GEAR
UP
BOSS GX-100 feat. 長谷川カオナシ(クリープハイプ)
- Text:Makoto Kawabe
- Photo:Takashi Hoshino
2022年3月に発売されたボスの最新マルチ・エフェクター、GX−100。高品位なエフェクトを多数搭載し、タッチ操作に対応したカラー・ディスプレイと4つのノブの組み合わせで抜群の操作性を実現するモダンでスマートな本機の実力を、クリープハイプの長谷川カオナシとともに検証していく。これまでマルチ・エフェクターを使ってこなかったという長谷川の目に、本機はどう映るのか!? まずはその機能と特徴について解説しよう。
高品位なサウンドと抜群の操作性を実現する
ボスの最新型マルチ・エフェクター
BOSS – GX-100
What’s GX-100?
GX-100は、サンプリング・レート48kHz、AD/DA変換24bit(内部演算32bit float)による高品位なサウンドを誇り、フラッグシップ・モデルGT-1000から譲り受けた最新技術AIRD(Augmented Impulse Response Dynamics)による23種のアンプ・セクションをはじめ、150種以上の多彩なエフェクトを搭載するミドル・クラスのマルチ・エフェクターだ。
本体にはエクスプレッション・ペダルと合計8つのフットスイッチが並び、エフェクト設定などの基本的な編集作業は、ドラッグ&ドロップなどのタッチ操作が可能なカラー・ディスプレイと、画面に対応する4つのノブを中心に行なう。フットスイッチによる音色の切り替え方法(コントロール・モード)は、エフェクトの組み合わせ(エフェクト・チェイン)と設定を本体に保存したメモリーを選択する“メモリー・モード”と、読み込んだエフェクト4種を個別にオン/オフできる“マニュアル・モード”を選択できる。メモリー・モードは25バンク(P01~P25)に4つずつ、合計100種類のプリセット・メモリーが用意されており、そのうちベース用のプリセットはP23-1~P24-4の合計8種類だ。もちろんユーザーが作成したメモリーも本体に保存可能で、その領域は200種(U01~U50)も用意されている。なお各種エフェクトやアンプ、ルーパー、DIVIDER/MIXER(信号経路を分割、ミックスする機能)、SEND/RETURNなどの機能は画面上で6角形のアイコンで表現され、これらが並んだ“パレット”から最大15個までをエフェクト・チェインに自由に配置したり並べ替えたりすることができる。
アンプの回路特性や動作、音に影響するすべてのパーツとその相互作用を徹底的に研究し、ひとつの楽器としてのギター/ベース・アンプを極限まで追求した最新技術“AIRD”による23種のアンプ・セクションを搭載するのも本機の特徴で、これらはEQはもちろん、スピーカーやマイクの種類、マイクの距離やセッティング位置まで細かな設定が可能だ。またスピーカーはユーザーが用意したIRデータを読み込み活用することも可能だ。ベース用のアンプ・タイプはNATURAL BASS/X-DRIVE BASS/CONCERTの3種類で、定番から最新技術を生かしたハイ・ゲイン・サウンドまで幅広くカバーしている。エフェクトは全部で150種以上を搭載しており、どれもベースでも活用できるが、ベース用として用意されているのは21種。このうち、X BASS OVERDRIVEやX-BASS COMPRESSORなど、エフェクト名に“X”を含んだものはローランドの独自技術MDP(Multi-Dimensional Processing)により、これまでにない表現力を実現する新次元のエフェクトとなっている。
入力はINPUT SETTINGにて楽器ごとの出力レベルの違いを記憶し各メモリーごとに切り替えられるほか、出力はOUTPUT SELECTにより接続先の機器に最適な設定を選択できる。そのほか入出力端子も充実しており、SEND/RETURNを活用した4ケーブル・メソッドにも対応し、外部エフェクトやアンプをルーティングに取り込むことも可能だ。またUSBオーディオ・インターフェイス機能も装備しており、さらに専用ソフトウェアを使えばエフェクトの並び替えや各種エディットもPC上で操作することができる。オプションのBluetoothアダプタ(BT-DUAL)を接続すればスマートフォンの専用アプリBOSS TONE STUDIO(BTS FOR GX-100)を使った遠隔操作も可能だ。
CHECK POINT 1 視認性の良いカラー・ディスプレイ
ボスのマルチ・エフェクターとしては初搭載となるタッチ・パネルの大型カラー・ディスプレイにより、操作性、視認性が飛躍的に向上。4つのノブとの組み合わせでマニュアルを読まずとも各種設定が簡単にでき、表示も工夫されていて演奏時にも設定状況が確認しやすい。
CHECK POINT 2 選択しやすいパレット
エフェクトをエディットする際はまずパレットからエフェクトを選び、エフェクト・チェインの希望する場所にドラッグ&ドロップするだけ。ベース用のエフェクトはパレット後方に並んでいる。
CHECK POINT 3 機能豊富なチューナー・モード
細かな設定ができるチューナー・モード。通常のモノフォニック(単音)・モード以外に、全弦同時チューニングが可能なポリフォニック・モードでは5弦ベース、全弦ダウン・チューニングなどにも対応する。カラー表示で視認性が高く、反応の速さも申し分ない。
CHECK POINT 4 多彩に活用できるエクスプレッション・ペダル
エクスプレッション・ペダルはヴォリュームを絞り切った際にチューナーがオンになるといった便利な使用方法にも対応。外部拡張端子を使いエクスプレッション・ペダルを増設することで、ヴォリューム・ペダルとペダル・エフェクトを使い分けることなども可能。
CHECK POINT 5 オプションのBluetoothアダプタ(BT-DUAL)
オプションのBluetoothアダプタ(BT-DUAL)を装着することで、スマートフォンやタブレットからワイアレスでの操作を可能にする専用アプリBOSS TONE STUDIO(iOS/Android)の使用や、Bluetoothでのオーディオ再生も行なうことができる。
▼ 次ページは長谷川カオナシが試奏チェック! ▼