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SUSHI BOX FX/Grand Slampegg〜往年の真空管サウンドを演出するアナログ・プリアンプ【新製品レビュー】

  • Photo:Masao Sekigawa
  • Text:ZEPELI

ベース・マガジン2025年8月号の「NEW PRODUCTS REVIEW」に掲載された、編集部注目の新製品をご紹介! 

往年の真空管サウンドを演出する直感性に優れたアナログ・プリアンプ

SUSHI BOX FX/Grand Slampegg

POINT

ブランド名からも興味をそそられる日本新上陸のアメリカ発のハンドメイド・ブランド。アンペグの名機B-15Nをもとにデザインされ、真空管にはB-15Nと同じく6SL7を搭載する本格アナログ・チューブ・プリアンプだ。使用感に優れたシンプルなコントロールに加え、入出力はアンバランスとDIに対応している。

SUSHI BOX FX/Grand Slampegg
真空管はアンペグのB-15Nにも搭載されている6SL7を装備。電源を入れるとパープルに光り輝き、温かみのある往年のサウンドを演出する。
SUSHI BOX FX/Grand Slampegg
低域がカット(90Hz以下を-6dB/octで減衰)されるスイッチ式のハイパス・フィルターを装備。音作りの幅が広がる嬉しい機能だ。
SUSHI BOX FX/Grand Slampegg
筐体左側面にはXLRアウトと専用ヴォリューム、グラウンド/リフト・スイッチを装備。DIトランスにはカスタム・メイドされたUnagi Magnetics E4305を採用。フルレンジで幅広い周波数特性を備えている。

REVIEW

アメリカ・イリノイ州発祥の新鋭ペダル・ブランド。高品質な真空管を採用した温かみのあるアナログ・サウンドの製品群が魅力で、プリアンプやDIボックスに定評がある。コミカルなルックスも個性的だ。本機はアンペグのB-15Nをベースとした真空管プリアンプ/DIで、B-15Nと同様の真空管6SL7を採用することで、パンチ感と温かみのあるサウンドを再現している。

オン/オフ・スイッチは搭載されておらず、1/4アウトの音量はVOLUME、XLRアウトの音量は側面のXLR LEVELで調整。PRE/DRYスイッチにより1/4アウトとXLRアウトの音色を使用する環境によって変えることも可能だ。またXLRアウトのみに作用するスイッチ式のハイパス・フィルターも搭載している。電源はDC9~12V 600mAで、広いヘッドルームを確保している点も魅力である。

メインのプリアンプとしてボードの最前段に配置したり、最後尾にて作り込んだ音に真空管の質感を加えるなど、さまざまな使用パターンが考えられるが、例えばパッシヴ・ベースの場合、最前段につなぎバッファー・プリアンプとして活用するのも良さそうだ。PRE/DRYスイッチでバイパスとの音量を揃えて音作りをするというよりは、真空管のキャラクターを含めた音量・音の土台を作ったうえで後段へ送ることも有効的だと考える。EQの効きは緩やかだが幅広く、空間を綺麗に埋めてくれるような質感はやはりアンペグの特性を忠実に再現している。ヴィンテージ風のいなたさと現代風の煌びやかさが融合した印象で、ベース本体のキャラクターをあまり変えずピッキングでニュアンスをコントロールしたいプレイヤーに最適なペダルだと言える。

SUSHI BOX FX/GRAND SLAMPEGG

【スペック】
●コントロール:ヴォリューム、トレブル、ベース、XLRレベル、グラウンド/リフト・スイッチ、プリ/ドライ切り替えスイッチ、ハイパス・フィルター・オン/オフ・スイッチ、ドライ/ウェット切り替えスイッチ
●出入力端子:インプット、アウトプット、XLRアウト
●電源:9V〜12Vアダプター
●外形寸法:94(W)×120(D)×38(H)mm
●重量:458g

【価格】
オープンプライス(市場実勢価格:69,500円前後)

【問い合わせ】
ミックスウェーブ Mail:pa_info@mixwave.co.jp https://www.mixwave.co.jp/


※本記事はベース・マガジン2025年8月号の「New Products Review」から転載したものです。
※価格は本誌掲載時のものです。

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