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『バギー・ポッパー』サンバ感を一手に担う責任感!【クリープハイプ長谷川カオナシのレトロゲーム喫音堂】- 第16回
- バナードット絵:石田芙月(株式会社.AC)
- 挿絵:長谷川カオナシ
2022年にメジャー・デビュー10周年を迎えたクリープハイプ。今回は、一風変わった個性派アクション・ゲームのベース・ラインを検証していきましょう。
“ヘンなゲーム”が多いと評判の、DECOゲームが遂に登場!
お世話になっております。
暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
こう暑いと海にでもドライブしに行きたいものですね!
ドライブねえ。そういえば私、車なんて持ってませんでした。
以前はあったんですけどね。
昨夏、引越しをしたのですよ。駐車場付のマンションに。
新しい不動産会社から“転居の前に駐車場に停めてみてくださいね”と言われまして、
そのように致しました。
近所は狭路。その割に交通量も少なくありません。
慎重に切り返し切り返し、さあ真っすぐバック駐車だというところで
後方から破裂音が!
振り返ると、何やら車の風通しが良くなっていました。
車止めまでまだ10数センチ距離はあったものの、
それよりも若干長かった車のオシリがマンションの非常階段に接触。
付きだした階段は非情にもリアウィンドウを突き破ったのです。
これじゃあとてもじゃないけど駐車は無理だということで、
車は修理のうえに売却。以降久しく運転なんてしておりません。
さて、つらつらと私事を述べてしまいましたが、
今回は車のゲームをプレイしてみましょう!
『バギー・ポッパー』(1986年/データイースト)(※1)
遂に喫音堂でもDECOゲームをレビューする日が来ましたね。
“ヘンなゲーム”が多いと評判の、データイースト社製アクション・ゲームです。
ブラック軍団に誘拐されたガールフレンドを救うため、
主人公は過酷なドライブに挑みます。
見下ろし視点でのジャンプ描写が特徴的な……まあやはり一風変わったゲームですね。
今回はファミコンのゲームですので、
今一度“トラック数の少ない中でのベースの重要性”に注目しましょう。
SCENE1のBGMはサンバ調。
しかし構成するのは①メロディ、②ハモり、③ベース、④ノイズ(リズム)の
4トラックのみ。
①、②にはそこまで顕著なサンバ感はありません。
④のノイズ・トラックは、16分音符でハイハット然とした刻みがあり、
4拍目のウラにスネアらしき音が入ります。
このドラム・アプローチをサンバたらしめるのが、やはりベース・ライン。
今回は1週目と2週目で違うリズムを弾いてみることによって、
ベースのリズムがいかに楽曲に影響を与えるかを検証してみましたので
ぜひご確認ください!
ハイハットの刻みは細かいけれど、スネアは1小節に1度だけ入ります。
これにより、大きな呼吸のループであることがわかります。
ベース・ラインも16分音符が頻出し、細かい呼吸になりがちですが、
スネアを意識して大きな呼吸で演奏しましょう。
さて今回はかなりアップ・テンポな楽曲を喫音しました。
ベーシストたるもの、いかなるテンポでも安全運転で参りましょうね!
それではまた来月までご機嫌よう。
(※1)
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別名「バーニン’ラバー」。サウンドは中本博通先生。『闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光』や『B-WINGS』など、
データイースト社のファミコン用の様々なソフトでサウンドを手掛けられました。
◎Profile
はせがわ・かおなし●1987年9月23日生まれ。小学生でピアノとヴァイオリンを手にし、高校1年でベースを始める。クリープハイプは2001年に尾崎世界観(vo,g)を中心に結成。2009年に長谷川、小川幸慈(g)、小泉拓(d)を擁した現編成となる。2012年にメジャー・デビューし、2014年には日本武道館にてライヴを行なう。2023年3月29日に新作EP『だからそれは真実』をリリースした。長谷川はティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズのグッズ収集家でもある。
◎Information
長谷川カオナシ
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クリープハイプ
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