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山本連インタビュー【後半】バークリー音楽大学での経験と、セッションマンとしての歩み【BMG連載】

  • Interview : Shutaro Tsujimoto (Bass Magazine Web)
  • Photo : Chika Suzuki

本記事では山本連のインタビュー後半をお送りする。

インタビューの前半はこちらから。

“いつでも爆音で音楽を聴ける”環境に身を置いた経験は、振り返ると良い時間だったなと思います。

 “音楽自体が遊び”みたいな感覚でしたし、遊んで暮らしてたって感じですかね。でも、今でも一緒にやることの多い仲間にはここでたくさん出会うことができました。

 1個上の学年ですね。本当に、ただ一緒にダラダラする友達って感じでした。

 友達の家に一緒に泊まってて、“学校行くわ”って行って家を出るけど、隼太も同じ授業なのにずっと寝たままで、授業が終わって夕方にその友達の家に戻ってきても隼太はまだ寝てる……みたいな(笑)。

 当時は有名になるとも思ってなかったし、本当にただ一緒に遊んでいた友達って感じです。でも、器用なタイプではあったかもしれない。大学に入りたての頃って、フォデラとかを使うハイファイ系のベーシストが流行っていたんです。アドリアン・フェローとかマシュー・ギャリソンとかヤネク・グウィズダーラとか。 

 で、4フィンガー奏法ってあるじゃないですか? あれが大学でも流行ってたんですけど、隼太はすぐできるようになってましたね。そうやって何でも器用にすぐできるタイプでした。

 別に背中を押してはないですけどね(笑)。忘れちゃったけど……渋谷のファミレスでそんな話をした気もします。和輝は2歳下で大学は違ったけど、すごく仲が良かったですね。

 洗足が提携校だったので、交換留学みたいな形で2年半ほど行きました。

 アメリカ人は音楽が生活に近い人が多いから、いつでも爆音でみんなで音楽を聴いてるんです。家でも普通にドラム叩きますし。“いつでも爆音で音楽を聴ける”環境に身を置いた経験は、振り返ると良い時間だったなと思います。

 トップ40のポップスを演奏するパーティー営業みたいなアルバイトをやっていました。あとはジャマイカ人たちとレゲエ・バンドをやったり、プログレのインスト・バンドみたいなのでもベースを弾いてましたね。

 ティム・ルフェーブルは日本に帰ってきてからですね。ウェイン・クランツ(g)とやっているのとか、ラダーっていうバンドが好きで。あと、サム・ウィルクスはアメリカにいたときにノウワーのベーシストとして知りました。向こうにいると情報が早いですよね。スナーキー・パピーとかも、日本で人気になるだいぶ前に向こうで知りましたし。

 リチャード・ボナやピノ・パラディーノは高校の頃から好きですね。

 kiki vivi lilyの「Invisible」のベースはプレベでけっこうトーンを絞って、そういう系の音で弾いたような気がします。あと大比良瑞希の「夜を縫って」(編註:山本がプロデュースも務めた)もプレベにフラット・ワウンド弦を張って、トーンを絞りながら弾きましたね。

 Tiny Desk Concertで見つけたジ・セイクリッド・ソウルズのサルバドール・サマノとか、今度フジロックで初来日するカトリエル&パコ・アモロソ(CA7RIEL & Paco Amoroso)のベーシスト(フェリペ・ブランディ)はカッコ良かったですね。

練習だと思って弾いていたら、“もうこれで良くね?”ってそのテイクが採用されたので、ワンテイクだった気がします。

 同時期にバークリーに通っていて、向こうで仲良くなりました。日本に帰ってからも、セッションとかバンドとかで一緒になって、今でも一緒にやっていますね。

 うーん……一個一個やっていたらこうなっていた、としか言えないですかね。あるときに何かが変わった、とかではなく。積み重ねていくなかで、出会った誰かがまた何かに誘ってくれて、そこからどんどん広がっていって……の積み重ね、みたいな感じです。

 ジャムりながら作っていったので、概ね自分のアイディアかもしれないです。と言っても、コードが多いので必然的にああいうプレイになっていくというか。練習だと思って弾いていたら、“もうこれで良くね?”ってそのテイクが採用されたので、ワンテイクだった気がします。DonGroshの5弦ジャズ・ベースを使いました。

 基本フェンダー・ジャパンのプレベですね。何曲かは、“ネックがフェンダーでボディがMJT”というベースで弾きましたけど。

 このミックスの音はめっちゃ気に入っています。吉川昭仁さんが録ってくれて佐々木優くんがミックスしてるんですけど。フェンダー・ジャパンのプレベにフラット弦を張っています。この竿自体はローがあんまり出ないからか、フラット弦を張ることでミッドの抜けが良くなって、すごくちょうど良いんですよね。プリプリしていて。

 そういう活動も、もっとやっていきたいと思っています。LAGHEADSでも基本、小川翔(g)さんとふたりでトラック作りからやっていたり、STEREO CHAMPでも(井上)銘くんとトラック作ったりしています。偉そうなことは言えないけど、ベーシストもトラックメイクをやってみると違う景色が見えますよ。“キックとベースをちょっとズラすとグルーヴするな”、とか“ここで16分のシェイカーを入れたらもっとグルーヴするな”とか。打ち込みをやっていると、そういうほかの楽器の位置を気にするようになりますよね。

◎機材紹介記事は後日公開
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