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    スリーク・エリートが広げるベースの世界 vol.1 〜 Serek Basses feat. MINA

    • Photo:Chika Suzuki、Hiroki Obara(Mr.Hirose)
    • Translation:Tommy Morley

    さまざまな海外ブランドの輸入代理店であり、メインテナンス・マシンPLEKを日本に広めた功労者でもある東京の工房、スリーク・エリート。代表の広瀬創氏がもともとベーシストであり、ベース愛に溢れることで知られている同工房が、今お薦めするブランドを紹介!

    about Sleek Elite

    まずはスリーク・エリートがどのような工房かを改めて紹介!

    スリーク・エリート代表の広瀬創氏は、学生時代からベーシストとして活動し、米軍基地などでの演奏経験やウィル・リーとの交流もあったという人物だ。

    “日本で活動していた旧ザイール出身のミュージシャンとコンボを組んで演奏したりしていました。ウィル・リーは、ブルーノート東京でいろんなミュージシャンを観ていたときに知り合って、「NYに来たらベースを教えてあげるよ」って言われて。お金もなかったんですけど、とりあえず行けばなんとかなるだろうと思って行ったんです。そしたら、着いた初日は彼がバカンスで不在だったという(笑)。その後、1ヵ月くらい滞在して、仕事の現場を見せてもらったりしました”。

    スリーク・エリート代表の広瀬創(ひろせ・はじめ)氏。

     もともとプレイヤーだった氏は、“自分の声を持った楽器”を探求しているうちにケン・スミスに心酔。自分以外のプレイヤーにも、そういった楽器を使ってアイデンティティを確立してもらいたいという思いから、ケン・スミスの輸入代理店として1999年にスリーク・エリートを設立した。

    “最初はスミスをやって、NAMMショウでブースを手伝っていたら、偶然目の前のブースがシトロンで。展示されていた楽器の印象がすごく良くて手がけることになりました。その後、バグエンド、クノーレンなどに広がっていったんですけど、Fベースやノードストランドなんかは、「ケン・スミスをやっているなら安心だろう」と思ってくれたみたいですね”。

    現在では、ディングウォールやメイワンズ、アレバ・コッポロなど、通を唸らせるブランドを扱っている。

    “扱っているのは、どういう弾き手にアピールするかがちゃんと見えてくるブランドや、知る人ぞ知るだけどおもしろいブランド。そういった楽器を、手の届きやすい適正な価格帯で、なおかつベストな状態に調整して市場に送り出したいと思っています”。

     また、スリーク・エリートは国内でも早い段階でPLEKを導入してリペア業務も展開。現在では、国内におけるPLEKのアドバイザー的立場でもあるが、これについては次回以降で改めて紹介したいと思う。

    Sleek Elite Selection①

    スリーク・エリートが取り扱うブランドから今のイチオシをピックアップしよう。

    Serek Basses

     セレックは米国シカゴにてハンドメイドされるベース・ブランド。創業者のジェイク・セレック氏はベーシストで、1987年生まれ。トランペットやチューバを経て高校でベースを始め、2008年から2011年にかけてはバッド・シティというバンドに在籍。80年代アリーナ・ハードロックを彷彿させるサウンドで、スマッシング・パンプキンズやキッス、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュなどとの共演を重ねた。バンド活動と並行してレイクランドにてインターンとして働いて楽器製作を学んだ彼は、バンド解散後はリペアショップに勤務してさまざまなタイプの楽器の構造を研究。自身にとっての夢のベースを自ら作るため、また音楽と木工作業の両方に情熱を持っていたため、そして、独立した個人としての活動で充実した生活を送るためにプレイヤーからビルダーへと転身した。

     セレックのベースは“懐かしさ”のあるデザインが印象的で、32インチや30.5インチなどのショート・スケール・モデルをメインにしているのが特徴だ。広瀬氏も、“エレキ・ベースのメインは34インチではあると思いますが、日本人の体格を考えれば本当はスケールが短い楽器のほうが合っていると思う。ただ、ショート・スケールやミディアム・スケールをメインに据えているブランドは少ない。セレックはヴィンテージ楽器にすごくリスペクトがあるのもおもしろいし、PLEKで楽器を見ても、かなりしっかりとしたものを作っていると思います”と話していた。

    • Midwestern(Satin Golden Mahogany)

     今回ピックアップしたモデルは、30.5インチ・スケールを持つMidwesternと、その進化版Midwestern 2。カッタウェイ形状が異なることと、“2”のほうが1フレット多いのが主な違いだ。ピックアップは自社製をはじめいくつかの種類が用意されているが、今回試奏するMidwesternにはオリジナルLazen-B90ハムバッカー、Midwestern2にはオリジナルB90シングルコイル(ハムキャンセル・ダミーコイル仕様)を搭載している。

     そのほか、スルーネック仕様でスケールやボディ構造などで多くのカスタマイズができるSacramento、パッシヴ・ファズ回路を内蔵したThe Grandなどがラインナップする。

    Sacramento
    The Grand

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