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    井嶋啓介が斬る! マークベース最新モデル

    • Photo:Takashi Hoshino
    • Equipments Explanation:Makoto Kawabe

    小型軽量なベース・アンプでアンプ界に新たな潮流をもたらしたMarkbass(マークベース)が、2021年に20周年を迎えた。現在ではアンプはもちろん、ベース本体、ペダル型プリアンプ、弦と多種多様な製品ラインナップを展開する同社の各モデルの実力を、本記事をもって情報解禁となる注目の最新モデルも含めて検証していこう。試奏・レビューを担当するのは、あいみょんやsumikaといったトップ・アーティストのサポートを手がけ、自身もマークベース・ユーザーのひとりである井嶋啓介だ。なお、2022年1月19日発売のベース・マガジン2月号では、マークベースの魅力を、愛用ベーシストによる対談を始め、さまざまな角度から再考する特集記事を掲載するので、そちらもあわせてチェックしていただきたい。

    Little Mark IV(2022年2月発売予定)

    ブランドの現在地を象徴する、進化型多機能アンプ・ヘッド

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     小型ベース・アンプ・ヘッドを代表する機種として長年多くのベーシストに愛されてきたLittle Mark Ⅲに変わって登場したLittle Mark Ⅳは、トレンドやニーズを受け入れつつスペック以上に音色や操作性を進化させた最新型のフラッグシップ・モデルだ。4バンドEQは効果や帯域が見直され、中心周波数は低いほうから68Hz、360Hz、800Hz、10kHzとなっており、よりセッティングしやすく、幅広いジャンルに対応できるようブラッシュアップ。従来モデルのVLEとVPFは、OLD SCHOOLとスイッチ切り替えによるscooped-midに置き換えられ、より素早く効果的な音作りを可能にしたほか、ミュート機能を専用プッシュ・スイッチで設けるなど、機能性や操作性が向上している。

     フロント・パネルにはフットスイッチ端子、リア・パネルにはエフェクト・センド/リターン、チューナー・アウト、プリ/ポスト切り替えとグラウンド/リフトを備えたXLRバランス出力の各端子が配置され、従来モデル同様に充実した入出力端子が設けられている。出力は最大500W/4Ωと数値上は先代機と変わらないが、多額の研究費と労力をかけて独自開発されたクラスD方式のMPT(Mark Proprietary Technology)パワーアンプにより、楽器本来の音色を損なうことなくリアルな低域再生を可能にしているほか、パワーアンプ・セクション内部に採用された新設計のBI-BAND LIMITERが素早くダイナミックに演奏に追従することで、大音量時でも頭打ち感のない自然なアタックを演出してくれる。

    フラット・トーン/低音・高音をブーストし中音域を下げるスクープ・プリセット/フットスイッチでミュートとscooped-midを切り替えできる“FSW”が選択できる3ウェイ・ロータリー・スイッチを装備する。
    Little MarkⅢに搭載されていたVLEのツマミはOLD SCHOOLに置き換えられている。ブーストするほど高域がカットされる範囲が広がり、ローファイ感のあるサウンドを作り出すことができる。
    専用のフットスイッチを接続する端子。ミュート機能とscooped-mid機能を個別にオン/オフできる。フットスイッチを接続する場合はフロント・パネルのスイッチをFSWに設定する。

    【Specifications】●出力:300W(8Ω)、500W(4Ω)●プリアンプ:ソリッドステート●パワーアンプ:クラスD●コントロール:ミュート・スイッチ、3ウェイ・ロータリー・スイッチ、ゲイン、ロー、ミッド・ロー、ミッド・ハイ、ハイ、オールド・スクール、ライン・アウト、マスター、オン/オフ・スイッチ、プリ/ポスト・スイッチ、グラウンド/リフト・スイッチ●入出力端子:インプット、フットスイッチ、スピーカー・アウト×2、チューナー・アウト、リターン・エフェクト、センド・エフェクト、ライン・アウト●外形寸法:276(W)×250(D)×83(H)mm●重量:2.45kg●価格:104,500円

    ▼ Ijima’s Impression

    – 揺るぎないマークベースらしさが根底にある –

    揺るぎないマークベースらしさが根底にありつつ、トータルではクリアでハリのあるモダンな音色傾向ですが、音色バリエーションは豊富ですね。ギュッとしたミッドがあるのでスピードが速くて、抜け感も良いです。LOWは効きが良くて結構出せますけど、抜ける部分は消えずにちょうどいい帯域で効いてくれます。MID LOW、MID HIGHはキャラの変化が激しくていろいろ遊べるけど、痛い感じにはならないし、ちょっと効かせるだけでアンサンブルに馴染ませたり、おいしいポイントを見つけたりしやすいです。HIGHはロー感を損わずに艶っぽさだけを演出できますね。4バンドEQだけでも楽曲に合わせた細かい音作りができるんじゃないかな。scooped-midは効きが明確で誇張しすぎな面もあるけど、単独で聴くと派手でカッコいいですね(笑)。反対にOLD SCHOOLはVLEに比べると落ち着いている印象もあるので、使うならガッツリ効かせたくなりますね。

    コンボ・アンプとしても登場!

     LITTLE MARK Ⅳの一般発売はまだだが、本機のコントロール部分を搭載したコンボ・アンプは発売が開始されている。12インチ1発のスピーカーを備えたMINI CMD 121P Ⅳ(176,000円)、12インチ1発のスピーカーに加え、カスタム・ホーンのツイーターを備えたCMD 121H Ⅳ(187,000円)、10インチのスピーカーを2発備えたCMD 102P Ⅳ(220,000円 ※受注発注品)の3モデルがラインナップしている。

    MINI CMD 121P IV
    CMD 121H IV
    CMD 102P IV

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