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    【Event Report】Fender Flagship Tokyo Special Event with 新井和輝

    • Report:Kimiya Mizuo
    • Photo:Fender Flagship Tokyo

    King Gnuの新井和輝が語る、奏でる、答える
    大充実のトーク・イベント

     Fender Flagship Tokyoにて8月22日(火)、King Gnuやmillennium paradeのベーシストである新井和輝を招いた“Fender Flagship Tokyo Special Event with 新井和輝”が行なわれた。

     本イベントは、イベントと同日に発売された新井のシグネイチャー・モデル“Deluxe Jazz Bass V, Kazuki Arai Edition”の発売を記念して行なわれたスペシャル・イベント。新井は“平日の、しかも午前中にもかかわらず来てくれてありがとうございます”とファンをねぎらい、同モデルの開発経緯やこだわりなどを存分に語った。

    新井和輝(King Gnu、millennium parade)

     イベントはFender Flagship Tokyo地下1階のアコースティック・フロアにて、まずはMCのジョー横溝より、本イベントの概要のほか、フェンダー初の旗艦店である本会場の紹介が述べられたあと、盛大な拍手とともに新井和輝が登場。冒頭のトークでは、5月から開催されたスタジアム・ツアーの振り返りや、TVアニメ『呪術廻戦』第2期の主題歌でもある9月6日発売のニュー・シングル「SPECIALZ」について話してくれた。“「SPECIALZ」は良い意味でアングラでポップ。King Gnuらしいサイケな感じもあるから、初期のKing Gnuを好きな人もハマるんじゃないかな”と紹介。

     今回発表されたシグネイチャー・モデルは、2021年に期間限定で生産された前モデルからこだわっていたオリジナルのネック・シェイプや、ディンキー・シェイプ・ボディといった仕様は踏襲しつつ、“少しでもベーシストたちにとって手に取りやすいものにしたかった”という新井たっての希望で限界まで価格を抑えたものであり、今後はレギュラー・モデルとして新たにラインナップされる。音色を担うエレクトリック部分には“ウルトラ(American Ultra)に載ってるピックアップをアメデラ(American Deluxe)に積みたかった”という新井の思惑を背景に、もともと自身が愛用していた“Fender American Deluxe Jazz Bass V”を主軸として、American Ultraシリーズに採用されている第五世代のウルトラ・ノイズレス・ヴィンテージ・ジャズ・ベース・ピックアップと、アクティヴ/パッシヴの切り替えも可能な最新の3バンドEQプリアンプを搭載する本器。ボディから中身に至るまで、一切の妥協なくこだわりぬいて開発された新シグネイチャー・ベースについて、新井は“理想のボディに究極のエンジンを積むことができた”と満足そうに語った。

     本モデルについて新井が最も強く語っていたのは“俺がそのままステージで使えること”。さらに“本人も使っているということが一番信用できると思うんです”と続ける。そして実演では、指弾きでのコードを交えたアルペジオ奏法や、ファンを思わず釘付けにするような迫力のあるスラップ奏法で音色を披露した。

     イベントではファンからの質問にも気さくに応答していた。スラップ奏法の練習法について聞かれると、“まずは親指でサムピングしたときのアタック音を確実に出すことが大事。それからプルも織り交ぜて交互に弾くのがいい”と話し、練習フレーズを実際に弾いて見せた。

     続いて“アドリブで演奏する際には音楽理論が大事か?”という質問が投げかけられると、“俺は理論を勉強してきちゃったタイプなんだけど、常田(大希/vo,g)は本当に感覚で言ってくるタイプだから、理論どうのこうのはあまり関係なかったりもする。”と話し、実際に弾いて見せたあと“今のはEmというキーだけを意識して、基本的にはペンタトニック・スケールで弾いてみました”と、King Gnuの「Tokyo Rendez-Vous」のフレーズを即興でアレンジしてみせた。

     特徴的なフレーズの生み出し方についての質問には、“その楽曲が持つノリに対して、そのノリにまっすぐ乗るのが正解か、あえて違うノリをぶつけて楽曲をうねらせていくのか。そこはセンスだったりバンド内での話し合いにもよるけど、大前提としては音楽を楽しんでほしい。その兼ね合いで見えてくるものがあるんじゃないかな”と熱心にアドバイスした。

     イベント終了時刻になると、集まったファンに向けて“ベース自体はすごく楽しいもので、やればやるほど難しいけど楽しくて、スルメみたいな楽器。俺はずっと楽しいし、嫌になった瞬間は一度もない。とにかく楽しんでほしいです。”とエールを送り、約1時間に及んだスペシャル・イベントは惜しまれつつも幕を閉じた。

     “Deluxe Jazz Bass® V, Kazuki Arai Edition”はイベントと同日の2023年8月22日(火)に発売となった。“モデル名の“Kazuki Arai Edition”は一切気にせずに、モノで見て感じて購入するか判断してほしい”と語る新井のこだわり抜いた名機をぜひ手にとってみてほしい。カラーはブラックとヴィンテージ・ブロンドの2色。このうちヴィンテージ・ブロンドはFender Flagship Tokyoとフェンダー公式オンラインショップの限定発売となっている。

    • Fender/Deluxe Jazz Bass V Kazuki Arai Edition

    Specifications
    ●ボディ:アッシュ●ネック:メイプル●指板:ローズウッド●スケール:34インチ●フレット数:22●ピックアップ:ウルトラ・ノイズレス・ヴィンテージ・ジャズ・ベース●コントロール:マスター・ヴォリューム、バランサー、トレブル、ミッド、ベース、パッシヴ・トーン、アクティヴ/パッシヴ切り替えスイッチ●ブリッジ:5サドル・ハイマス・ヴィンテージ●ペグ:ゴトーGB707E-L-C●カラー:ブラック、ヴィンテージ・ブロンド

    価格:231,000円(税込)

    【問い合わせ】
    フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 メーカー・サイト