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【BMG連載】まきやまはる菜の使用機材:6本の愛用ベースとエフェクター・ボード
- Interview:Hikaru Hanaki
- Photo:Chika Suzuki
- Logo Design:Tako Yamamoto
セッション・シーンで活躍するベーシストの舞台裏に迫る、BMG(Behind the Masterful Groove)連載。記念すべき第1回には、ジャズやソウル、R&Bをルーツとしたグルーヴィなプレイで20代の新星ながら一気にシーンに躍り出た、まきやまはる菜が登場。
ここではマハラージャン、木村カエラ、ビッケブランカ、柴田聡子などの作品やライブで活躍する彼女の使用機材を紹介する。
連動動画では本人がサウンドとともに解説。気鋭セッション・ベーシストの機材事情は必見だ!
まきやまはる菜が自身のキャリアを語るインタビューはこちらから。
まきやまはる菜
の使用ベース
Fender
1983 Jazz Bass JV Serial
▲友人が地方のハードオフで格安で入手したものを譲り受けたというフェンダー・ジャパンのジャズ・ベース。1983年〜84年製のいわゆる“JVシリアル”で、フロントとリアのそれぞれにトーンがついている2連スタック・ノブが特徴。“音のスタイルが細かく調整できるのでどの現場でも使いやすいです。最近だと木村カエラさんのツアーで使用しました”。
Fender
1963 Precision Bass
▲上京したときに“腹を括るため”に御茶ノ水で楽器屋を巡って入手した1963年製プレシジョン・ベース。パーツ類はすべてオリジナルだが、ボディとネックが削られてリフィニッシュされたことで軽量になっており、むしろそれがフィットしたとのこと。
Fender
1974 Music Master
▲見た目に一目惚れして買ったという1974年製のフェンダー・ミュージックマスター。ムスタングよりも短いショート・スケールを使用したスチューデント・モデル。パーツはフルオリジナルで、初期型だけに見られるダーツ型のペグがお気に入り。プレベに近い丸みのあるサウンドが特徴的で、アコースティックのライヴ・セットなどで使用。
Fender
American Ultra Jazz Bass V
▲4、5年前に入手したというAmerican Ultra Jazz Bass V。アッシュ・ボディ、メイプル指板という木材構成で、基本的にアクティヴで使用している。まきやまいわくミドルの出方が特徴的で、本体のEQはセンター位置でもパキッとした音だが、ミドルを上げてもっとパキッとさせることも。パジャ海の初期作やライヴ、マハラージャンのEPなどで使用された。
Warwick
Rock Bass Corvette Basic 5st
▲中学時代に入手したワーウィックの5弦ベース。使用歴が長いだけあって、個々のピックアップ・ヴォリュームを調整できるよう配線をアレンジしたり、パッシヴとの切替スイッチ、バルトリーニのプリアンプの追加、フィンガーランプの設置、ノイズ対策など、さまざまな改造が施されている。
Art Tech
Custom 5st Bass
▲知り合いの紹介でアートテックの工房にて中古で入手したという5弦ベース。パーフェロー指板、アルダー・ボディのメイプル・トップにバルトリーニのパッシヴ・ピックアップを搭載。細部まで造りが繊細で、その仕上がりはまきやまいわく“芸術品に近い”。アートテックでは新たにフルオーダーでベースを1本オーダー中とのこと。
▲動画でサウンドもチェックしよう▲
まきやまはる菜の
エフェクター・ボード
①TC Electronic / PolyTune 2
(チューナー)
②pandaMidi Solutions / Future Impact I.
(ベース・シンセ)
③Vital Audio / Power Carrier VA-08 Mk-II
(パワー・サプライ)
④Inner Bamboo Electron / U-II Ultimate Comp II
(コンプレッサー)
⑤Tech 21 / Sansamp Bass Driver DI
(プリアンプ)
⑥Boss / OC-2
(オクターバー)
⑦Xotic / X-Blender
(ブレンダー)
⑧Source Audio / Soundblox Bass Envelope Filter SA126(エンヴェロープ・フィルター)
⑨MXR / M80 Bass D.I. +
(プリアンプ)
⑩Zoom / MS-60B MultiStomp Bass Pedal
(マルチ・エフェクター)
▲まきやまのライヴ用エフェクト・ボード。信号の入出力は①のチューナー下に設置されたジャンクション・ボックスが統括し、ボード内の配線は直列となっている。音作りの基本となっている2台のプリアンプ(⑤⑨)とコンプレッサー(④)は常時オン。ハイゲインな音色を作る際は⑨のディストーション・チャンネルも活躍する。そのほか、⑧は“激推しのフィルターで、どこの現場でも活躍しています”、⑩は“ICE Delayを中心に、空間系の音色のために使っています”、⑥は“原音をゼロにしてシンベ的な音を作ることもあります”とのこと。またブレンダー(⑦)はFuture Impact(②)に接続され、原音のロー感をブレンドするなど、音色の補正に使われる。②の音色は、マハラージャン「雑菌フィーバー」の録音などで活躍したようだ。
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※本記事は『ベース・マガジン2024年5月号』のコンテンツをWEB用に再構成したものです。