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80年代クリムゾンを鳴らす! トニー・レヴィンがBEATの武道館公演で使用した2本のスティングレイとチャップマン・スティック

  • Text : Shutaro Tsujimoto (Bass Magazine Web)
  • Translation : Mariko Kawahara
  • Photo : Chika Suzuki

2025年9月1日(月)、キング・クリムゾンの80年代レパートリーを演奏するプロジェクト、BEATが日本武道館で来日公演を行なった。元クリムゾンのエイドリアン・ブリュー(g, vo)とトニー・レヴィン(b, vo)に、スティーヴ・ヴァイ(g)、トゥールのダニー・ケアリー(d)が加わった豪華布陣によるステージで、トニーはチャップマン・スティックからシンセ・ベースまで自在に操り、多彩な低音を響かせた。ここでは、そのサウンドを支えた彼の機材を紹介していく。

本記事では、2本のスティングレイとチャップマン・スティックを紹介する。

トニー・レヴィン ライヴ写真
トニー・レヴィン
(9月1日(月)日本武道館)
Photo : SHOTARO

80年代クリムゾンの低音を現代仕様で鳴らす、
トニー・レヴィンの最新ライヴ機材 <ベース篇>

Chapman Stick

トニー・レヴィンのチャップマン・スティック


 両手タッピング奏法に基づいてデザインされたギターとベースをルーツとする弦楽器、チャップマン・スティック。全18曲のセットリストのうち11曲で本器が活躍。80年代クリムゾンのサウンドを象徴するギアといえる。12弦タイプで、2010年頃に製造されたモデルだと思われる。チューニングは最も低い7弦がC、そこから5度ずつ上がり8弦がG、9弦がD、10弦がA、11弦がE、12弦がBで、これら低音弦側は左手で演奏する。右手で奏でる高音弦側は、6弦がC、そこから4度ずつ上がり、5 弦がF、4 弦がA#、3 弦がD#、2弦がG#、1弦がC#となる。

トニー・レヴィンのチャップマン・スティック 部分写真1
トニー・レヴィンのチャップマン・スティック 部分写真2
本器のサウンドはこちらの動画でチェックできる

◎あわせてチェック!◎

Music Man / StingRay Bass

トニー・レヴィンのスティングレイ


 『Three of a Perfect Pair』(1984年)のジャケット・カラーに塗装されたミュージックマン製スティングレイ。ブリッジ寄りに大型ハムバッカー1基を搭載する初期仕様の個体で、本人による大きな改造はないとのこと。1984年のツアーで当時のテックがスプレー塗装を施したが、長年の使用で塗装が剥がれ、下地が露出するほどに使い込まれている。本公演では「Heartbeat」「Model Man」「Sleepless」「Thela Hun Ginjeet」で使用された。弦はアーニーボール製で、ゲージは.045/.065/.080/.100。“80年代から長い時間が経ったが、今でも、状態もサウンドもとてもグッド”とのことで、本ツアーに採用されている。

トニー・レヴィンのスティングレイ 部分写真
トニー・レヴィンのスティングレイ 部分写真
本器のサウンドはこちらの動画でチェックできる

Ernie Ball Music Man / StingRay Special 5

トニー・レヴィンの5弦スティングレイ


 アーニーボールミュージックマン製スティングレイ・スペシャル5弦仕様。ネオジム・マグネットのハムバッカー1基と18V駆動の3バンドEQを搭載し、ローステッドメイプル・ネックや軽量ボディによる演奏性の高さが特徴。トニーは長時間のライヴでも負担にならない軽さを気に入っている。本公演では「Man With an Open Heart」「Larks’ Tongues in Aspic (Part III) 」で使用。弦はアーニーボール製でゲージは.050/.070/.080/.105/.135。弦高についてテックに尋ねると“低くはない。彼は強い男だから、普通より高くしても弾けるんだ”と語ってくれた。

トニー・レヴィンの5弦スティングレイ 部分写真
トニー・レヴィンの5弦スティングレイ 部分写真

Setlist】
BEAT
2025年9月1日(月)日本武道館


01. Neurotica
02. Neal and Jack And Me
03. Heartbeat
04. Sartori In Tangier
05. Model Man
06. Dig Me
07. Man With An Open Heart
08. Industry
09. Larks’ Tongues In Aspic(Part Ⅲ)
10. Waiting Man
11. The Sheltering Sky
12. Sleepless
13. Frame By Frame
14. Matte Kudasai
15. Elephant Talk
16. Three Of A Perfect Pair
17. Indiscipline

-Encore-
18. Thela Hun Ginjeet

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