にネックの一番下まで下がり切ってしまい、音が途切れてしまう症状です。

これらを踏まえて、次のように演奏しましょう(譜面2)。ポイントがふたつあります。

譜面2 模範例

特に、折り返し地点あたりでの急加速・折り返し・減速は、例えばボールを床でバウンスさせるときの手首のスナップの動作をイメージするとわかりやすいです。

全体的にはゆっくり動きますが、ボールが手から離れるあたりで急加速・折り返し・減速しますよね。

これらのポイント、そしてボールをバウンスさせる手首の動作をイメージして練習してみてください!

石村順でした!

▼ 今回の動画はこちら ▼

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石村順
◎Profile
いしむら・じゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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