GEAR
UP
トニー・レヴィンがBEATの武道館公演で使用したエフェクター・ボードとアンペグ製Venture V12
- Text : Shutaro Tsujimoto (Bass Magazine Web)
- Translation : Mariko Kawahara
- Photo : Chika Suzuki
2025年9月1日(月)、キング・クリムゾンの80年代レパートリーを演奏するプロジェクト、BEATが日本武道館で来日公演を行なった。元クリムゾンのエイドリアン・ブリュー(g, vo)とトニー・レヴィン(b, vo)に、スティーヴ・ヴァイ(g)、トゥールのダニー・ケアリー(d)が加わった豪華布陣によるステージで、トニーはチャップマン・スティックからシンセ・ベースまで自在に操り、多彩な低音を響かせた。ここでは、そのサウンドを支えた彼の機材を紹介していく。
本記事では、エフェクター・ボードとアンペグ製アンプを紹介する。

(9月1日(月)日本武道館)
Photo : SHOTARO
80年代クリムゾンの低音を現代仕様で鳴らす、
トニー・レヴィンの最新ライヴ機材 <アンプ・エフェクター篇>
◎ベース篇はこちら◎
Tony’s Sound System
Amplifier


アンプ・セットにはアンペグ製を採用。アンプ・ヘッドは、コンテンポラリーなサウンドとClass-D回路による軽量設計が人気を集める、2023年登場の新モデル、Venture V12。キャビネットにはBEATのエレファント・ロゴがあしらわれていた。チャップマン・スティック、2本のエレキ・ベース、シンセサイザーの信号はいずれもNeural DSP製Quad Cortexを経由し、Venture V12とPA卓へ送られていた。
Pedal Board


足下には、1年ほど前から導入しているというNeural DSP製Quad Cortexをセット。1曲ごとにディレイ、オーバードライブ、コンプレッサーなどの各パラメーターを調整し、トニー自ら全曲分のプリセットを組んでいる。接続されたふたつのエクスプレッション・ペダルは、おもにヴォリュームとディレイの操作で使用される。DIには、発売当初からのお気に入りだというラジアル製JDIを採用。レコーディングでも使用しているそうだ。
Synthesizer

80年代から使用している初期のNord Lead。本公演では「Industry」「Dig Me」「Thela Hun Ginjeet」などでシンセ・ベースとして活躍した。右手側のカップには「Sleepless」での印象的なベース・リフを生む“ファンク・フィンガーズ”奏法のために、人差指と中指に装着する専用スティックが収められているのが確認できる。
【Setlist】
BEAT
2025年9月1日(月)日本武道館
01. Neurotica
02. Neal and Jack And Me
03. Heartbeat
04. Sartori In Tangier
05. Model Man
06. Dig Me
07. Man With An Open Heart
08. Industry
09. Larks’ Tongues In Aspic(Part Ⅲ)
10. Waiting Man
11. The Sheltering Sky
12. Sleepless
13. Frame By Frame
14. Matte Kudasai
15. Elephant Talk
16. Three Of A Perfect Pair
17. Indiscipline
-Encore-
18. Thela Hun Ginjeet