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REVIEW -『ブラック・レディオ 3』ロバート・グラスパー
『ブラック・レディオ 3』ロバート・グラスパー
『Black Radio』シリーズを踏まえたベースと踏まえないベース
シリーズ3作目。コロナ禍対応でリモートを駆使した制作だったのもあり、ドラマーを2名、ベーシストは4名起用し、一気にバラエティ豊かに。ここでのベースはデリック・ホッジとバーニス・トラヴィスのふたりがメイン。バーニスはデリックが作った『Black Radio』のサウンドを踏まえているので、ふたりの演奏が過去2作との連続性と統一感を生んでいる。一方で、ピノ・パラディーノの⑨とサディーアス・トリベットの⑫では、彼らは独自の音色とスタイルでベースを演奏している。この2曲は唯一打ち込みのビートが入った⑧と並んで異物感があり、アクセントになっている。その構成も含めてシリーズのなかでかなり攻めた作品だと思う。(柳樂光隆)
◎作品情報
『ブラック・レディオ 3』
ロバート・グラスパー
ユニバーサル/UCCO-1234
発売中 ¥2,860 全15曲
◎参加ミュージシャン
【デリック・ホッジ/バーニス・トラヴィス/サディーアス・トリベット/ピノ・パラディーノ(b)】ロバート・グラスパー(k,p,d)、クリス・デイヴ/ジャスティン・タイソン(d)、アイザイア・シャーキー(g)、キラー・マイク/D・スモーク/Qティップ/エスペランサ/イエバ/H.E.R. /レイラ・ハサウェイ/コモン/ミュージック・ソウルチャイルド/グレゴリー・ポーター/ジェニファー・ハドソン(vo)、ミシェル・ンデゲオチェロ(spoken word)、マーカス・ストリックランド(bass clarinet)、テラス・マーティン(sax,syn)、他